∀ddict

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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』とやる夫スレ『やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです』その1

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』

www.nhk.or.jp

が第6回「悪い知らせ」でやる夫スレ『やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです』第一幕「三郎冠者」の時系列になったので書こうと思い立ちました。


『鎌倉殿の13人』が鎌倉北条氏を中心に据えているのに対して『やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです』は後の室町将軍家の足利氏の2代目・足利義兼(と、3代目・足利義氏)を主人公にした鎌倉幕府成立までの話を描くやる夫スレです。詳細は「やる夫Wiki」の作品紹介ページ(以下)を参照してください。

yaruo.fandom.com

『鎌倉殿の13人』には足利氏が出てくる様子が今のところなく、実際現段階での両者の重複は以仁王の挙兵と石橋山の戦いののちに安房(千葉県)に逃れたところくらいです。実際、北条は伊豆(静岡県)で足利は下野(栃木県)でお互い遠いです。足利寄りの場所で登場したのは第2回「佐殿の腹」で宗時、義時兄弟が出かけた比企氏が武蔵(埼玉県)ですが、遠出として描かれていたと思います。


今回は重複イベントがほぼないので源頼朝の味方になっていく人たちの関係について書いておこうかと思います。特にそのうち『鎌倉殿の13人』であまり扱われていない非北条系のことについて書きます。今後扱いそうな範囲は避けますが、一部子孫についても触れます。

どの時代もまずあるのは血縁で

  • 親兄弟
  • 親戚

準・血縁と言えるのが

  • 乳母・乳兄弟(身分の高い人の場合は産みの母と育ての母(乳母)は別で、育ての母の実子が乳兄弟)

で、この時代はまだ一代限りの関係の場合もありますが

  • 親の同盟者

などがいます。


頼朝の親兄弟で登場しているのは第1回の最後と第6回の次回予告に出てきた源義経です。この人は説明不要だと思いますが異母弟です。他にも平治の乱を生き延びた兄弟がいるのですが、これまでの登場人物からして1人の登場は確定で(今後出てくると思うので誰かは書きませんが)もう1人は重要な役割の人なので出るとは思うのですが他の人はどうか分からないですね。

実の兄弟はそんなところですが、頼朝の義兄弟ーーつまり政子の姉妹の夫ですが、これが大河のキャスト的に1人しか今いないのですが結構います。やる夫スレの方の主人公である足利義兼もそうですし、大河に既に出てきた人の中にもいるのでどうするんでしょうか。この義兄弟たちが『鎌倉殿の13人』の終盤になるであろう大イベントに大きく関わってくるのですが、そこまでやらない or そのイベントナレーションで終わるとかなのでしょうか。


次に親戚、現代的に言う親戚ほど血縁が近い人は大河だと第1回の最後に登場した源(木曽)義仲と第3回に登場して以仁王の令旨を届けた源行家

義仲は頼朝の父方の従弟です。義仲の父・義賢が頼朝の父・義朝の弟。義賢を討った(義朝は父や兄弟と対立していました。結果、保元の乱で敵味方に別れました)のが、頼朝の兄・義平という因縁の仲。この後も縁があるのですがそれは今後の展開で。

行家は頼朝の父方の叔父です。この人の今後もドラマで描かれるかもなので省略。

未登場ですが、義兄弟にもなる足利義兼は母方は母親同士が義理の姉妹(血縁的には叔母姪)で義理の従兄弟(という表現をするのだろうか)の関係です。頼朝の旗揚げ合流後に義兼が政子の妹と結婚しているので重要人物と目されていたはずです。

これまでが親戚で、同じ源姓ではあるものの親戚と言うには遠い関係なのが第3回に登場した源頼政と第6回に登場した武田信義

源頼政大江山の鬼退治で有名な源頼光の系統(摂津源氏)で、頼朝はその弟・頼信(河内源氏)の系統の人で血縁としては相当遠いです(共通祖先が10代くらい前)。ただ、源頼政とその子が伊豆の国司だったのも頼朝の流刑先が決まる上で影響があったかもしれない感じです。頼政の子孫から室町時代太田資長(道灌)が出ています。

武田信義源義家の弟・源義光の4代後の人で頼政よりは近いですが近くはない間柄です。子孫には戦国時代に武田信玄がいます。信義の動向と兄弟・親戚周り(甲斐源氏)は今後のドラマの展開に大きく影響するのでここまでで。


その次に準血縁の乳母と乳兄弟。頼朝には乳母は3人いて

  • 比企尼(比企氏):初登場第2回。比企能員は婿養子なので乳兄弟ではないけど似た枠
  • 山内尼(山内首藤氏):乳母本人は登場していないが、名前入りの矢の話があった乳兄弟の山内首藤経俊は登場済
  • 寒河尼(小山氏):未登場。割と直近でイベントがあるので詳細割愛

とそれぞれ武蔵、相模、下野に勢力を持つ氏族です。頼朝の流人時代の生活と旗揚げ直後の勢力を支えたのはこの乳母たちの一族なので(山内首藤経俊は今平家方ですが)、今後も活躍していくことになると思います。


最後に親の同盟者。第6回で戦死が報告された三浦義明(三浦義村和田義盛畠山重忠源義平の祖父)。現在敵対中の大庭景親の兄・大庭景義(未登場)。第6回最後に登場した上総介広常上総介広常の又従兄弟の千葉常胤。三浦氏は伊東氏を介しての親戚関係にある北条氏に協力して既に参陣していますが、残り2氏族の参陣がこれからの話になります。

そしてやる夫スレ主人公の父・足利義康。頼朝と義兼が母方で従兄弟ということは父親同士は奥さん同士が姉妹ということです。また、お互い祖父(曽祖父)が同じなので現代でも親戚付き合いあってもおかしくない近さでしょう(私は曾祖父母が同じ範囲の親族とは定期的な付き合いがあります)。保元の乱には義朝、義康と同じ陣営で戦ったのがなんと平清盛。義康は平治の乱の前に亡くなっているので子供同士の付き合いがどの程度あったのかは不明ですが、かなり近しい続柄といえそうではあります。


と、頼朝初期陣営になっていきそうな関係性のうち非北条系を主に書いてみましたが、大河に登場していない足利氏が色々な縁で関わっているのが分かると思います。ただいかんせん『鎌倉殿の13人』の元になっている『吾妻鏡』の編纂時期と推定されている周辺で北条氏と足利氏の関係がやや微妙だったり、後に足利氏が鎌倉幕府の滅亡に貢献しているので大河ではオールカットというのもあるかもしれませんね。

そんなときこそやる夫スレ『やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです』を同時代を別側面から描いた作品として見てもらえればなと思います。他にも現在TVアニメ『平家物語』も以仁王の挙兵にまで話が進み、同時代の話になってきました。

これを契機に平安時代末期から鎌倉時代の話が増えるといいなぁ、といちファンとしては思う次第です。