∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

GOTHAM/ゴッサム - シーズン2 1話先行放送

GOTHAM/ゴッサム 〈ファースト・シーズン〉 コンプリート・ボックス [Blu-ray]

GOTHAM/ゴッサム 〈ファースト・シーズン〉 コンプリート・ボックス [Blu-ray]

AXNでシーズン2 1話の先行放送がやっていたのを見ました。


おさらいがてら主要人物のシーズン1の結果を書くと

  • ゴードン:ゴッサム市警に復帰するものの降格。バーバラとは別れ、検死官と付き合うことに
  • ブロック:警察を辞めてバーを開く
  • ニグマ :恋敵の警官を殺して検死場で処分する。次第に内なる悪が大きくなっていく
  • バーバラ:両親を殺してアーカム行き
  • ペンギン:幾多のライバルを蹴散らしてゴッサムの暫定トップ。だが、従わないものの方が多い
  • セリーナ:ウェイン産業から派遣されたアルフレッドの軍役時代の友人を殺す。現在はペンギンのところにいる
  • ブルース:ウェイン産業内部の大半は敵だと分かり、唯一味方としてルーシャス・フォックスと出会う。屋敷の地下にバットケイブの原型となる部屋を見つける
  • アルフレッド:戦友に重症を負わされるも復帰

といったところ。アーカムアサイラムが出て以降は若き、人間としての名前しか無かった頃の有名ヴィランが現れては投獄されていたので、今シーズンでヴィラン化する様子。


1話ではニグマやバーバラの闇が深まり、ゴードンはブルースに促されて不本意ながらペンギンと手を組んで復職。ブルースはアルフレッドをけしかけて、地下室の扉を開けることに成功する。最後にアーカムアサイラムの囚人を集めた男がいて街に騒動を引き起こしにかかる話。


どうも前シーズンの復習みたいな話の展開でそれほど思うところもありませんでした。次回予告で監視カメラを覗きこんでるジョーカーになりそうな人の方が印象に残っているくらいです。

ヒストリーチャンネル「日本史 汚名返上 『悪人』たちの真実」と登場した「悪人」たちが登場する創作物

www.historychannel.co.jp

ヒストリーチャンネルで年始に一挙放送をしていたのを録画したのを見た。

通俗的に「悪人」とされている日本史上の人物を別の視点から見てみようという番組。ホストは『逆説の日本史』の井沢元彦と精神科医の和田秀樹。取り扱った「悪人」は10人。各人30分3トピックにまとめて話す形式。1トピック10分ない程度なので大胆にまとめている感じ。

紹介された悪人は以下

人物 悪人とされている理由 日本三大悪人 討死・暗殺などで死んだか?
平将門 天皇になろうとした
徳川綱吉 生類憐れみの令を含めた悪政 - ×
道鏡 皇位簒奪 ×
田沼意次 汚職政治 - ×
蘇我入鹿 国を意のままに操ろうとした -
井伊直弼 無断条約締結と粛清 -
平清盛 一族で権力を意のままにした - ×
吉良上野介(義央) 忠臣蔵の悪役 -
足利尊氏 南北朝分断と裏切り ×
織田信長 比叡山焼き討ちなど -


学校教育を受けてから随分経ってしまったので、彼らを教科書でどう教えてもらったのか忘れてしまっていて、私の彼らのイメージは創作物に寄るところが大きい。

平将門

『鬼丸大将』だと主人公ではないこともあって叔父に横領された父の領土を取り戻すために都に来るも、失意のうちに田舎に戻る青年、相馬小次郎として登場する。作中の彼の決起の動機はかなり近代的なもので、同じ人間が差別されない国の建国といったもの(タイトルに含まれる鬼丸は日本に流れ着いた外国人とのハーフで、外見と体躯から「鬼」として差別されており、また、小次郎の周囲には他にも非差別階級の人がいる)。このへんは手塚治虫の漫画に共通した価値観なので脚色だろう。


oyoguyaruo.blog72.fc2.com

端的なまとめだとこれ。桓武平氏が坂東と伊勢で別れた経緯と、元々桓武平氏の地盤だった坂東に清和源氏が勢力を持つようになった経緯が書かれている。

当時の体制化では謀反人なのでむろん、罪人なのだが(番組中の補足で記録に残っている上で一番最初の一番大きい獄門刑の人らしい)。源頼朝から始まる武家の幕府体制側からは朝廷に代わる機構を最初に立てようとした人として崇められている。徳川氏も江戸総鎮守として神社に祀られている人なので、倒幕で前政権が良しとしていたものを悪いと言われている感じ。

徳川綱吉

確か『風雲児たち』の徳川吉宗の回あたりで評価が出てきたような記憶があるが、それくらい。廃止されたものも多くあるものの、特に前半治世の文治政治貨幣経済的なところをどうにかしようとしたところは現在は評価の対象になっている様子。

道鏡

この人そもそも中立な記録がほとんど残っていないような時代の人なので図書館に遭った学習漫画の日本の歴史の奈良時代編で読んだことがあるくらい。子供向けの漫画なので男女の関係についてははっきり書いていなかったものの怪僧ラスプーチンタイプだった記憶がある。当時の僧侶が大陸から渡ってきた知識の第一人者で、医学にも通じることが多かったことから内科治療だけでなく精神科医的なこともしていて、天皇が信頼できるメンターとして重宝したのかもという説は面白かった。当時の制度上で天皇の側で地位を持って働くには、高い地位を用意するしかなかったのだろうけど、そこが藤原氏の顰蹙を買ったというところ。

晩年については知らなかったものの、政治家を辞めて地方で僧侶の職業をしていたということで、処刑されていないことから見ても、この人が本気で皇統簒奪を狙っていたわけでもなく、宇佐八幡神託事件は何かよく分からない話だったのかも。

