Justice League #16 Throne of Atlantis
ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)
- 作者: ジェフ・ジョーンズ,ジム・リー,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2012/12/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「"Justice League"誌を読んでる大きなお友達はライターが同じジェフ・ジョーンズの"Aquaman"誌を読んでるよね!」と言わんばかりの"Justice League"誌しか読んでない読者の置いてきっぷりだった。
話としては海中にある王国・アトランティスが津波で地上を覆い侵略を始めた。アクアマンは義弟のオーシャンマスターに王位を簒奪されてしまい、もはやアトランティスの王として暴走するアトランティス人を止められないのだった。というアメコミファンにはお馴染みの筋書きだからいいのかしら。
このモチーフ、割とどこにでもある話でドラえもんでも大長編で『ドラえもんのび太と海底鬼岩城』
大長編ドラえもん (Vol.4) のび太の海底鬼岩城(てんとう虫コミックス)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1983/06/25
- メディア: コミック
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という海底人が地上を侵略しようとしていた。他にも色々ありすぎるな。藤子不二雄でも『海底人メバル』があるし、それこそ『海のトリトン』
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/11
- メディア: 文庫
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だってそうだ。
今回面白かったのはオーシャンマスターが地上人のことを"Air-Breathers"と呼んでるところとサイボーグがダークサイトのテクノロジーから手に入れた次元転移装置を使うときに「初めてはちょっと痛いもんだ」って言うところか。
オーシャンマスターの"Air-Breathers"は地上人が言うところの「エラ呼吸野郎が!」みたいな感じなんだろうな。アトランティスでは侮辱語なんだろうが「いやまあそうだしな」と言うしかない。「エラ呼吸野郎が!」って言われたときの海底人も最初は同じ反応だろう。
サイボーグはウォッチタワー*1で
「グリーンランタンがいなくなってリーグは滅茶苦茶だ。スーパーマンとワンダーウーマンはいちゃついてるし、バットマンとアクアマンは主導権争いばかりしてる。俺は父さんと話したくないからメンテの時以外地上には帰りたくないし……」
ってぼやいていた頃に比べれば軽口がきけるだけの余裕ができたのは嬉しい。
逆に辛いと思ったのはサイボーグが海中に囚われたリーグのメンバーを助けるために、父親に生体部分である肺を摘出して水中でも活動できるようにしてくれと頼むところ。ためらう父親に
「脳みそと心臓さえ残っていれば俺だって父さんも言ったじゃないか」
と促すところ。サイボーグのメカの部分、ダークサイド由来の謎金属なんだしどうにかしてくれるとか言わないのがジェフ・ジョーンズ。ジェフ・ジョーンズの話は大体1話目で犠牲が出てそれを取り戻すための話になっているので、今回はリーグとサイボーグの肺が生贄になったのだと言えるだろう。
ラストでサイボーグがアトランティスに向かうためのメンバーを集めるために呼びかけるシーンがあるけれど、これがジェフ・ジョーンズが書く予定の"Justice League of America"の原型になるんだろうな。"Justice League"誌のバックスアップストーリーのシャザムさんも出てたけど、どう絡んでくるのやら。オリジナルチームが危機に陥って、生き残った一人が新しいメンバーを集めるという展開はまあ、よくあるもので、それこそX-Menなんかは誰が書いても売れない話だったのだけど、その展開から人気が出て今に至るわけなので馬鹿には出来ない。
バックアップストーリーのシャザムはわけも分からずブラックアダムに追い詰められてビリーの姿に戻って逃げたで終わり。ページ数少ないとはいえ本当にストーリー進まないな……。