『バットマン:ホワイトナイト』 #8 感想
#7は
陣営 | 動き |
バットマン | 逮捕されているが、ハーリーンがネイピアを後押しして自分を解放すると確信している。実際に解放されてGTOに参画してネイピアとネオジョーカーに挑む |
GTO | ネイピアとバットマンが参加。トーマス・ウェインがゴッサム中に巡らせたトンネルからネオジョーカーへの同時攻撃を決める |
ネイピア&ハーリーン | ネイピアはジョーカーに徐々に戻りつつある。ハーリーンはジョーカーに戻ってネオジョーカーと戦おうとするネイピアを止めてバットマンと協力することを進める。ここにバットマン&ネイピアのコンビが成立 |
ネオジョーカー | 巨大冷凍兵器をヴィラン連合で制圧。ジョーカーの引き出しには成功しつつあるが、ジョーカーが出ていると引いてしまう |
Mr.フリーズ | トーマス・ウェインの遺産をバットマン&ネイピアに伝える |
で、#8では
陣営 | 動き |
バットマン | ネイピアにバットモービルの鍵を渡す。ジョーカーではなくネイピアは信じることに。ネオジョーカーとのチェイスで一人バットモービルに残ったネイピアを救出 |
GTO | ネオジョーカーにコントロールされたヴィランと対決、無事に街を救う |
ネイピア&ハーリーン | バットモービルで逃げ出すさいに別れ別れになり、新旧ハーレイ対決。ジョーカーの在り方をめぐっての口論はある種のNew52以前以降のジョーカー像を議論するファンのようです |
ネオジョーカー | 計画失敗してハーリーンに捕まる |
Mr.フリーズ&ノーラ | 巨大冷凍兵器で被害に遭った市民を救う |
真のホワイトナイトはハーリーンだったというオチが待っていました。描写上で伏線あったかなと読み返してみましたが、あまり見当たらない気がしました。確かに誰がやったのか不明な内容ではありましたが。
全てが終わった後、バットマンはバットガール、ナイトウィングと共にアルフレッドの遺言を開く。ここで出てきたアルフレッドが床下に収めている遺産は次回行きでしょうか。
また、オリジナルの相棒であるバットマンとゴードンは再び盟約関係を締結。バットマンがGTOにあったバットモービルの鍵を渡し、長年バットマンを続けていたために本人が暴力に慣れてジョーカーを殺しかけたり、今回のような暴走につながったと告白。ヒーローが長年暴力の行使になされた結果精神を病んでいくテーマは別誌ですが、トム・キングの一連の作品群でもありましたね。最後にゴードンにバットマンの正体を明かすブルース。
通しで見ると真のホワイトナイトがハーリーンだったように、バットマンとジョーカー(ネイピア)がダークナイトとホワイトナイトだと見せかけて、その両者の理解者としてのハーリーンがフォーカスされた話でした。メインの登場人物には効果的に対比関係がつけられていて、その差異によって物語を深めていると思いました。
- バットマン/ジョーカー=ヴィジランテとヴィラン
- ブルース/ネイピア=上流階級と非上流階級
- ハーリーン/マリアン=New52前後のハーレイ
- ジョーカー/ネオジョーカー=本物と偽物*1
- 父世代/子世代=第二次世界大戦中のより手段を選んでいない時期と現代*2
- 二人のロビン
- バットガールとナイトウィング
大本の話を知っていること前提で登場キャラクターが多いことはありますが、このシリーズから読み始めるにもいい作品なので手に入りやすいようにならないかなぁ、とは思います。続編の『カース・オブ・ホワイトナイト』までは閉じたヴィレッジブックスのアメコミ出版局からの出版なので絶版なんですよね。
『ビヨンド・ザ・ホワイトナイト』の発売をきっかけに小プロから再販売されませんかね。電子で。