田沼意次

田沼意次石ノ森章太郎の『平賀源内・解国新書』の印象。石ノ森章太郎は経済系の漫画を意外に書いていて

『マンガ日本経済入門』などという著作もある。

この漫画は平賀源内田沼意次失脚後に田沼政治を悪く言う人が多い中で田沼政治の振り返りをした『解国新書』を現代の学者を通して解説する漫画。「平賀源内田沼意次に世話になっている人なのでそこを割り引いて考える〜」的な話は現代の学者パートで書かれている。東西両方で金勘定は低く見られる一種の美学がある(江戸時代の身分制度だと士農工商だし、ヨーロッパでもそれなりの時代まで金融業はユダヤ系だったりした)が、経済政策面で高く評価されている話。番組中でもそのあたりの評価は同じだった。

蘇我入鹿

自分が教科書で勉強した頃には大化の改新しか出てなかった気がするが、乙巳の変も最近は出ているのか。天智・天武期は天皇の血統の入れ替わりの問題や、それに付随した史書の食い違いがあり中々謎なところが多い(古事記日本書紀蘇我氏の滅亡で失われたと見られている国記など)。総合すると一番の権力者だったし、中大兄皇子一派からするとまだ朝廷が不安定な中では誅殺せざるを得なかったといったところ。時代が下ればこのときの功臣の子孫である藤原氏が大なり小なり同じようなことをやっていた気がするが、体制のあり方が大きく違うのだろう。

天智と天武 1 -新説・日本書紀- (ビッグコミックス)

天智と天武 1 -新説・日本書紀- (ビッグコミックス)

天智・天武期の最近出た漫画というとタイトルはそのままで『天智と天武』がある。朝鮮半島情勢(当時記録上は大和朝廷朝鮮半島任那群という領土を持っていた)や勢力母体を元に、蘇我氏中臣鎌足が語られるのが面白い。

また、やる夫スレになるが、平将門の項目で上げた鎌倉幕府成立の話と同じ作者が大海人皇子の話を始めている。

oyoguyaruo.blog72.fc2.com

当時の大和王朝が影響力が及んでいた範囲や、日本の地形など見落としていた点が多くて勉強になる。この頃とは1400年も時代が違うのだから気候変動や大陸変動、開拓の具合が大きく異るのはよく考えれば当然なのだが、島国であるせいか、いつの間にか長らく今の日本の形であったと思ってしまいがちなのでよい視点を与えてくれたと思う。

井伊直弼

この人の話は『風雲児たち 幕末編』で概ね読んだ内容だった。

風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス)

風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス)

自分の出自に正統性が弱く、たとえ幕府譜代の彦根井伊家ですら正統性がないものがどのような扱いを受けるのか骨身に染みて分かっているがゆえに正しくあろうとした結果、悪い方向に働いてしまったという感じ。幕末攘夷志士とそこから政権を倒した明治政府からすれば悪人だが、離れてみてみれば役割の犠牲者だという感じがする。

平清盛

この人も本人頑張ったけど、一族の悪評や子孫が負けたことが悪評の原因な気がする(「平氏にあらずんば人にあらず」はこの人の言ではなく、義弟平時忠)。後、大きく言うと同系列の桓武平氏の清盛の伊勢平氏系列は頼朝配下になった坂東平氏系列に負けたので、必要以上に悪く書かれてるのではなかろうか。近年の大河ドラマはそういうアットホーム感を書く感じはあるが、『平清盛

でもそんな感じだったし、近年作品では『ジパング 深蒼海流』で

でもそんな感じだった。どちらでも遺族がこじらせてしまった感じではある。清盛より早く死んだ長男の重盛が日本三忠臣に上げられている。重盛は調整役が多かった人だけれど、豊臣秀吉の弟の秀長とか、毛利元就の長男の隆元とか、豪腕系の下の調整役が先に死んでしまうと諸々問題噴出しますね、という感じ。

吉良上野介

忠臣蔵の話の犠牲者。例によって忠臣蔵のパロディで様々な解釈がされているけれど、一番面白かったのは『釣りバカ日誌』の番外編でやっていたパロディ(Googleで調べてみたけれど、どの巻収録かわからなかった)。

配役としては

となっている。事の起こりは江戸城松の廊下で浅野内匠頭吉良上野介に「鮒侍」と言われて刃傷沙汰になり、赤穂藩江戸屋敷に赤穂浪士(当時はまだ浪士ではないが)一同が集まったところから始まる。多胡内蔵助はたいそう現実主義者で軟弱なしゃべりに英語を交えて仇討をしたところで赤穂藩の立場は悪くなるし、内匠頭の弟の浅野大学による赤穂藩存続の目があるうちはダメだという。ただ、交渉を有利にするために襲撃をちらつかせて恫喝する手段を提案する。

そんなこんなで襲撃をするフリを続けていくうちに本人たちの意志とは無関係に江戸庶民を始めとして「仇討」を期待する声や勢いが大きくなり、赤穂藩断絶が決定し後に引けなくなってしまう。内蔵助、主税親子はぼやきながら歩いていると、釣り糸を垂らした浜崎某が会話に割って入り「自分があの時鯉を釣り上げていればこんなことにならなかった」と言う。

時間を遡ると吉良上野介に鯉を釣り上げて届けてみせると約束した浜崎某が鮒しか釣れず、細工をして鯉に見せかけたものを吉良邸に届け、後日江戸城松の廊下で吉良と浜崎が出くわす。バツの悪い浜崎はその場に居合わせた浅野内匠頭の影に隠れるが、吉良は浜崎に気が付き「鮒侍」と声をかける。浅野内匠頭は自分が吉良に侮辱されたと勘違いし、刃傷に及んだのだった。

事の真相を知った内蔵助、主税親子は激怒して浜崎某を追いかけるのだった。という酷い話。

しかし、実際のところ吉良上野介にとっては想定外のことだったのには違いがなさそう。

足利尊氏

この人ほど精神分析的に見てみると面白い人はいないのかもしれない。この人が悪人になったのは『大日本史』で南朝を正統としたためだろう。それにともなって北朝関係者を悪く描いたため、編集を指示した徳川光圀が「(江戸幕府が足利高家と認めていた)喜連川氏の男子が絶えた場合は風評で養子が出ないだろうから水戸家から養子を出すように」と言い伝えたとか。尊王精神の発端は水戸藩にあったりするので明治期も南朝正統史観を踏襲して、再評価が出たのはおそらく戦後で、吉川英治の『私本太平記』などもその流れではないだろうか。

http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/card52430.htmlwww.aozora.gr.jp

