ウルトラセブンX

脳が萎縮していた変死体の捜査の過程で出くわして、フリーターやホームレスを集めて侵略兵器を作らせる宇宙人の話。

あの世界ではフリーターやホームレスを働かせるところがあるようだけど、重労働で逃げている様子。加えて、ほとんどの場所での給料が振り込み制になっているので、カードや口座が使えない彼らにとっては給料を現金で払ってくれる宇宙人の仕事は貴重な様子。

そこに潜入して彼らを救出したつもりだったセブンに「余計なことをするな」とばかりに人間の側から非難され、おまけに宇宙人に侵略兵器を作るように依頼したのは人間だったというオチがついていた。

宇宙人が己の行為が罪なら、侵略兵器の製造に進んで手を貸している人間も同罪だ。という辺りは、ある面ではセブンのきつい所を大人向けモチーフにして引っ張ってきた感じ。ああいう、あまり明るくない未来世界で起こる諸問題に宇宙人というギミックを用いて語るのは面白い。

ただ、セブン対宇宙人戦が心躍らないのは個人的にはマイナス。アイスラッガーがブーメラン状に戻ってきたところで敵を倒すのはいいのだけど、なんかなぁ、という感じだった。

円谷プロ本体も

ＴＹＯの吉田博昭社長（５８）は「ＣＧ合成の方が、よりリアルなものが安価でできる。『（ミニチュアの）ちゃちさがいいんだよね』というのはオタク。あまりに少数の人たちの異常な愛着にこだわってはいけない」と発言。

という主義の会社に買収されたので今後はこうなるのかな？CGの方が安価なのかというところはミニチュアセット代を知らないので何とも言えませんが、CGもリアルに見せるには最終的には職人芸の域になるという話を聞いたことがあります。

ともあれ、ミニチュアにせよCGにせよ過剰な何かを注いでいるから狂ったように人を惹きつけるものもできるわけでして、それが消えちゃうとどうなのでしょうねぇ。