『遊戯王デュエルモンスターズGX』
Gコードが間違っていたらしく録画していたら登場する敵キャラがアインシュタインのパロディでついつい見てしまった。以下、登場名と元ネタとそれに対する解説。専門家じゃないので間違ってるところや語弊がある部分もあると思いますが、そこはご容赦を。
登場名 | 元ネタ | 解説 |
神はサイコロを振らない | 登場名と同じ | 量子論の不確定性に対してアインシュタインが言及した言葉 |
ツヴァインシュタイン | アインシュタイン | ドイツ語で1がアイン、2がツヴァイ |
ノーベリー賞 | ノーベル賞 | アインシュタインは光子論でノーベル賞受賞 |
デュエル大統一理論*1 | 大統一理論*2 | 注釈参照。アインシュタインは相対性理論以降大統一理論の研究に没頭したが目立った成果は出せなかった |
相対性フィールド | 相対性理論 | アインシュタインの相対性理論 |
特異点の悪魔 | 特異点 | 現実に起こりえないような状態になっている場所*3 |
シュレディンガーの悪戯猫 | シュレディンガーの猫 | 詳しくはここを参照。量子力学における解釈と観測の違いを明確にする思考実験 |
魔界算術士ラプラス | ラプラスの悪魔 | 詳しくはここを参照。古典物理で現在の状態を知れば未来の状態を予測できるという決定論の例え話 |
ワームホール | 登場名と同じ | 吸い込み点であるブラックホールと吐き出し点であるホワイトホールをつないでいる空間 |
ブラックホール | 登場名と同じ | 小さくてとてつもなく質量の大きい物質。その重力で光でさえ吸い込むため黒く見える |
ドローパラドックス | アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス | 詳しくはここ参照。アインシュタインらが提案した量子力学が正しいと仮定した場合に起こると予想されるパラドックス。だが、量子力学が矛盾していないという結論が出された |
大統(?)龍プレーンドラゴン | D・プレーン(プレイン)理論 | 大統一理論の一つ。pブレーンもあったと記憶しているが、ドラゴンだからDだと思われる。大統一理論には他にも超重力理論や超ひも理論などがある |
他にも舌を出した写真*4だとか、デュエルがサイコロによって反撃の基点ができたり*5などというのもあった。宇宙定数が自分の首を絞めたりしめなかったりとその辺もうまくデュエルになぞらえていたのはうまいと思った。
それから、アインシュタインの話ではないけれどデュエルを観戦していた三沢が「分かった!」と叫んで制服を脱いで全裸で走り出すのはアルキメデスの逸話*6のパロディだろう。
見ていてニヤニヤできる話でした。自分がオタクに走ったり、どうでもいいことを良く知っているのはこういったアニメがあったおかげなので出会えたことに感謝しています。少なくとも古典物理学から量子力学に移行する期間までの知識は既存のアナロジーなんかで説明できるし、教養書もあります。しかし、それ以降はきちんと学んだことがある人以外意味不明な空間に陥ってしまうので、ゲームのルールになぞらえて説明が入るのは面白い試みだと思いました。
教養書の方面で私は竹内薫氏を応援していたりします。
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この三冊で中学〜高校レベルの知識からおおまかな物理の考え方をつかんで各ジャンルの本を読んでいくのがおススメです。また、氏は科学史方面の本も数多く出していて
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なんかはおススメです。少し前の記事ですが、氏のBlogには『機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛』の感想が書いてあって親近感があるというのも理由の一つなんですが。