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映画『ダークナイト ライジング』感想

ダークナイト ライジング Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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はじめに

WOWWOWで放映されたので見ました。一昨年くらいからネタバレを気にして映画を見てすぐに感想を書きにくい心理が働いて結局まとまった感想を書かない状態に陥っているのでこれを機会に書きます。


ダークナイトは誰でライジングとは何だったのか?

公開から一年が経過しているので細かいネタ拾いやツッコミはこの一年で散々されていると思います。なので、今回はタイトルの「ダークナイト」「ライジング」について思うところだけを書こうと思います。


ダークナイトは誰だったのか?

まず、ダークナイトとは誰か?前作『ダークナイト』のラストのゴードン警部のセリフにあるように「ダークナイト」はバットマンのことです。

ではバットマンとは誰なのか?本作中でブルース・ウェインが「誰でもバットマンになれる」とジョン・ブレイクに言います。流石に誰にでもなれるは言い過ぎですが*1、『ジャスティス・リーグ:誕生』でもグリーンランタンに



と言われるようにバットマンはスーパーパワーを持っておらず、自らの精神と肉体を鍛えて戦うヒーローです。知恵と勇気タイプですね。

そしてヒーローとは何なのか?ラスト前にバットに爆弾をくくりつけて飛び立つ前のバットマンとゴードンの会話で「ヒーローはどこにでもいる。両親を亡くした少年の肩にコートをかけ、世界の終わりじゃないと励ますような男もいる」というセリフもあります*2

バットマンの像が建造され、バットシグナルも復活。アイコンとしてのバットマンはゴッサムに残り続け、ブレイクがバットケイブに到着し、ケイブの装置が動作する所で画面が暗転して終わり。明確には描かれていませんが、おそらく彼が次代のバットマンになるのでしょうね。

本作の元ネタの一つになっている『Kightfall』におけるアズラエル*3、『バットマン・フューチャー』におけるテリー・マクギネス*4のような役割を果すことになるのでしょう。


ライジングとは何だったのか?

最初にこの映画のことを聞いたときに一番気になったのは「ライジング(原語は"Rises")」でした。公開が近づいて徐々に設定が開示されていく中、「伝説が、壮絶に、終わる(原語は"Legend ends")」や前作『ダークナイト』の最後をもってバットマンとしての活動を中止していることを知りました。

この時点で「引退していたバットマンが復帰」「バットマンがいなくなる」というシチュエーションから『ダークナイト・リターンズ』が思い浮かびます。この話は年老いて引退したバットマンを引退したブルース・ウェインが再びバットマンになる話です。

『ダークナイト・ライジング』でも年終えていないとはいえブルースはバットマンを引退しており、そこから復帰するシーケンスが描かれています。復帰後初お目見えのバットマンを見てパトカーに乗った警官が言うセリフは『ダークナイト・リターンズ』のそのものが使われています。

ではなぜ「リターンズ」ではなく「ライジング」なのか。それはブルース・ウェインバットマンに戻って終わる話ではないからでしょう。ゴッサム・シティバットマンという存在が根付き、バットマンは世代を超えて受け継ぐ、その立ち上げが「ライジング」なのでしょう。実際のところは『ダークナイト・リーターンズ』の実写化ではないので、タイトルがそのまま使えないのでしょうが。


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ダークナイト・リターンズ

DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)

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バットマンを引退した年老いたブルース・ウェインが再びバットマンに戻るときがきた。ゴッサムを独立自治区のようにしてしまったバットマンにアメリカ政府はあるヒーローを派遣する……。

米ソ冷戦時代の空気感は当時の感覚がやや分からないところがありますが(これは『ウォッチメン』もそう)、スーパーヒーローコミック史における傑作の一つです。

去年アニメ化もされました。


バットマン:ダークナイト リターンズ Part 1 [Blu-ray]

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残念ながら吹き替えはありませんが、日本語字幕があります。

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ベインの誕生談、井戸状の監獄の話、ベインとタリアの関係など、映画の元ネタとなったであろう話が収録されています。タイトルに反してバットマンとベインが直接戦う『Knightfall』のエピソードは収録されていませんが、映画の背景設定の読み込みにはよいと思います。

Knightfall

Batman: Knightfall Vol. 1

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バットマンの背骨が折られるエピソードはここから。映画では2代目バットマンは出て来ませんでしたが、こちらは2代目が登場。

No Man's Land

Batman No Man's Land Vol. 1 (New Edition)

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橋を落とし、物理的にゴッサムを孤立させる話はこれが元ネタ。合衆国から見放されるなど、映画より状態は深刻。邦訳発売されるかもとのことなので内容については言及しません。


おわりに・余談

『ダークナイト ライジング』は去年の7月公開だったのに有料放送とはいえ放映権取れるんですね。個人的には『アメイジング・スパイダーマン』や『アベンジャーズ』なんかも放映してくれないかなと思いました(両方共BD持ってますが)。

*1:ガジェット代や会社をバックにした捜索などは普通の人には無理でしょう

*2:今作から登場のブレイクが気が付いているのに、ゴードンがようやくそこでバットマンブルース・ウェインを思いついたような演出だったのはどうかと思いましたが

*3:多分2代目バットマン。初代ロビンのナイトウィングが自分を差し置いてバットマンになったことを気に入らない様子だったり、最後は暴走してバットマンに復帰したブルースにボコボコにされたりと割とかわいそう

*4:年老いてバットマンとしての活動が難しくなっていたブルースに代わって最新スーツでバットマンをやることになった少年。最終回が他のアニメであったり、今も電子書籍でシリーズが続いているなど、人気はある様子。