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バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー

バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー (ShoPro Books)

バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー (ShoPro Books)

表題となっている『デス・イン・ザ・ファミリー』と『ア・ロンリー・プレイス・オブ・ダイイング』の2作を収録。『デス・イン・ザ・ファミリー』は2代目ロビンの死を描いた物語。『ア・ロンリー・プレイス・オブ・ダイイング』はバットマンと初代ロビンの仲を取り持とうとする3代目ロビンの登場話。


『デス・イン・ザ・ファミリー』は結末を読者からの電話投票で2代目ロビンの生死を決めるというところが当時センセーショナルだったのでしょう。今となっては『仮面ライダー龍騎』でもテレゴングで結末変えるスペシャルがありましたし、そう驚くところではないかもしれません。

ヒストリーチャンネルで放送していた『素顔のアメコミヒーロー』でも『デス・イン・ザ・ファミリー』について取り上げられ「(初代)ロビンが死んだ」と思い込んでいた人もいたようです。この手の勘違いは最近でも『Ultimate Comics: Spider-Man』(旧『Ultimate Spider-Man』邦訳が最初の頃は出ていた)のピーター・パーカーが死んだ話が『The Amazing Spider-Man』の方のピーター・パーカーが死んだと誤解されていたのを見ました。色々ややこしいところです。

1回簡単に整理しておくと

初代
ディック・グレイソン。サーカスの空中ブランコ芸の一家の一人息子。40年くらいロビンをやっていた。現在はナイトウィングとして活躍中。バットマンになったことも。読者時間で40年間くらいロビンだったので他メディアに出るロビンは大抵この人
2代目
ジェイソン・トッド。当初はディックと同じような設定だったが、バットモービルのタイヤを盗もうとした孤児に設定変更。荒っぽいところがあり、今回(『デス・イン・ザ・ファミリー』)にて死亡。長い間を経てレッドフードとして復活
3代目
ティム・ドレイク。バットマンとロビンオタク。ロビンとしてクライムファイター家業を続けていくうちに両親が殺されてしまう。おまけに彼女が妊娠したりと何かと大変。レッドロビンとして活躍中。アニメのロビンはティムの格好をしたディックのことが多い
4代目
ステファニー・ブラウン。割合すぐにロビンじゃなくなってバットガールになった。現在ゴタゴタで行方不明
5代目
ダミアン・ウェイン。バットマンの実子。リーグ・オブ・アサシンズに育てられたので乱暴。詳しくは『バットマン・アンド・サン』で

バットマン・アンド・サン

バットマン・アンド・サン

まだ他のバージョンのロビンもいますがひとまずはこれくらいで。

『デス・イン・ザ・ファミリー』の後の話としては邦訳でも『バットマンアーカム・アサイラム』があります。

バットマン:アーカム・アサイラム 完全版 (ShoPro Books)

バットマン:アーカム・アサイラム 完全版 (ShoPro Books)

アーカム・アサイラム』の本筋とは関係ありませんが冒頭でジョーカーが「ボーイ・ワンダー(ロビンの別称)は元気か?」と聞いてきて怒りを隠せないバットマンの描写があります。


『ア・ロンリー・プレイス・オブ・ダイイング』はジェイソンを失って自棄気味になっているバットマンを心配したブルースとディックオタクの少年、ティム・ドレイクがブルースとディックを仲直りさせようとストーカーする話。最近の邦訳でちゃんとタイタンズが出てきたのはこれが初めてでしょうか(顔見せだと『DCユニバース:レガシーズ』には出ていましたが)。アニメの『ティーン・タイタンズ・GO』を見ている人にはお馴染みのメンバーもいますね。

結局ティムの仲介もあってブルースとディックは向き合いますし、ティムも正式なロビンになるまではまだしばらく時間が必要ですが、一歩前進した感じです。このあとスーパーマンが死んだり、バットマンが背骨折られたりと大変な時代になっていきます。その辺りの話は90年代の割と混迷したところをうまく解説できる人が翻訳できないと厳しそうですね。なんでみんながマレットヘアになってるのとか。