最低賃金で人は生きられるか:日米版
まず日本版の方
「最低賃金:人は時給608円で生きられるか 県労連4人が“実験”/青森」
(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/news/20060627ddlk02020045000c.html)このほどまとまった中間結果(19日現在)によると、食事を冷や麦やカップめんなどで我慢し、食費を極限まで削らないと生きていけない厳しい現実が浮き彫りになった。
(中略)
最低賃金の引き上げを目指している県労連は「最低賃金では人間らしい生活は送れない」との主張を実証しようと、1日から30日までの「生活体験」に踏み切った。1カ月の生活費は、時給608円で22日間(1日8時間)勤務したと想定して計算。賃金10万7008円、手取り額9万4227円とした。住居費は青森市の標準生計費を基に、一律2万1820円に設定した。
ちなみに上記リンクにもある最低賃金最高額の東京の場合はこの実験と同じだけの勤務として12万5664円で1割引いて11万3097円。住居費が5〜6万円だとすると青森県よりヤバいことに。食費はよほどうまくやっても都市部の方が高いだろうし。
アメリカ版は前にモーガン・スパーロックの『30ディズ』を見たときのメモをそのまま乗っけてみる
映画『スーパーサイズミー』で30日間マクドナルドで食事をしたモーガン・スパーロックが自分の体を実験台にして毎回30日間の期限で行う記録番組。第1回は「最低賃金で30日間」で、以下視聴メモ
- 教育を受けた白人二人の共働きでスタート
- 家賃約350ドルの借家の下の階は麻薬の密売所だった(穴があいていてすきま風もひどい)
- アメリカの最低賃金は1997年の制定以来変動無し
- 最低賃金はおおよそ7ドル程度
- 保険が無いので無料診療所に人が並ぶ
- 日本で言う時間外診療費だけで300ドル
- 手首を傷めて検査をしたら医療費が約550ドルだった
- 1日50ドルで5人が生活している例もある
- 1日18時間働いて50ドル前後
(;´Д`)……
本編中でやたら「最悪」とか「最低」とか言ってますがそうでしょう。特に保険が利かないというのが痛い。医療費が出なければカツカツで生活可能な様子。
単純比較は出来ないのだけれど、日本でも田舎の場合コンビニのバイトとかが700円代中盤で4万円で家借りられるだろうからこれで年金とか払わない状態で生活といったところだろうか*1。下手しなくても今回のアメリカの方がきつそう。
結局『30ディズ』の方は30日経過した時点でかなりのマイナスで終了。無料診療所の混雑具合は並じゃなかったし*2、職安の込み具合も並じゃなかった。
『30ディズ』見たときには日本の方がましだと思っていたのですが、この調査を見てみるとそうとも言えない気がしてきた。これで消費税上がったらたまったもんじゃないなぁ。
追記
- アメリカの方が同じ商品に対して価格帯が広いので日本は食費が相対的に高く付くのを忘れていた。○マートで一番安い肉買おうとしたらすごい顔(そんなまずいのを食べるの?という顔)されたのを思い出した。