∀ddict

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復習:『新世紀エヴァンゲリオン』第参話「鳴らない、電話」

第四使徒シャムシェルとの戦闘回。サブタイトルの「鳴らない、電話」はミサトとリツコの会話の中に出てくる、シンジに携帯電話渡したけど使ってる様子がない、ということだろう。お話としては電話が鳴らないシンジの学校生活のお話。

前話で零号機のエントリープラグ部分に十字架が刺さっていたりなどと、キリスト教なんかのモチーフは出ていたけれど、ここで「ヤマアラシのジレンマ」という用語が出てきたりなど、徐々に庵野監督曰く「衒学」っぽくなってくる第一歩っぽい。その話をされたミサトが大人になるということはお互いに傷つかずに済む距離に気づくことだと答える。

シンジの今の距離感は自分が渇望しているものに対して遠いんだろうなぁ、と。ミサトは一見近そうに見えるけれど、ミサト自身がわざとらしくはしゃぐことで距離を置いていることを感じ取っているだけに微妙な心境。

教室でも綾波に声をかけないし、おとなしくしている感じだ。周りもそんなシンジに声がかけづらいのか、パソコン越しに

「パイロットというのはホント? 
 :Y/N」

と質問してくる。漫画ではここの部分はクラスの女子が直接聴きに来るのでやはりニュアンスが違う。それにしても教室のノートパソコンが淡色の背景だったり、Y/Nという回答の提示の仕方だったり、教室の床にケーブルがはっていたりと、2007年現在では当時の時代を感じてしまう。生活用品や食事、日常生活で目に付くものや動作を描写するときにはごまかしが聞かない分、ある程度その時代のものになってしまうんだろうなぁ。


さて、この後のシャムシェル戦はアニメ版と漫画版で展開が少々違う。

  • アニメ版
    • エントリープラグにトウジとケンスケを乗せたのはミサトの指示
    • ミサトの指示を無視してシャムシェルに突っ込んだときの台詞は「逃げちゃだめだ」
  • 漫画版
    • エントリープラグにトウジとケンスケを乗せたのはシンジの独断
    • ミサトの指示を無視してシャムシェルに突っ込んだときの台詞は「撤退してやんない」

「∀ddict - 復習:『新世紀エヴァンゲリオン』第壱話「使徒、襲来」」
http://d.hatena.ne.jp/takkunKiba483/20070831/p1

で引用したシンジのひねくれ方の違いがよく出ている。アニメ版はリツコに

「人の言うことにはおとなしくに従う。それがあの子の処世術じゃないの?」
(赤木リツコ)

と言われる優等生タイプだから何かが起こったときの回収に色々こじれてしまうというのは庵野さんでもあり、世相でもあるんだろうなぁ。


後、シャムシェル戦の肉を切らせて骨を絶つ戦法はエヴァが人造人間ということもあって、『機動戦士ガンダム』のガンダム対グフのような剣豪の戦いみたいな要素が入っている感じがしました。自分だけかもしれませんが、遠距離でドンパチやって終わるよりはこういった1対1のインファイトに心が躍ります。ただ、戦争が絡むロボットものだと状況が特殊でない限り、こういった局面は少なそうですが。