ナルニア国物語 ライオンと魔女
- 出版社/メーカー: ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
- 発売日: 2008/04/23
- メディア: DVD
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テレビ放映で見ました。第一印象は私のイメージする聖書というか教会の唱えるキリスト教の教義的だなぁ、と思いました。
アスランはアダムの子、イヴの娘の罪を背負って死に、そして復活する。これはキリストのメタファーでしょうし(イエスのシンボルはユダヤの獅子=ライオン)、アスランを白い魔女に売り渡すエドマンズはユダでしょう。兄弟の一番上の子の名前がピーターで一の王とされるのはキリスト教における使徒・ペテロのそれでしょう。
二つ目は、世界観がえらくごった煮だなということ。『指輪物語』の中つ国は統一感がある感じですが、モチーフが聖書だったり、神話だったり、最後にはサンタクロースだったり(笑)子供たちに戦うための武器を与えるのがサンタクロースなのには驚くしかありません。このごった煮感は気になる人は気になるだろうなと。
ともあれ、尺の長い映画にもかかわらず飽きずに見られました。やっぱりなにかしらの「世界観」があるとある種の普遍性があるんでしょうねぇ。単純に「ファンタジー」と言うよりは御伽噺と言うか、神話と言うか、そういった部類の話のような印象です。
こういうのを持ってこられると日本人にとってのある種の普遍性を持ったファンタジーというか創作物って何なのだろうなぁ、と思ってしまいます。富野監督も『リーンの翼』のときにバイストン・ウェルの位置づけについて「非西洋圏の神話などをベースにした御伽噺のような世界」といった発言をしていましたが、それが受け入れられたというとそうでもなさそうですし。
その辺り、日本人の精神性とも深く関わってくる話ですが、何なのでしょうね。考えさせられるところです。