邦訳アメコミアドベントカレンダー 8日目 『X-MEN:デッドリー・ジェネシス』
- 作者: エド・ブルベイカー,トレバー・ヘアシン,ピート・ウッズ,マーク・シルベストリ,ャスダシゲル,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 単行本
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続編/関連作品
邦訳は出ていませんが、再録をずっと掲載していた不人気作品だったX-MENを一躍看板作品にした『ジャイアントサイズX-MEN』の裏話という位置づけです。ウルヴァリンやストームがX-MENに参加したのは『ジャイアントサイズX-MEN』から。
あらすじ/感想
『キャプテン・アメリカ:ウインター・ソルジャー』も半世紀前のバッキーを復活させた話でしたが、こちらも半世紀近く前の『ジャイアントサイズX-MEN』を元にした話。解説の紙でも説明の多くを『ジャイアントサイズX-MEN』に割いています。現実的な事情の話をするとX-MENメンバーの入れ替えのためにX-MEN再初期メンバーがマクロファージに捕らえられたことにして、新メンバーで旧メンバーを救出という流れです。
それをライターのエド・ブルベイカーが実はサイクロプスを助けに行った幻のX-MENがいた、というエピソードに仕上げたのが本作。昔のコミックスが語らなかった部分や、簡略に済ませていた部分を描き直す作品は数多くあります。先日紹介した同ライターによる『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』もそうですし、『アルティメット・スパイダーマン』もそうでしょう。
語り直しはこれまでの蓄積に加えて、後出し設定による整合性が取れるので新作に比べて有利な面があるのですが、逆に言うと蛇足になる場合もあればそんな古い話を持ち出して、という気にもなります。私にとって、この作品はどちらかと言うと後者の方でプロフェッサーXの過去の罪を掘り起こしてきて積んでくるのもどうなのだろうかと思いました。
この後『X-MEN:スーパーノヴァ』では邪険に扱われてますし、『X-MEN:セカンドカミング』では最後のピンチになってリージョンを引きずりだすまでいなかったような扱いですし、マグニートやホープに口でやりこめられたり、『X-MEN:スキズム』に至ってはサイクロプスとウルヴァリンがユートピアを破壊するセンチネルの前で殺し合いやってたのに「あんたなにやってたんだよ!」という状態。おまけに『ウルヴァリン&The X-MEN』#1でウルヴァリンとニューヨークにいるし。サンドバック状態とばかりに叩かれまくっていた気がします(サイクロプスもファーストファイブ誰も残ってくれなかったりで大概ですが)。
存在だけがほのめかされていたサマーズ家の三男登場と実はX-MENだったというのは悪くないと思うのですが、なんだかなぁ、という感じです。