∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

邦訳アメリカン・スーパーヒーロー・コミックスアドベントカレンダー2013 3日目 - 1月その2

スパイダーマン:ブランニュー・デイ2

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)

  • ストーリー            :☆☆★
  • アート              :☆☆★
  • あってもなくてもそんなに影響ない度:☆☆☆☆☆

Amazing Spider-Man #552-558を収録。#552-554をボブ・ゲイルとフィル・ヒメネス、#555-557をゼブ・ウエルズとクリス・バチャロ#558をボブ・ゲイルとバリー・キットソンが担当。

前巻、『ブランニュー・デイ』で原点回帰を目指したのか、最初期の読者への語りかけなどの60年代風で現代に再現すると色々辛いものがある形式はなくなったものの、微妙な感は否めない印象。『ワン・モア・デイ』以降はスパイダーマンという作品の語り直しを図っている以上、やむを得ないのかもしれないが、既存読者には「よくある話」だったのではなかろうか。

尺が短い短編だけれど思い切ったこともできずといったところで後にも先にも続かないような完結した話が多い。間に挟まった#555-557はまさにそうで、前後の話はフリークスというヴィランの話だが、この間3号は完結した他の話。単品というよりは構成の問題なのかなぁ。

バットマン:梟の法廷

バットマン:梟の法廷(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

バットマン:梟の法廷(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

  • ストーリー:☆☆☆☆
  • アート  :☆☆☆☆
  • 強敵登場 :☆☆☆☆

Batman #1-7を収録。ライターはコミックスの賞を数多く受賞しているスコット・スナイダー。アートは『スポーン』にも関わっていたグレック・カプロ。

DCコミックスの2011年の設定刷新イベント『フラッシュポイント』後のバットマン第一弾。が、バットマン(とグリーンランタン)は過去の設定がかなり残っていて、以前からの読者はどの設定が生きでどの設定が死になのかに戸惑い、新規読者は最初から当然のように提示される情報の多さに困惑しそうな感じ。

その点を除けば2011年スタートの52誌の中では5本の指に入るほどの完成度。以前から登場していた組織やヴィランを使わずに設定と強敵を作り上げた点は素晴らしい。スコット・スナイダーの以前からの作品を読んでいれば『Batman: Gates of Gotham』などからの世界の広がりを感じることができると思う。コスチュームヒーローを描くグレック・カプロのアートも見事だ。特に陰影やマント、破れたコスチュームのなどはお気に入り(ただ、素顔やドミノマスクだけのヒーローはあまり好きではないけれど)。

梟の法廷のシリーズの続刊(梟の夜、梟の街)も全て邦訳されており、バットマンをある程度知っている人にはいい話だと思います。話は多少ミステリ仕掛けというか謎解きの部分があるのでシリーズ通して伏せておきます。