この時代を書いた歴史書は『太平記』の他に『松梅論』

homepage1.nifty.com

があり、足利氏よりの立場から書かれたもので『太平記』より、短く読みやすいのでおすすめです。

織田信長

数多の創作物によってわけがわからなくなってきた感がある筆頭の人。

信長の生涯を追ったもので割合最近のものであれば『信長協奏曲

信長協奏曲(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

信長協奏曲(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

があり、信長一個人が登場するものであれば『ドリフターズ

などがある。髑髏杯事件はともかく、寺社焼き討ちについては信長の以前の時代から寺社の横暴に対して諸々あり、どうにもというところ。

Marvel Unlimited 1/6更新分つまみ読み

1月から定額読み放題サービスのMarvel Unlimitedを再開したので、今週追加されたものをパラパラ読んでみたメモを残しておこうと思います。

なお、Marvel Unlimitedはアメリカ東海岸時間で1/10までページに記載されているクーポンコードで1ヶ月間無料で利用できます。

1ヶ月と言っても「契約日の翌月の同じ日」なので、契約月月末ではないので注意が必要です。解約しないかぎり自動更新なので次回課金タイミングは意識しておいたほうがよいです。


Marvel Unlimitedは概ね6ヶ月前に発売されたものが新刊として追加されるので、今回は7/8発売のものが対象。この頃はクロスオーバーイベント『Secret Wars』に合わせて全レギュラーシリーズが一旦ストップして本編である『Secret Wars』誌と『Secret Wars』の中のテーマである平行世界の連載がモリモリ書かれていたころです。

平行世界は元々あったものと、今回のイベント用に起こしたものと、昔のシリーズの世界を元にした別のものと、なんともややこしい感じのものがありまして、もはやマーベルユニバースをダシにした公式同人誌的な雰囲気があります。

また、短期間でシリーズが終わること前提なので、昔あった(今もクロスオーバーイベントに対して出てたりしますが)『What if?』(「もしも○○だったら〜」)の一発アイディア勝負短編のような感じもあり、賑やかなイベント時期だったのでしょう。

ただ、この手のネタ話は自分に合わない話は箸にも棒にもかからないレベルのものが出てくるので、買ってまで読むかというと微妙なものもあり、そこはMarvel Unlimited様様といったところです。

Marvel 1872 (2015) #1

Age of Apocalypse (2015-) #1

Age of Apocalypse (2015-) #1

「マーベルユニバースが今とは異なる特定の時代だったらシリーズ」の1872年版。タイトルまでほぼ類似のものだと『Marvel 1602』

Marvel 1602: 10th Anniversary Edition

Marvel 1602: 10th Anniversary Edition

Marvel 1602: New World (Marvel 1602: The New World)

Marvel 1602: New World (Marvel 1602: The New World)


メイフラワー号がアメリカ大陸に着いたのが1620年なので、初回はイギリスが舞台になっており、後に新大陸(アメリカ)に渡った話が出てきます。『Secret Wars』ではアンジェラ(元々『スポーン』に出てきたキャラクターですが、色々権利の話があってマーベルに来ました)が主役の

1602: Witch Hunter Angela (2015) #1

1602: Witch Hunter Angela (2015) #1

という話もあります。

未来の方向だと

Secret Wars 2099 (2015) #1 (of 5)

Secret Wars 2099 (2015) #1 (of 5)

などがあります。また、方向性は多少ずれますが、お伽話とコラボしたFairy Tailsシリーズ

X-Men Fairy Tales

X-Men Fairy Tales

(上記はX-MENと桃太郎のコラボ)などがあります。

かつては今のヒーロたちの子供が大きくなった時代を想定した世界なんかもありまして、夢小説における設定の学園化のような趣があります。時代が離れていると、名前とコスチュームの特徴だけ借りた別の人がやっているパターンと元の人のそっくりさんがやっているパターンがありまして、『Marvel 1872』はどちらかというと後者のパターンです。

1872年というと日本だと明治4年か5年あたりで太陰暦(天保暦)を使っていた最後の年のはずです。劇中はアメリカ西部への道中にありそうな街の周りにはなにもない西部劇に出てきそうな待ちで、おなじみアベンジャーズのメンバーが当時の人たちの役にキャスティングされて出てきます。最後のページに出てきた某キャラクターのアイコンというか、目印には笑いました。

話が面白くなるかはまだ分からないのですが、楽しそうではあります。

Age of Apocalypse (2015) #1

1872 #1

1872 #1

アートがジョー・マデュレイラが描いてた頃のX-MENの雰囲気があってスゴい。Age of Apocalypseはこれまで数回直接の続編をやっているのにその辺全部無視して最初のAge of Apocalypseのキャラクターをよさそうな時期で話作ってる。本編にこんな時間軸があったのかは忘れてしまいましたが、作り方としては「僕の考えた最高のAge of Apocalypse」な感じがします。繰り返しになりますが、ジョー・マデュレイラの時期のX-MENの雰囲気がよく出ていてこの後話がどうなろうとアートは楽しめそうです。

Amazing Spider-Man: Renew your vows (2015) #2

Amazing Spider-Man: Renew Your Vows (2015-) #2

Amazing Spider-Man: Renew Your Vows (2015-) #2

ピーターとMJの間に娘……と言うと

スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)

スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)

メフィストと契約して消滅してしまったはずの存在ですが、その娘がいたらの話、なのかな?今回 #2 なので #1 を読んでからまた読み直します。

Civil War (2015) #1

Civil War (2015) #1

Civil War (2015) #1

シビル・ウォー

シビル・ウォー (MARVEL)

シビル・ウォー (MARVEL)

