MS IGLOO
# アップしていたと思っていたら下書きのままだったので書いた日付で再アップ
GyaOで無料配信中だったのでざっと見てみました。
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話自体は月刊ガンダムAのコミカライズと徳光康之のレポート漫画で知っていたので割と流し見状態でした。
総評の前に自分のガンダムに対する現在の認識なのですが、SDからガンダムに入った年代なので、それまでに培われてきたガンダム的なリアリティー(特に宇宙世紀かな)の元で「なんとなくそんなものなんだろうな」と思っています。なので「MSなんか運用しないでコロニーとか核を落としてしまえばいいじゃない」といった意見には一旦留保せざるを得ない立場ですね。後は「それじゃロマンが無いだろう」という言葉に応じるかだけだと思いますが。
今回の『IGLOO』は試験兵器の評価部隊。物語を作る上ではこれまで1年戦争ものの話に登場しなかったメカが毎回出せるというポジション。しかも、話の特性上最終的に表舞台に登場しなかったわけですから、何かしらの失敗に終わる or 1回限りのミッション用というある程度の予定調和的な部分があることが予想されます。実際には技術仕官の視点から描かれているのでそれほど気になりませんでしたが、敗者版『プロジェクトX』といった趣があったように思います。
なんだかMSXというかMSXというか、それ以前の同人的な設定というか……。「売れるもの」という要求に従うとどうしてもガンダムでは1年戦争ものになってしまうのは仕方ないのですが*1、個人的にはこれ以上一年戦争の隙間を埋めなくてもいいんじゃないかとも思いました。
蛇足ですが、兵器の評価やMSのコンペといったいかにもらしい描写はあるのですが、その評価に用いられている理屈も『機動戦士ガンダム』の後付設定的なリアリティーに拠るものなので大雑把な感じがしました。ここの辺りは詰めてやったところで物語のドラマと絡んできにくいものですし(MS制作物語ならまた別だと思いますが)、描かないで正解の部分だとは思いますが、気にはかかりました。
MSに関してはEVOLVEをはじめとした3DモデリングのMSの描写ににそれなりに慣れてきたせいかそれほど違和感がありませんでした。しかし、人間の方は3Dモデリングのヌルっとした肌感覚や芝居の仕方に違和感がありました。実写に近くなってきた分時折見せるアニメ的な感じがどうも引っかかったように思います(アニメーション監督が作っているのだからアニメ的なのは当たり前ですが)。
アニメ的な表現であればやはりアニメの方がいいわけでして、(実際にはそうではないかもしれませんが)カッチリモデリングされたものがアニメ的な動きをしても二次元のウソをつけるアニメ的な魅力は薄い感じがしました。特に動きになると魅せるハッタリの技術が二次元にくらべてまだ蓄積されていないのかなと(これは『IGLOO』の感想というよりは3Dアニメに対する感想ですが)。
と、なんだかんだ書きましたがジオン側の1年戦争の表舞台に立てなかったMSやミッションが登場するのでジオニストは見るといいかもしれません。もとい、ジオニストのための話であってそれ以外の何者でもないと思いますが。
*1:なにせリアルタイム世代の人口が多いし、落とせるだけのお金持ってますしね。