地球へ… 2巻
- 作者: 竹宮惠子
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2007/04/06
- メディア: コミック
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キースがナスカの調査に渡るところからジョミーが地球へ向かうことを決心するまで。
他の登場人物の行動は結構ママなのだけど、ジョミーの行動や心境がテレビとは大幅に違う。キースもフィシスと接触する前に、自分がステーションで作られた人間だと知っているから多少言動を受ける感じが変わるけれどジョミーほどではない。
ナスカで地球へ向かおうとする長老とナスカに留まろうとする若年層の板ばさみに合って深層心理にまで意識を落とし込んだり、意識だけはナスカに残して残ったミュウが死に絶えるところや星が滅びていく様子を実感として受けているという辺りが大きく違います。1期OPで目の赤いジョミーが出ていたけれど、あれはナスカのショックで失明したからなのか(と、いうことはアニメのアレはミスリード?)。
やっぱり印象がずいぶん違いますねぇ。
同じミュウからは自分の意見だけをぶつけられて深層心理に落ち込み、目覚めたときに出会うのは敵ではあるが一番分かる相手であるというジョミーとキースの対面。
その気になれば一瞬でキースを殺せるはずのジョミーがキースと対面して感じるプレッシャー。
なまじメギドのような星を吹き飛ばすだけの強力な兵器が無いだけに、じわじわとなぶり殺しになるミュウとその意識を一身に受け取るジョミー。
竹宮惠子の絵や漫画だからできる微妙なニュアンスなのかもしれませんが、それでもこれらの経緯を経てジョミーが地球へと進まなければいけないと決断するプロセスにはかなりの違いがあるように思います。
前回の感想に書きましたが、そのニュアンスはアニメでは表現しにくい部分であったり、土曜の六時にやるには難しいという事情もあるでしょう。ただ、そういったニュアンスが欠けていては原作ファンがあれこれ言いたくなるのも分からなくはないと思います。
アニメ版は新しいエピソードを新造するというより、補足的エピソードを足して物語を膨らまそうとする非常にオタク的な作りです。それが故にちょっとした相違が非常に気になるところではあるんでしょうけどね。文句言うところはありますが、やっぱりそれだけ期待できている出来だということでしょうし。