キャプテン・アメリカが投降せずに内戦が6年間続いている世界。カバーの下半分が白地になるCivil War関連タイトルのルールが守られ、アートはレイニル・ユー。これも話がどっちに向かってもアート面では楽しめそうですが、題材が題材的に話は悪い方向や無理矢理な終わり方をしそうな気もしますが。

Spider-Verse (2015) #3

Spider-Verse (2015-) #3

Spider-Verse (2015-) #3

感想書いてる『Spider-Gwen』(2015)にスパイダーハムが出てきた理由があるらしいので、#5まで出たらまた感想書くかもしれません。ただこれ、面白くなるのかしら。

『Spider-Gwen(スパイダーグエン)』(2015 - ) issue #3 / Most Wanted? Part 3

Spider-Gwen (2015-) #3

Spider-Gwen (2015-) #3

前回までのあらすじ

『Spider-Gwen』(2015 - ) issue #2 からの続きです。前号については以下を参照。

takkun.hateblo.jp


登場人物については

takkun.hateblo.jp

を参照。

あらすじ

ステイシー警部は電車で帰路についていた。電車を降り、徒歩で家に帰り、真っ暗な家の電気をつける。グエンがスパイダーウーマンの姿のまま壁に張り付いていた。驚くステイシー警部にグエンは誰にも見られていないし、誰にも聞かれていないと答える。ステイシー警部はできることは全てしてみたが、事件は自分の手を離れ、上司はスパイダーウーマン悪玉説を信じているしどうにもならなかったと伝える。その上で、グエンにスパイダーウーマンを辞めるように言う。

グエンは言う。自分がスパイダーウーマンを辞めて誰かが傷つくのを知りながら生きてはいけないと。スゲイシー警部は声を荒げる。どこの誰かともわからない人々に対して責任をもつ必要はないし、グエンのすることではないと。グエンの脳裏に死の間際のピーターの言葉がよぎる。

「僕はただ、ただ特別になりたかっただけなんだ……。君みたいに……」

ピーターが特別な力を持とうとして死んだことはグエンの心に深い影を落としていた。父と娘の会話はすれ違い、グエンがもう一度口を開いた時、スパイダーセンスが鳴った。

ガスとともにバルチャーが部屋に飛び込んできた。吹き飛ばされるステイシー警部。駆け寄るグエンを吹き飛ばすバルチャー。バルチャーはステイシー警部の胸ぐらをつかんで釣り上げる。なぜスパイダーウーマンが助けたのか。スパイダーウーマンは誰なのか。バルチャーがステイシー警部に気を取られている間にグエンはスパイダーウーマンのコスチュームに着替えた。棚から落ちたボウリングのピンとトロフィーをクモ糸でつないで即席のヌンチャクを作り、バルチャーに殴りかかる。よろけるバルチャーにジョークを飛ばすも、ガスのせいで形勢は逆転する。

バルチャーが感情を荒げて数十年かけた仕事をオズボーンに奪われたことや、能力を持つものはスパイダーウーマンだけではないことを叫び、名乗りを上げる。

「私はバルチャー!私を拒む全ての者に死……。ぐわっ」

おしゃべりが過ぎたのかステイシー警部に肩を撃ちぬかれてしまった。ステイシー家から逃げ出すバルチャー。


咳き込むステイシー警部。声をかけるグエン。ステイシー警部はグエンの手をつかむ。後は警察に任せてスパイダーウーマンのコスチュームを脱ぐように言う。グエンは父の手を振りほどく。

「これは私にしかできないことだから」

飛び出したバルチャーはパトカーに衝突していた。衝突でバックパックを壊してしまったらしく飛べなくなっていた。警官を追い出してパトカーを乗っ取ろうとするバルチャー。そこにスパイダーウーマンが追ってくる。スパイダーウーマンはガスで視界がぼやけてながらもバルチャーの最後の一撃をかわし、ノックアウト。

よろめきながらスパイダーウーマンは他の存在を感じていた。警官だ。ガスの影からガスマスクをして大きなドクロマークのボディプロテクターをした大男が姿を表した。キャッスル警部だ。両手に棒を持ってスパイダーウーマンに殴りかかる。スパイダーウーマンは棒を叩き割りキャッスルを来るなのトランクに投げ飛ばす。フィニッシュブローを決めようとしたとき、スタン・ショックがスパイダーウーマンを襲った。身動きが取れずうずくまるスパイダーウーマン。キャッスルは銃を手にゆっくりと歩み寄り、スパイダーウーマンのマスクを剥がした。そして、キャッスルは驚いた。

「ガキだと……!?」

グエンが拳を握って睨み返す。

「そうよ。その通り……私は『ただの』ガキ」

キャッスル警部は殴り飛ばされた。グエンはガスの煙幕の中、スパイダーウーマンのマスクを拾い、自分の軽率な行動を悔いた。煙幕が晴れる前にバルチャーをボンネットにクモ糸で縛り付けてその場を去る。


一方、ステイシー警部は近所のベン・パーカーに助けだされていた。ベンはステーシー警部に肩を貸し、自分の家で休むように言って家に連れて行く。グエンは屋根の上から2人を見守り、二階の窓を明けて窓枠に腰掛けた。その部屋はかつて、ピーター・パーカーがいた部屋だった。

感想

今回はバトル回で、対バルチャー戦と対キャッスル戦。

バルチャーはこの世界でもオズボーン(おそらくノーマン・オズボーン)にいいようにやられていた鬱憤があるようですし、スパイダーウーマンにキングピンの存在を伝えてしまいます。グエンはキングピン自体は知らないんでしょうか。その後の軽口でインターネット・デートとプロファイルにつづいてcatfish(ナマズ)と言ってますがこれは映画『Catfish』のことですかね。

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facebookで偽プロフィールの人と仲良くなった主人公の話です。

キャッスル戦は素顔を見られてしまう大失態。同僚のステイシー警部から小さいころのグエンと母親の写真をバーで見せられてはいましたが、ほとんど見ていなかったですし、現段階ではガスもガスマスクもあったでしょうからグエンとまでは分かっていない状態でしょうか。


