スパイダーマン邦訳私的まとめ(2018年年初版)
ふと「最近スパイダーマンの邦訳が出てない気がするな」と思って調べてみたところ、関連誌や参加しているチーム誌は出ているのですが、本編のスパイダーマンは2017年5月を最後にそろそろ1年出ていないようでした。
アメコミは底本(=翻訳の元になった原語で出版された本)からしてナンバリングではなく、短編のタイトルで単行本が出る事が多いので、順番がよく分からなくなります。まして邦訳は翻訳のさいに面白いパートを選んで出してるので歯抜けになってる事もしばしでして。
そこで今回、スパイダーマンの邦訳本の整理をしてみることにしました。今回対象としているのは00年代後半に出版されたものを対象とします。それ以前にも出版されたものはあるのですが、絶版でオークションなどで探す必要があるものなので割愛します。
分類としては
- 本誌:
- スパイダーマンの基幹誌であるAmazing Spider-Man誌
- ピーター・パーカー青年が「禍福は糾える縄の如し」ということわざが似合う人生を歩む話
- 関連誌:
- ピーター・パーカーではないスパイダーマン
- ないしはAmazing Spider-Man誌以外のピーター・パーカーの話
- 比較的変り種が多い
- 読み切り:
- 「なんとなくスパイダーマン知ってるよね?」くらいの前提で展開される読み切りの話
- タイアップ:
- 映画の前日談など
としました。
本誌 (Amazing Spider-Man誌)
邦訳で実質的に続きになっているのは
- 『ロード・トゥー・シビル・ウォー』〜『アメリカン・サン』(途中で一部抜けがあるが、最長の連続期間)
- 『ワースト・エネミー』〜『トラブル・マインド』
で、他は短編集といったところです。
2018年6月で800号になるのですが、邦訳があるのは約1/10程度です。
最長の連続部分は「シビル・ウォー」の前日から、一旦設定がリセットとなった「ワン・モア・デイ」、リセット後の話である「ブランニューデイ」〜「アメリカン・サン」。話数が飛んでいるのですが、「ワン・モア・デイ」関連として、改変された現在から見た過去がどう変わっていたのかを描く「ワン・モーメント・イン・タイム」の部分です。
「ブランニューデイ」は独身、貧乏、まともな職につけてない、誤解されがち、ヒーロとしてもバッシングにあっている、というプロファイルです。程度の差こそあれ、割と長い間のピーター・パーカー像がこれなのだと思います。
このブログの過去記事にあるのは邦訳の谷間の時期で、ある出来事をキッカケにピーターの公私が充実している時期です。オンタイムで読んでいたことや、アーティストの絵が漫画寄りで読みやすかったのですが、時期を逸してしまいましたし、邦訳されないでしょうね。
表にするにあたり、原書の雑誌名の表記が長いので
- Amazing Fantasy:AF
- Amazing Spider-Man:ASM
- Friendly Neighborhood Spider-Man:FNS
- The Sensational Spider-Man:TSS
- Superior Spider-Man:SSM
と表記します。
タイトル | 書影 | 号数 | 解説 | |
---|---|---|---|---|
マーベルマスターワークス:アメイジング・スパイダーマン | マーベルマスターワークス:アメイジング・スパイダーマン (MARVEL)
|
AF #15, ASM(vol.1) #1-15 | 初登場から初期のエピソード。F4や初期ヴィランの初登場回など | |
スパイダーマン:ステイシーの悲劇 |
|
ASM(vol.1) #88-92, #121-122 | ピーターにとって大切な人だったジョージ、グエンのステイシー家の人に訪れる悲劇を描いた話 | |
ロード・トゥ・シビル・ウォー |
|
ASM(vol.2) #529-531 | タイトルにスパイダーマン含まれていませんが『シビル・ウォー』直前にトニーの弟子をやっていて、アイアンスパイダースーツをもらったあたりの話。元々通販専売 | |
アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー | アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー (MARVEL)
|
ASM(vol.2) #532-538 | 『シビル・ウォー』で正体を明かした結果とその末路の話。元々通販専売 | |
スパイダーマン:ワン・モア・デイ | スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #544, FNS #24, TSS #41, ASM(vol.2) #545 | 「スパイダーマンが悪魔と取引して〜」という話 | |
スパイダーマン:ブランニューデイ1 | スパイダーマン:ブランニュー・デイ 1 (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #546-551 | リセット第一弾 | |
スパイダーマン:ブランニューデイ2 | スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #552-558 | リセット第二弾 | |
スパイダーマン:ブランニューデイ3 | スパイダーマン:ブランニュー・デイ 3 (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #559-563 | リセット第三弾 | |
スパイダーマン:ニューウェイズ・トゥー・ダイ |
|
ASM(vol.2) #568-573 | ヴィラン軍団大復活 | |
スパイダーマン:エレクション・デイ | スパイダーマン:エレクション・デイ (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #584-588 | JJJがニューヨーク市長戦に立候補する話 | |
スパイダーマン:アメリカン・サン | スパイダーマン:アメリカン・サン (ShoPro Books)
