『リーンの翼』
- 作者: 大森倖三,富野由悠季
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/02/25
- メディア: コミック
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1巻(1話〜4話)購入とガンダムエース4月号購入。5話(アニメ版換算で3話Aパート)になって物語の背景が明かされてきた感じだった。
特にエイサップとアレックス(実父)、エイサップと真次郎(義父……の予定*1)の関係の対比がエイサップが日米ハーフだという設定と合間あって面白くなっている。
アレックス、真次郎の両人共に軍人であり、人の上に建つ立場*2である。それでいてアレックスは現代人でありアメリカ人、真次郎は半世紀前の人間であり、日本人、と明確な対比がある。極端なことを言ってしまえばアレックスは現代アメリカ人としてのエイサップの父であり、真次郎は半世紀前の日本人としてのエイサップの父である。そして二人の子供であるエイサップ自身は現代の日本人の象徴である。
この話はエイサップがアレックスの道も真次郎の道も取らずに、あえて言えばジャコバ・アオンの言う「バイストン・ウェルの意思」=「人間が長年培ってきた知恵」に従い、エイサップたちが今を生きていく完結を迎えるだろう。使い古された表現で言えば「ここではないどこか」を語るファンタジーではなく、「今、ここを読み替える」ためのファンタジーが『リーンの翼』なのだ。
と、豪語してみたが媒体がネット配信でリリース感覚もかなり開いた状態ではアニメ村の住人以外は見ないことが予想されるので、導入部分として漫画版を勧めてみます。しかし、肝心なものを紹介したいときに限ってはまぞうもamazonにも画像が無い……。