そして、話冒頭で家に向かって歩いていたステイシー警部と手紙を取りに来て挨拶していた大男はピーターの叔父のベン・パーカー。髪も白髪ではなく、若々しくガッチリした体格をしています。グエンが入った部屋のコマの一番手前に「Honor Award to Peter Paker」と書いたトロフィーが置いてありますし、ステイシー警部もお世話になってますし、次回以降、再度ピーターや残されたパーカー家の話があるのでしょうね。


今回はガスの黄色い背景が画面を明るくしているくらいで全般的に暗い感じです。雰囲気も前号とは違ってスパイダーハムもいないのでシリアス一辺倒ですが、ようやく状況説明からキャラクター個別の心情に入り始めた感じではあるので、今後の展開が楽しみです。

Next Issue (次回)

一戦終えてまた一難。今度はプライベートの戦い。家はめちゃくちゃ、父は行きづらいピーターの家。グローリーやエム・ジェイには引き止められたものの、まだメリー・ジェーンズには正式復帰できていない。

次回『Spider-Gwen』(2015) issue #4 / Most Wanted? Part 4

Spider-Gwen (2015) #4

Spider-Gwen (2015) #4

少女に安息は訪れるのか……。

『Spider-Gwen(スパイダーグエン)』(2015 - ) issue #2 / Most Wanted? Part 2

Spider-Gwen (2015-) #2

Spider-Gwen (2015-) #2

前回までのあらすじ

『Spider-Gwen』(2015 - ) issue #1 からの続きです。前号については以下を参照。

takkun.hateblo.jp

登場人物については

takkun.hateblo.jp

を参照。

あらすじ

バルチャーに振り落とされたスパイダーウーマンはゴミ輸送用の船に墜落していた。スパイダーハムの歌声で目を覚ます。スパイダーウーマンがスパイダーハムがどうしてここにいるのかと質問すると、スパイダーハムはスパイダーウーマンの頭のなかにいるからだと答える。スパイダーウーマンは目を回しながらデッキに降り、マスクを外して水面を見ながらどうやって助かったのかを思い出していた。時間は少し前、バルチャーに振りほどかれ、地面に激突しそうになったスパイダーウーマンは両脇にクモ糸を付けてムササビのように滑空した。ハドソン川の水面に何度か叩きつけながら滑空していると川を渡っていたゴミ輸送用の船にぶつかったのだった。

記憶も戻って頭が回るようになってグエンはあることに気がついた。スマートフォンを無くしていたのだ。錯乱状態とも言える取り乱しようのグエンをスパイダーハムがなだめる。だが、グエンは

「わからないかもしれないけど、あのケータイの中には私の生活の全部が入ってるの!メモとか検索履歴とか、パパからのメッセージとか……。私の秘密が全部入ってるの」

と混乱は収まらなかった。


バルチャーとスパイダーウーマンが争った現場。NY市警のボイル巡査がグエンのスマートフォンとカバンを見つける。グエンのものだと分かっているステイシー警部。物証かもしれないと言うボイル巡査からスマートフォンとカバンを取り上げるステイシー警部。内心で冷や汗を書きつつも巡査を押し切り、口止めもする。ステイシー警部の背後からデヴォルフ刑事が声をかける。カバンを見て証拠品かと尋ねるが、ステイシー警部は娘のカバンだと答える。デヴォルフは娘の話をキャッスル警部に振るが、キャッスルはとりつくしまもなく現場に足を向ける。

デヴォルフはキャッスルがアレクセイ房でしたことを伝え、キャッスルは今回の件をキングピンの仕業ということにしたいらしいと伝える。ステイシー警部はキングピンは何年も前に牢屋に入っているのでそれはないと言う。デヴォルフはそれにキングピンのやり方は巧妙だし、キングピンはステイシー警部を嫌っていると答える。デヴォルフは車のドアを開いてステイシー警部に乗るように促した。


グエンが目を覚ますと眼前にはネコがいた。グエンはボロボロのソファーに寝転がっていた。誰かの声がする。飛び起きるグエン。部屋にはグローリーとエム・ジェイがいた。どうやってここに来たのかを聞くとグローリーがバーでぐったりしているところをランディ・ロバートソンが運んでくれたのだという。ホームレスのようなボロボロの服をどうしたのかの記憶はない。グローリーがランディから発案のあったライブ出演の話を始める。だが、エム・ジェイがいちいちつっかかり、グローリーと口論になってしまう。2人をよそにスパイダーハムと話すグエン。終わらないエム・ジェイとグローリーの口論を脇にグエンはその場を去ろうとする。呼び止めるグローリー。振り向くグエン。エム・ジェイも

「メリージェーンズにはあなたが必要」

と言う。


取調室。テーブルにはキングピンとキャッスル警部。後ろにステイシー警部とデヴォルフ刑事が控えている。キングピンの知らぬ存ぜぬに席を立って銃に手をかけるキャッスル警部。止めるステイシー警部。そこにキングピンの弁護士、マシュー・マードックから電話がかかる。今後確たる証拠なしにキングピンに嫌疑をかけると訴えるとの脅しの内容だ。キャッスル警部はひるまず、証拠を見つけてそのときには電話越では止められないと言い返す。


マシュー・マードックはビルの屋上から電話をかけていた。素足にネクタイを外して白い杖に靴を引っ掛けている。カラスを杖で殴り殺す。黒服サングラスの男ががバルチャーを両脇で拘束している。キングピンの獲物のスパイダーウーマンに横槍を入れてきたバルチャーを折檻していたのだ。マードックは杖でバルチャーの首筋を押さえる。バルチャーはスパイダーウーマンを殺してはいないし、空から落としはしたが、死体は見つかっていないので死んではいないと思うと主張する。マードックは杖を伝って心音を聞く。マードックは心音で相手がウソを付いているかどうかを判断できるからだ。判定はシロ。バルチャーの供述はウソではないらしい。マードックはバルチャーにスパイダーウーマンを探してマードックのところに連れてくるように言う。


