初夢
昔の人は暗くなったら寝ていたから初夢は1月1日の夜から2日の夜に見たものでしょうが、現代ではその日に寝てその日に起きる生活も多いでしょうから1日の朝には初夢を見ている人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
寝る前に見たものが悪かったのかろくな夢を見ませんでした。富士山も鷹も茄子も出てきませんでした。もっとも、初夢の縁起物は意識して見ようと思っても見れるものでも無さそうですが。
おまけに正月から地所に自動車が突っ込んできて警察とお話をすることになりました。幸い被害はほとんど無かったのですが、酒とスピードは正月でもダメですよ。
寝る前に見ていたもの
- 『タクシードライバー』
- 『Matrix Revolutions』
- 『グレートメカニック』19号
寝る前にしていたこと
- 2005年のうちに書き上げられなかった妄想
- 仕事
これがミックスされた結果こんな夢になった。
年末仕事に出ていた男。仕事の手を休めて時計を見ると既に年明け。それでも片付かない仕事量に男はため息をついて背もたれにうなだれかかる。男はそのまま意識を失ってしまう。
男の気が付いたときには既に元旦の昼下がり。食事をしに近くの商店街に出ることに。
商店街は正月休みでどこも閉まっている。たまたまなじみの定食屋のオヤジが家族連れで家から出てきた。そこで、どうして休みなのかと聞いてみると大型商店が初売りを大々的にやるので勝負にならず三が日は休むのだ、とオヤジは言う。
他に空いている店も無いので駅前のマ○ドナ○ドに入る。席には家族連れが多い。正月くらい料理をしたくないという心理は分からなくもないがせめてケ○タ○キーくらいの金額のところに行ってあげたらいいのに、男は自分の子供の頃のことを思い出した。
そんなことを思っていると男の注文の番が来た。
「いらっしゃいませ。こちらでおめしあがりですか?」
このセリフは1年365日(と少し)天変地異が起こっても変わらない。頭から流血しながらでも同じセリフが言えるほどマニュアルは徹底していそうだ。
「フィレオフィッシュのセットで」
男が注文した時、地面が揺れた。まずは寝不足の自分の平衡感覚を疑った。次に周りに目をやると店員が\0のスマイルを崩して慌てふためいている。
――ああ、地震なのか
男はそう思った。席についていた家族連れはテーブルの下にふせ、調理場の奥からは各種機具の電源を切る確認の声が聞こえた。
(続く)