邦訳アメリカン・スーパーヒーロー・コミックスアドベントカレンダー2013 2日目 - 1月その1
ニューアベンジャーズ:レボリューション
- 作者: ブライアン・マイケル・ベンディス,アレックス・マリーヴ,レイニル・ユー,石川裕人,松澤慶香
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2013/01/19
- メディア: 単行本
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- ストーリー :☆☆☆
- アート :☆☆☆☆
- 時系列入れ替わり度 :☆☆☆
ライダーはブライアン・マイケル・ベンディス。アーティストは#26のみアレックス・マーヴで、残りの#27-31はレイニル・ユー。
マーベルはアベンジャーズ系の翻訳が多いのもあって、ベンディスの翻訳数が多くなってます。邦訳ではニューアベンジャーズ、マイティ・アベンジャーズ系、『シークレット・インベージョン』も今年の原書ではクロスオーバーイベント『Age of Ultron』、同じくアルティメットユニバースのクロスオーバーイベントの『Cataclysm』のUltimates、Spider-Man誌、『Ultimate Comics: Spider-Man』、来年映画になる『Guardians of the Galaxy』、『All-New X-Men』、『Uncanny X-Men』、今年のX-Men系クロスオーバーイベント『X-Men: Battle of the Atom』と数多くのライティングを手がけています。
アレックス・マーヴは大半ベンディスと組んで仕事をしている気がします。あまりこれといって印象に残っている作品がないのですが、今年邦訳が出たもので言うと『シビル・ウォー:コンフェッション』(『シビル・ウォー:アイアンマン』に収録されていたはず)でしょうか。
レイニル・ユーは今年の邦訳で『ニューアベンジャーズ:トラスト』、『シークレット・インベンション』を手がけ、今年の原書ではクロスオーバーイベント『Infinity』の期間の『Avengers』(vol.5)を手かげています。
#26だけやや時系列が外れていますが、『ハウス・オブ・M』で蘇ったクリント・バートンがスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフを探しに行き、記憶を亡くしたワンダを見つける話。『ハウス・オブ・M』の最期のほうで生存は確認されていましたが、記憶を失っていました。
#27-31が前回『ニューアベンジャーズ:シビル・ウォー』からの続き。時系列としては劇中でキャプテン・アメリカが実は死んでいなかったという話が上がっていることから『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』の後。ホークアイがスパイダーマンの正体を知っており、スパイダーマンのコスチュームがブラックコスチュームであることから『ワン・モア・デイ』の前であることが分かります。
チームはアイアンマンを筆頭とした超人登録法賛成派のアベンジャーズとルーク・ケイジを筆頭とした超人登録法反対派のアベンジャーズに別れ、本作は超人登録法反対派のアベンジャーズ。超人登録法賛成派のアベンジャーズのタイトルはマイティ・アベンジャーズとなり、今年『ウルトロン・イニシアチブ』と『ヴェノム・ボム』が翻訳されました。
『シビル・ウォー』でキャプテン・アメリカの投降により、超人登録法賛成派が勝利。超人登録法反対派は地下生活を余儀なくされ、現在はDr. ストレンジの魔法で偽装した館をアジトにしている。内部で時系列が過去や現在に飛んでいて時々わかりにくいがマヤ・ロペスがエレクトラ率いるザ・ハンドに捕まる。マヤのマット(デアデビル)への置き手紙がダニー(アイアンフィスト)経由でニューアベンジャーズに伝わる。Dr.ストレンジに礼を言いに帰ってきたクリントがマヤの代わりにローニンになる。ラフト監獄にキャプテン・アメリカが捕らえられているというガセを掴まされてマイティ・アベンジャーズと戦い、Dr.ストレンジが同伴していたことからアジトがバレかける。マヤを助けに日本に行けば、エレクトラはスクラル人と入れ替わっていたということが判明して終了。
本誌は全般的にクリント・バートンがホークアイではなく、ローニンという新たなペルソナを得てヒーローに復帰する話。なぜホークアイに戻らなかったのかというと死んだことになっていたり、クリントが不在の間に『Young Avengers』でケイト・ビショップがホークアイを名乗っていたからか。他にもキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)の死後にキャプテン・アメリカに勧誘されたりとこの本だけではわからないことが色々あって、さも当然のように話が進むわけで……。それが共時性のあるアメリカン・スーパーヒーロー・コミックスの特性なのですが。
前作まででローニンをしていたマヤ・ロペスを助けるために現れたローニンが誰なのかを謎にしておくために時系列が入れ替わっているところが素直には読みにくいかなと気になりました。