グエンはホットドッグ屋の看板の裏でスパイダーウーマンに着替えていた。話し相手は頭の中のスパイダーハム。ジョーク、私生活、ヒーローとして生きること。スパイダーハムはグエンの不安に答える。


バー。ステイシー警部はキャッスル警部と酒を飲んでいた。ステイシー警部はキャッスル警部をよくは思っていなかったし、なによりキャッスル警部がスパイダーウーマンを逮捕してしまうことを恐れていた。自分の家族の話を始め、家に帰るように促すが、キャッスルは仕事に戻るとだけ行ってバーを出て行った。

バーから出たステイシー警部は路地裏へ。壁一面に「フェリシアハーディー+ザ・ブラック・キャッツ」のポスターが貼られている。その中に一枚「メリー・ジェーンズ」のポスター。ステイシー警部の後ろから忍び寄る影。ステイシー警部は懐からグエンのスマートフォンを取り出す。

「取っておいた。お前が探しているのはこれだろう?」
「違うわ。パパを探してたの」

壁にはスパイダーウーマンがいた。

感想

セリフ起こしていないので伝わらないと思いますが、スパイダーハムは『スターウォーズ』で言うところのエピソードVのヨーダのような立ち位置です。ジョークを言って時々分からない行動をしつつも、グエンに教訓を言う。また、話も画も全般的に暗い雰囲気の中の賑やかし感があります。「なんでいるの?」と聞くグエンに「多分君が頭を打って意識が朦朧としてるからじゃない?」などといったやり取りをするなどナカナカです。

グエンは仲直りとまではいかないまでもメリー・ジェーンズに暫定復帰。しかし、心中はバルチャーをどうにかすることで一杯。ステイシー警部はスパイダーウーマンがグエンだと知れ渡る前にスパイダーウーマンの復権や、証拠品の押収、スパイダーウーマンをキングピンの差金だと思って敵視しているキャッスル警部への慰撫など、心労が耐えない状態。この親子は元のユニバースでもスパイダーマンの正体を知って色々苦労をしていましたが、当事者となるとまた状況は違うでしょう。

警察陣営はキャッスル警部が大ハッスル。キングピンを目の敵にしているところを見ると、この世界のフランク・キャッスルはキングピンに妻子を殺されているのでしょうか?ステイシー警部からも信用されておらず、今のところ我が道を暴力で貫くというキャラクターのようです。

キングピン陣営は刑務所の中で動けないキングピンに代わり、マット・マードックがスパイダーウーマンに刺客を差し向ける。この世界のマット・マードックデアデビルとしての能力を持っているようなので、強敵として立ちふさがることでしょう。キングピンを刑務所に入れたステイシー警部、正体を知らないとはいえその娘グエンもターゲットになっています。

Next Issue (次回)

ステイシー親子の会話。追うものと追われるもの、それぞれに背負うもの。マードックの指示で再度襲いかかるバルチャー。

次回『Spider-Gwen』(2015) issue #3 / Most Wanted? Part 3

Spider-Gwen (2015-) #3

Spider-Gwen (2015-) #3

少女に安息は訪れるのか……。

アメコミ(原書)を買う方法 - 2016年 電子書籍版

はじめに

これまで何度かアメコミの原書(=翻訳ではなく英語の本)を買う方法について書いたのですが、アップデートのあった電子書籍の部分だけ2016年に合わせて書きます。

私はiOSディバイス(iPhoneとかiPadとか)しか持っていないので、iOSアプリを前提として紹介します。決済などアプリとしての制約はAndroidの方がゆるいはずなので、同じ名前で検索すれば対応するものが見つかるかと思います。

販売単位

アメコミは基本的に各作品の連載1回分、もしくは連載をある程度の区切りでまとめた単行本形式で販売されます。前者をアメリカでは「コミックブック」、日本では「リーフ」と呼び、後者を「トレードペーパーバック(TPB)」と呼びます。

その他特装版や限定版がありますが、基本的にはリーフとTPBで売られているものだと思ってください。TPBは日本でいうところの単行本に近いのですが、単行本は話のつながりというよりは連載回数区切りの側面が強いのですが、TPBは連載中の話の区切りで発売されることが多いので、各号でページ数(当然そうすると値段も変わる)が異なることがよくあります。

発売日

新刊はアメリカ東海岸時間で毎週水曜日に発売されるので、日本で購入可能になるのは毎週水曜日深夜〜毎週木曜日になります。最遅で毎週木曜日午後には購入できます。

既刊とデジタルのみのものはアメリカ東海岸時間で毎週火曜日に発売されることが多いです。日本では毎週火曜日深夜〜毎週水曜日になります。既刊に関しては月曜日、金曜日、週末にセールがあることがあります。セールはリーフが99セント(2016年1月のAppleレートで120円)または、TPBが数十%オフの形式です。

また、発売スケジュールに関してはPreviewsやアメコミくえすとさんの新刊情報まとめなどが参考になるかと思います。

基本的に販売2ヶ月前にはあらすじと表紙が公開されています。

決済手段

PCからであればクレジットカード。

アプリからであれば、iOS/Androidともに日本のストアにあるアプリなので他のアプリと同様の決済手段(クレジットカード/プリペイドカード)が利用できます。

販売方式

電子書籍の販売方式には以下の2つがあります。

買い取り方式は特定のコンテンツをお金を出して購入し、専用アプリで端末にダウンロードして読む方式です。専用アプリで読む代わりに再ダウンロードの回数制限などはありません。

月定額読み放題方式は月定額払って、契約期間中に取り扱いコンテンツをどれでも読めます。ただし、基本的にインターネットから都度ダウンロードして読む形式で(冊数の制限がありますが、事前にダウンロードしてインターネット接続がない状態で読むこともできます)解約後には読めません。また、書籍が発売されて読み放題サービスに掲載されるまでは半年程度のタイムラグがあります。


