アベンジャーズ vs X-MEN(Avengers vs. The X-MEN) #9
最近ほとんどこちらに感想書いていなかったので久しぶりに。#1のローンチイベントに行ったことを書いて以来書いてませんでした。
#1〜#8までの筋をざっと書くと
- 1部(#1〜#5)
- ノヴァが地球にフェニックス・フォースが接近していることを知らせる
- かつてフェニックス・フォースが起こした悲劇を鑑みてアベンジャーズはホープの捕獲とフェニックスの撃退作戦に
- X-MENはホープをアベンジャーズに渡す気はなく衝突。アベンジャーズによってユートピアは陥落するが主要メンバーは逃走
- ホープが単独行動に。フェニックスと対峙するさいの同行者としてウルヴァリンを選ぶ。ホープはウルヴァリンに万一の時のことを頼むが、ウルヴァリンはアベンジャーズに連絡してしまう
- フェニックスが接近する中月面でホープをめぐってアベンジャーズとX-MENが大戦
- フェニックス・フォースはホープではなく、サイクロプス、マジック、コロッサス、エマ、ネイモアに宿る。5人はアベンジャーズを倒し、ユートピアにホープを連れて帰る
- 2部(#6〜#8)
- フェニックス・フォースを手に入れた5人は世界を変えていた
- ホープの捕獲を再度試みるアベンジャーズ。スカーレット・ウィッチの参入でホープの奪還に成功。アベンジャーズはブラック・パンサーの国ワカンダへ
- ホープとスカーレット・ウィッチをターゲットにするX-MEN。アベンジャーズの潜伏先を一斉に攻撃するが、ドクター・ストレンジの魔術でスカーレット・ウィッチがどの場所にも現れ、撤退を余儀なくされる
- ネイモアがサイクロプスの方針に異を唱え単身でワカンダに攻め込む。アベンジャーズ総出でネイモアを倒す。ネイモアに宿っていたフェニックス・フォースは残りの4人へ
- アベンジャーズは壊滅したワカンダからアイアンフィストの聖地へ
といったところ。
このシリーズを読んでいると物語内で歴史が連綿と続いているのを感じます。『Avengers vs. The X-MEN』#0の表紙に描かれているスカーレット・ウィッチとホープがこの物語の要です。
スカーレット・ウィッチはマグニートの娘で最初はマグニートのブラザーフッドにいましたが、後にアベンジャーズに参加。度重なる不幸によって彼女の精神は不安定になり、アベンジャーズの解散を招く事件を起こしてしまいます。その後『ハウス・オブ・M』(2005)
- 作者: ブライアン・マイケル・ベンディス,オリビア・コワベル,石川裕人,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2010/10/30
- メディア: 大型本
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の冒頭で対応に困るようになったプロフェッサーXがX-MENとアベンジャーズを集めてスカーレット・ウィッチの対応を話し合います。スカーレット・ウィッチに対して強硬手段を取ろうとしたX-MENとアベンジャーズの問題だと言ったアベンジャーズ。今回のホープへの態度は逆になっています。
『Avengers vs. The X-MEN』(2012)の前日談の『Avengers: X-Sanction』(2012)でアベンジャーズがホープを殺したがために荒廃してしまった未来から戻ってきたケーブルがアベンジャーズの抹殺を試みる話がありました。この出来事もアベンジャーズとX-MENの間に溝を作ることになりましたし、ケーブルの口から話を聞いたサイクロプスがアベンジャーズの強攻策を受け入れられない原因になっていたように思います。
『ハウス・オブ・M』の最後に彼女の生存は確認されていましたが、再び表舞台に立つのは『Avengers: The Children's Crusade』(2010-2012)になります。彼女は記憶と能力を取り戻し、『Avengers vs. The X-MEN』#0へと続きます。強大過ぎる力(現実改変能力)と過去の罪にどう向き合うのかが彼女の課題でしょうか。
もう一人のキーキャラクターであるホープは(アメコミにしては)割合最近のキャラクターです。『Messiah Complex』(2007)で誕生し、『Messiah War』(2009)や『Second Coming』(2010)を経て育ての親のケーブルとの離別など様々なことがありました。一連のタイトルが示唆するように、少なくともケーブルが見た未来ではホープはミュータントの救世主になる存在です。
幼い頃から荒廃した未来世界(『北斗の拳』の世界みたいなものだと思ってください)を傭兵の男手で育てられたためにかなり荒っぽく、まだ自分のパワーをコントロールしきれていない状態。『Second Coming』では「みんなが言うだけの価値がない自分」に悩んでいました。この辺りのフォローに入るのがマグニートなのがまた時代ですね。彼女は期待される未来と自身の能力にどう向き合うのかが彼女の課題でしょうか。
また、この間のサンディエゴ・コミコンで発表があったようにマーベルもDCと同じように仕切りなおしをするようで一つの区切りとして色々集約してきている感じは受けています(ちょっと詳しく書く気力がありませんが)。
余談はこのくらいにして#9の話。ネイモアは倒したものの、アベンジャーズは負傷者ばかり。ついにはソーもやられてしまいます。詳しい話は『New Avengers』誌であったのですが、アイアンフィストの予言に従ってホープはスパイダーマンを師匠に迎えて修行中。スパイダーマンは『ベスト・キッド』のミスター・ミヤギのセリフをしゃべって早く戦いに出たいと言うホープをはぐらかしたり。
フェニックス・フォースを身につけたメンバーはネイモアの分も吸収したせいもあってか、次第に凶暴性が押さえられなくなっている描写が入ります。サイクロプスは精神が特殊な構造をしているので大丈夫かもしれませんが、エマは既にかなりやられているようです。
捉えられたメンバーを取り戻しにアベンジャーズはコロッサスとマジックが待ち構える火山へ。ドクター・ストレンジの魔術やプロフェッサーXの超能力効果もむなしくあっさり見つかってしまうのですが、スパイダーマンが退路を塞ぎ、みなを逃がすために時間を稼ぐ。
スパイダーマンはスーパーヒーローの中ではそれほど強い方でもない(実際『AvX:VS』でフェニックス・フォースを身につける前のコロッサスと戦っていますが、時間切れで引き分けの体に持ち込むのがやっとだった)のではなからかなうはずはないのですが、何度叩きのめされても立ち上がる。殴っている方のコロッサスが「もう寝てろ」(マジックは「さっさと殺ろう」って言うんだけど)と何回言っても立ち上がる。『New Avengers』誌でホープにベンおじさんの「大いなる力には大いなる責任が伴う」を説いてますし、ヒーローとしての精神を具現化したような状態になっています。
助けに戻ったアベンジャーズが見たものは倒れたコロッサスとマジック。ボロボロのスパイダーマン。二人からフェニックスは去りました(おそらくネイモアのときと同じように残ったサイクロプスとエマのところに吸収されたのでしょう)。そしてホープの元には一層光を増したサイクロプスが迎えにきていたのだった。
といったところ。表紙の通り今回の主役はスパイダーマン。ホープと師弟関係になる話は『New Avengers』にあるのでこっちは略。表紙でアイアンフィストとホープが何かしら関係築くのは分かっていたのですが、スパイダーマンが師匠になった経緯は『AvX』だけだとナンノコッチャですね。
後、個人的にはプロフェッサーXがサイブレードみたいなのでモンスターぶった切ってたコマがあったのに噴き出しました。あんな能力あったんだ……。