|
ASM(vol.2) #595-599 | ノーマン・オズボーンがアイアン・パトリオットとなり、息子のハリーに「アメリカン・サン」というヒーローにさせられそうになる話 | |
スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム | スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム (マーベル)
|
ASM(vol.2) #638-641 | ある事件によってなくなったはずの話 | |
スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー | スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー (MARVEL)
|
ASM(vol.2) #698-700, SSM #1-5 | ASM vol.2最終回と新シリーズ開始 | |
スーペリア・スパイダーマン:トラブル・マインド | スーペリア・スパイダーマン:トラブル・マインド (MARVEL)
|
SSM #6-10 | 新シリーズの続き(まだ続きがあるが邦訳は出ていない) | |
スパイダーバース |
|
ASM(vol.3) #9-15 | あらゆる並行世界のスパイダーマン vs. スパイダーパワー吸収鬼の戦いの話。東映スパイダーマンのレオパルドンが出る |
また、本編のオムニバスとして『ベスト・オブ・スパイダーマン』に
- 作者: スタン・リー,スティーブ・ディッコ,高木亮
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AF #15, ASM #33, 50, 248, 271, 317, 365, スペキュタクラー・スパーダマン #189が収録されています。
関連誌
スパイダーバースシリーズ
並行世界のスパイダーマンたちが『スパイダーバース』に参加する前の前日談の『エッジ・オブ・スパイダーバース』と『スパイダーバース』本編中に別行動をしていたスパイダーマンたちが何をしていたかを描く『ワールド・オブ・スパイダーバース』の2作。
『スパイダーバース』と合わせて買うとこれだけでも話が分かります。註釈とモノローグで「えっ、そんな事起こってたんだ」という出来事がありますが。
タイトル | 書影 |
---|---|
エッジ・オブ・スパイダーバース |
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ワールド・オブ・スパイダーバース |
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後述するスパイダーグェンは『エッジ・オブ・スパイダーバース』が初登場。
スパイダーグエンシリーズ
デビュー以降、スタイリッシュなアートもあって大人気のシリーズ。
「グェン・ステイシーはある日クモに噛まれてスーパーパワーを……」というどこかで聞いた事がある、並行世界の話。元の世界と同名の人物が性別が変わっていたり、役回りが変わっていたり。
今のところ冒頭から刊行が続いているので最初から読みたい人にオススメです。
タイトル | 書影 |
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スパイダー・グエン |
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スパイダーグエン:グレイター・パワー | スパイダーグウェン:グレイター・パワー (ShoPro Books)
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スパイディシリーズ
高校生のピーター・パーカーの話。とだけしか実は知りません。スイマセン買ってないので。
近年刊行のタイトルなのでアニメ『アルティメット・スパイダーマン』や映画『スパイダーマン:ホームカミング』に寄せた設定のラインなんだと思います。
タイトル | 書影 |
---|---|
スパイディ:ファースト・デイ |
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スパイディ:アフタースクール・スペシャル | スパイディ:アフタースクール・スペシャル (ShoPro Books)
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読み切り
X-MEN/スパイダーマン
- 作者: クリストス・ゲージ,マリオ・アルベルティ,光岡三ツ子
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X-MENとスパイダーマンが共演した回をそれぞれの時代からピックアップしてリメイクしたもの。おまけに『(Uncanny) X-MEN』#35が付いています。
スパイダーマン:ブルー
- 作者: ジェフ・ローブ,ティム・セイル,【訳】高木亮
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ASM #39-49 あたりの話も出てくるピーターの青春時代の回想の話。若きピーターの悩みと言ったテイストの話。
タイアップ
スパイダーマン・ホームカミング:プレリュード
スパイダーマン ホームカミング:プレリュード (ShoPro Books)
- 作者: ウィル・コロナ・ピルグリム,トッド・ナウック他,光岡三ツ子
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2017/08/02
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映画『スパイダーマン・ホームカミング』の前日談。マーベルは映画の前日談を2-4話程度のコミックを公開に合わせて出してるのですが、その『スパイダーマン・ホームカミング』版。
映画のパンフレットと合わせ技で鑑賞前/鑑賞後に読むコンテンツみたいにならないかなぁ、と思うシリーズです。