新刊をすぐに読みたい場合は買い取り方式で、ある程度前のものや大量に読みたい場合は月定額読み放題方式でしょうか。

買い切り方式

各出版社のアプリ

DC Comics

DC Comics

  • DC Entertainment
  • ブック
  • 無料
Marvel Comics

Marvel Comics

  • Marvel Entertainment
  • ブック
  • 無料
Image Comics®

Image Comics®

  • Image Comics
  • ブック
  • 無料

各出版社が自社のコンテンツを販売しているアプリです。コンテンツごとに別のアプリを起動する必要があったので、これまでは統合系アプリを使っていて使っていませんでした。が、アプリ提供会社の都合でアプリ内決済ができなくなったので、各出版社のアプリ側で購入しています。

概ねリーフが

  • セール品  :99C(=120円)
  • 既刊(古いの):$1.99(=240円)
  • 新刊    :$3.99(=480円)

という価格設定です。

統合系アプリ

「各出版社のアプリ」で上げた会社はcomiXologyというサービスにもコンテンツを提供しています。そのcomiXologyは2014年にAmazonに買収されたので、Appleとの兼ね合いでiOSではアプリ内決済はできなくなり、アプリからは買えなくなりました(comiXologyのPCサイトからは決済可能です)。

更に2015年年末にcomiXologyのアカウントがAmazon.comのアカウントと連動して、Kindleで購入したコンテンツも相乗り可能になったようです。日本のAmazon.co.jpとの連携具合はどの程度がわかりませんが、以前にAmazon.comAmazon.co.jpKindleのアカウントひも付けで痛い目に遭ったので私はまだ試していません。

月定額読み放題方式

私が知っている限りだとコンテンツ量があるのはMarvel Unlimitedくらいです。つまりMarvel Comicsのキャラクター(キャプテン・アメリカ、アイアンマン、X-MENスパイダーマンなど)の話だけが対応している状態で、DC Comics(スーパーマンバットマン)などの他社は対応していません。

現在$9.99/月(クレジットカード決済なので、支払額はクレジットカード決済タイミングでの円-ドル為替レート依存)で発売後半年以上経過したコミックの多くが読めます。オフライン保存できるのは12冊まで。50年以上前にはいたキャラが多いので、過去をさかのぼるときに重宝しています。

さいごに

最初に原書の買い方をまとめたのは2011年だったのですが、5年経ってアメコミの電子書籍販売のプラットフォームになりつつあったcomiXologyがAmazonに買収されてiOSからは決済できなくなって不便になってしまったというのが現状です。Amazonアカウントのマージと米Amazonとの連携がうまくいくようであればKindleと相乗りになって多少利便性は上がるのかもしれませんが、日本のAmazonだとうまくいっていません。翻訳権の問題があるのかもしれませんが、映像と違って配信権があるわけではないと思いますので、この辺便利になっていてくれればなとおもいます。

もっとも、2015年半ばまでMarvel Comicsは各国言語に翻訳したコミックをMarvel Global Comicsで配信していたのですが、翻訳が微妙だったせいもあって売上がよくなかったのか日本のアプリストアからは撤退されていました。それを考えると日本では言語、価格設定などで需要がそこまでない状況には変わりないのだと思いますが。

ともあれ、邦訳されないキャラクターの話や、邦訳の先や背後にある話を知りたいと思ったさいの第一歩のガイドとして役に立てば幸いです。

『Spider-Gwen(スパイダーグエン)』(2015 - ) issue #1 / Most Wanted? Part 1

Spider-Gwen (2015-) #1

Spider-Gwen (2015-) #1

前回までのあらすじ

『Edge of Spider-Verse』(2015) issue #2 からの続きです。前号については以下を参照。

takkun.hateblo.jp

なお『Edge of Spider-Verse』(2015) issue #2 は『Spider-Gwen』(2015) issue #0 として仕切りなおしされているようです。後から追う人に優しいというべきか、初出が2つあって面倒と言うべきか。

あらすじ

「スパイダーウーマンを止めろ」と書かれ、死んだピーター・パーカーの写真が貼られた看板が立てられたビルの屋上。スパイダーウーマンの象徴ーー白いパーカーを着てフードを被った中高生くらいの男女がスプレーで看板を落書きで塗りつぶしていた。ほどなく、男女は誰かが階段を登っているのに気がついた。巨体を揺らしながら窮屈そうに非常梯子を上ってくる。NY市警のグリム巡査だ。

子どもたちはグリム巡査の執拗さに呆れていた。と、そのとき看板の上には人面鳥ーー正確には胴体も人のものをした怪物が羽を休めていた。怪物は目も赤く、歯をきしませており、スパイダーウーマンの名をただ繰り返す。肉体だけでなく精神も異形のようだった。

異常を感じた子どもたちはグリム巡査が看板下の足場にたどり着いたときには隣のビルに飛び移っていた。やれやれ。グリム巡査が帽子を直して看板を見上げる。鳥の怪物だ。グリム巡査はヴァルチャーに突き落とされる。

人面鳥は言った。

「我が名はバルチャー(ハゲワシ)。死を催そう」

宙に舞ったグリム巡査はヴァルチャーの靴の先の鉤爪で手をロックされ、怪鳥と共に空へと登っていった。


路地裏。レジスターを抱えたボロボロの服を着たドミノマスクの悪党が逃げ出している。空からスマートフォンに話しかけたままのスパイダーウーマンが降りてくる。悪党は刃幅の広いカッターナイフで斬りかかる。スパイダーウーマンは悪党をみもせずに腕を掴み、そのままダストシュートへ投げ込んだ。スパイダーウーマンはスマートフォンで不在にしていた(不在時のスパイダーウーマンの行動は『Spider-Verse』誌参照とのこと)間のことを調べていた。

相変わらずの言われように悪党の持っていたレジスターを蹴ってぶつけてしまった。ため息を一つ付いてうずくまると父親のステイシー警部から着信が。応答せずに電話を切った。


とある病室。部屋の主は首から下が包帯で巻かれているグリム巡査。壮年の白髪に口ひげの痩せた男ーーステイシー警部と栗毛で恰幅のよい蝶ネクタイの男ーーフォギー・ネルソンがいた。ステイシー警部は娘が電話に出ないことにいらつきながら、フォギーの問いかけに答えた。

