∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

Netflix 『ブラック・ミラー』S1


評価

  • 5/5点 (何度か見直してる)

概要

『ブラック・ミラー』(原題:Black Mirror)は 動画配信サイト Netflix のオリジナル作品。社会風刺SF(イギリス制作だけあってジョークが黒め)。シーズン1は3話。

  • 1話『国家』:国民に人気の王女が誘拐され、首相は犯人からあることを要求される。犯人の主張はSNSをつかって拡散されていき、首相は犯人の理不尽な要求を受け入れざるを得なくなる
  • 2話『1500万メリット』:ディストピアSF。完全管理社会から脱出するにはオーディション番組に出演してスターになる道しかない
  • 3話『人生の軌道のすべて』:近未来、過去の記憶をすべて録画再生できるチップを体に埋め込んでいる世界。他人にも共有できる形で完全な記憶がある世界で起きる不幸とは

ポッドキャストを聞いて存在を知ったのですが、昔見た『新アウターリミッツ』の社会風刺エピソードとも通じるものを感じました。アメコミの『ウォッチメン』なんかも『アウターリミッツ』の「歪められた世界統一」を元ネタの一つにしていますし、イギリス感があります。

いずれも後味よくないエピソードなので、そういうのが受け入れられる気性・体調でない場合は視聴はお勧めしません。

各話感想

1話

王女を誘拐して要求が首相が豚とヤる様子のTV放映という、よく分からない要求をして来る犯人と閣僚たちの慌てふためきようがSNSを通して拡散されていき、収集がつかなくなってしまう。首相のもとに指が送られてきたりで追い詰められていく。

SNSで情報が収集できないほどに拡散されてしまうことや、悪趣味が通ってしまう恐ろしさがよく描かれていると思います。

2話

ディストピアSFで題材自体は割とある話で味付けが現代風になったかという感じ。管理社会脱出のためには体制側に取り込まれざるを得なくなり、体制側への不満は、同じような不満のはけ口にされるために飼われる形になってしまう。

完全管理社会の描写や娯楽などがフルデジタルではあるものの示唆含めた部分はそこまで新しい要素ないかなという印象です。ただ、押しが酷い目に遭うという分かりやすいシチュエーションではあるので辛さは割と強めです。

3話

これも発想としてはあったんじゃないかなという記憶のデータベース化と共有の話。共有のところがやや現代チックか。法規制はとうぜんあるものの、他人の記憶にアクセスできるというのが怖いところで、企業就職時や渡航時に怪しいことしてなかったかとかのチェックなど、物証になっちゃうし、プライベート見られちゃうんですよね。

そうでなくとも、主人公の男性もそうなのですが、嫌なことがあったときの記憶をなかなか忘れられないタイプの人には辛い世界だな、と思いました。

印象に残ったエピソード

1話『国家』でしょうか。理由はインターネットやSNSが社会生活内に取り込まれているからです。現代〜近未来くらいの時間軸の話でインターネットやSNS的なものが出ていない話はどうも古い感じがしてしまうので。あとはイギリス人らしい首相への直接要求がブラックだから。

総評

元々『新アウターリミッツ』のような寓意を含んだSF系の話が好きなので総合的に良かったです。他の作品で似たようなエピソードがあっても、現代的に作り込まれている点や、現代だからこそ状況が変わってきた点が含まれている話があるのでとてもよいと思っています。