スーパーマンの最期
- 作者: アダム・カウフマン,久世操
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1993/04
- メディア: 単行本
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概要
- 収録
- Superman: The man of steel #17-19, Superman #73-75, Adventures of Superman #496-497, Action Comics #683-684, Justice League America 69
- シリーズ
- Superman
- これまでのあらすじ
- 邦訳は前も後ろもなくこれだけなのでなし
- 評価
- 本当にスーパーマンが死んだところだけしか翻訳がないのと、自分が手に入れたものは解説がなかったので本書単独で評価を書くのは難しい。これ単独だとスーパーマンを殺すためにドゥームズデイが出てきてJLA*1が前座としてやられているだけの話。作中の伏線も特に回収されないし、毛がふさふさなルーサーや、殴られて不定形生物になるスーパーガールなど、よく分からない設定がある。「スーパーマンが死んだ」という話題性で翻訳が出たけれど初心者に優しくない
感想
ドゥームズデイが脱走してJLAと衝突。その後スーパーマンと戦い、スーパーマンが全力を出して戦ってドゥームズデイを倒すが自らも力尽きてしまうというのが話の大筋。それ以上でもそれ以下でもない。
この話ほとんど戦闘シーンで大ゴマが多く、最終話は全部1ページ一コマだ。それほど話があるわけではない。多少伏線めいたものはある。ブルービートルIIがブラッドウィンドの正体を探っていて、正体が分かったという件だ。だが、ブルービートルIIが意識不明のまま退場してしまうので読者には明らかにされない*2。
スーパーマンを多少知っている人でも赤毛が頭にもヒゲにもふさふさなレックス・ルーサーとダメージを受けて不定形生物になってしまうスーパーガールには困惑すると思う。自分も説明できるほど詳しくはないのだが、ルーサーの方は肉体若返りをしていて、スーパーガールはもう一つの地球から来た変身能力がある人工生命体だったはず。識者の解説ないと辛い。
本作のスーパーマンの味方であるところのJLA、といっても本作はJustice League Americaもおそらく原書の情報を知っている人でもないと馴染みのないメンバーばかりだろう。主要メンバーはNew52で言うところのJustice League International(JLI)
- 作者: ジェフ・ジョーンズ,ジム・リー,石川裕人,秋友克也,小池顕久
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2013/03/09
- メディア: 単行本
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のメンバー*3。正直なところJustice Leagueに比べると一枚落ちるメンバーだ。本作の登場メンバーは
- ブルービートル
- ブースターゴールド
- マキシマ
- アイス
- ブラッドウィンド(マーシャン・マンハンター)
- ガイ=ガードナー(グリーンランタン)
と、カートゥンネットワークで『バットマン:ブレイブ&ボールド』でも見てないと知らないキャラが多い。この面子でスーパーマンと互角以上のドゥームズデイと戦えるわけもなく、ボロボロにやられていく。実力からしてそうなるのが当然なのだが、イマイチカタルシスがない。
翻訳も他のキャラは自分があまり知らないこともあって受け流しているところがあると思うが、スーパーマンの言葉遣いが荒かったり、「承知!」と言っているのは少し違和感があった。セリフの中に全体的にカタカナの小さい「つ」や「え」が入っていてべらんめえ調みたいだったし、個人的にはあまり合わなかった。
本誌発売当時は解説冊子付いてたのかもしれないが、色々厳しい一冊ではある。それでも「スーパーマンの死」がこれだけ無理な本を出させるだけのインパクトがあったのだということだろう。スーパーマンが死んだ後の話はこれから『World without Superman』『Return of Supermen』*4と続くが、邦訳が出なかったということはスーパーマンの死だけを扱うと決めていたのか、売れ行きが悪かったのか。
発売された1994年にはまだ田舎にいてこの本の存在自体知らなかったがたまたま図書館で出会えてよかった。本体価格も980円で驚き。もしかしたらこの値段設定が無茶だったのかもしれませんが。