ステイシー警部の命を助けたからといってスパイダーウーマンの扱いは変わることはないだろうとフォギーは言う。市長も、ジェイムソンもスパイダーウーマンを脅威だと思っている。


拘置所のアレクセイの房の中で、キャッスル警部による肉体言語による会話という名目の尋問が行われる。見張り役のデヴォルフも顔をしかめるほど、キャッスルの尋問はハードだった。はじめはだんまりを決めこんでいたアレクセイもついにはキングピンが背後にいることを自白する。キングピンの名前を聞いてキャッスルの顔は一層険しくなった。アレクセイに自白したから楽になると思うなよと伝え、アレクセイを殴り続けた。


スパイダーウーマンが現れた路地裏からほど近い店。グエンはコスチュームを脱いて店主にレジスターを返しに来ていた。店主はグエンに嫌疑をかけていた。なぜグエンがレジスターを持ってきたのか、なぜ壊れているのか。グエンはスパイダーウーマンに渡された。理由は分からないと言う。店主はスパイダーウーマンと聞いて声を上げる。

面倒になったグエンは話題を変えようと、レジスターを持ってきたお礼になにか食べ物をもらえないかと頼む。店主はグエンが何をしたのかと言う。レジのおかげでスパイダーウーマンに会えたのだからそれでいいだろうと言う。カウンターにおいてあったテレビから先日のアレクセイの襲撃事件についてのメリー・ジェーンズがインタビューを受けている。

インタビューが「命の危機を感じたか?」と聞くとエム・ジェイは格好を付けて「ロッカーはステージの上で死ぬものだし、ロックンロールのためなら死ねるものよ」と答える。他にはメリー・ジェーンズの曲「Face It Tiger」のダウンロード数が500%を越え、ドラマーのグエン・ステイシーの脱退の真否についてなどが話題に上がった。


グエンは再びスパイダーウーマンになってバンドの練習場を覗いていた。メリー・ジェーンズはグローリーの従兄をドラムに据えて練習をしていた。演奏を途中で止めるエム・ジェイ。このドラムではダメだと喚き散らす。つかさずグローリーと口論になり、ベティは離れて2人をなだめた。

そこへロックンロール・レポーターのランディ・ロバートソンがやってきてメリー・ジェーンズの「Face It Tiger」を聞きたい連中がいるという。ただし、グエンを戻すことを条件にしてきた。ベティが「ホログラムでも使う?」と軽口をたたき、エム・ジェイは諦めの表情を浮かべる。グローリーは四の五の言わずにグエンを戻すように言う。


グエンはこれ幸いとグローリー(本名はグロリア・グラント。スマートフォンの電話帳より)に電話をかけるが、電話に出ない。ステイシー警部からボイスメールが。内容はヴァルチャーについて。グエンはヴァルチャーを倒すことで名誉挽回しようと、ヴァルチャーが現れた現場から周辺調査を始める。

大きな手がかりはなく、街中にスプレー落書きをしてバルチャーを挑発するスパイダーウーマン。一通り書き終えた後にスパイダーセンスが鳴り響いた。鳥だ。

軽口を叩きながらバルチャーの急降下をかわす。すれ違いざまにクモ糸で目潰し。バルチャーは向かいのビルに激突。バルチャーは激昂し、唸り声を上げながらなおも襲い掛かってくる。飛び出したバルチャーの足にクモ糸を伸ばす。クモ糸は足に引っかかり、糸に引っ張られてスパイダーウーマンは宙に浮く。

糸の接着点が悪かった。バルチャーはスピードを上げた後、脚部の爪でクモ糸を切断する。吹き飛び、地面に落下していくスパイダーウーマン。地上ではステイシー警部からの着信が続いていた。

感想

1話目ということで丁寧にあらすじを追ってみました。他のスパイダーマンのシリーズと同じく

  • 力を手に入れたことに対する代償
  • 多方面からの謂れ無き中傷
  • 二重生活から犠牲になる私生活

が描かれています。自分に憧れて力を手に入れようとして失敗し、死んでしまったピーター。ピーターの死にはじまり、マスクド・ヴィジランテとしてのメディア(JJJ)からの中傷。グエンとスパイダーウーマンとしての二重生活から、私生活のバンド活動もすっぽかしてバンドメンバーから外され、スパイダーウーマンになれば『Spider-Verse』で数日間留守にすることにもなり、諸々犠牲になっています。

画としてはスパイダー・グエンのデザインがよい(と私が思っている)ことは前回の感想にも書きましたが、全般的に薄暗く、淡い色彩で描かれており、さながらゴッサム・シティのようです。スパイダーマンは不幸な時期もありますが、青空の元のNYの摩天楼を飛び回る明るい側面があるように思いますが、スパイダー・グエンにはそれはありません。ティーンエイジャーの鬱屈的なものが反映されているような気もします。感情を音楽にぶつけてるのかもしれないですしね。


キャラクターの立ち位置としては

takkun.hateblo.jp

にも書きましたが、マーベルユニバースと比較するとピーターとグエンが入れ替わっているのと、マシュー・マードック(デアデビル)がキングピン側についているのと、ベン・グリム(マーベルユニバースでのザ・シング)とキャッスル・フランク(マーベルユニバースのパニッシャー)が警官になっていることが違いでしょうか。

編集者注で前回と今回の間に『Spider-Verse』誌(※2014年発行ではなく、2015年発行のSecret Wars中の方)での展開が入っているとのことなので、『Spider-Verse』誌も平行して読み進めていきたいと思います。

Next Issue (次回)

スパイダーウーマンとしてのバルチャーとの戦い。グエンとしてメリー・ジェーンズに巡ってきたチャンスは掴めるのか。

次回『Spider-Gwen』(2015) issue #2 / Most Wanted? Part 2

Spider-Gwen (2015-) #2

Spider-Gwen (2015-) #2

少女に安息は訪れるのか……。