∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

マーベルシネマティック・ユニバースPhase1-3の思い出

はじめに

先日、映画『アベンジャーズ:エンドゲーム』

を見て来ました。マーベルシネマティックユニバース(以下MCU)のPhase 3完結は夏公開予定の『スパイダーマン:ファー・フローム・ホーム』なのですが、一旦終わった気持ちなので記録しておこうと思いました。『アベンジャーズ:エンドゲーム』の話はネタバレに当たる可能性があるのでしませんし(同じく『キャプテン・マーベル』も公開日から日が浅いので記載を控えます)、各作品ごとの批評は

マーベル映画究極批評 アベンジャーズはいかにして世界を征服したのか?

マーベル映画究極批評 アベンジャーズはいかにして世界を征服したのか?

があるので、ここにはMCUとの個人的な思い出を記します。

Phase1 (2008〜2012)

MCUがはじまった2008年は自分の人生としても大きな転換点でした。具体的には就職して、全く希望と違う部署への配属だった上にオンコール対応があったという状態で心身ともに参っていました。同じく終わる頃の2012年はキャリアチェンジを考えていて同じく苦労していた頃でした。

また。2008年にiPhoneが発売され、コミックの電子版をスマホで読むという経験がはじまりました。コミックショップも人形町からかなり歩いた場所に移転してしばらく途絶えていたコミック原作を読む風習が再開されました。本格的に買うようになったのはiPadが販売されるようになった2010年以降ですが、映画の前日談のコミックが出ていたことも定期的に買う一因になっていました。

今思い返してみると、Phase1の作品は全編通して何回も見直しているのは完結作である『アベンジャーズ』くらい。個別のヒーローの作品はまだまだ作り方や方向性を模索中だったのだと思います。『アイアンマン』以外の個別作品は劇場に見に行ったときの空席具合が興行収入を容易に想像させるものでした。

また、ディズニーによるマーベル買収は2009年でそういえばそれ以前は配給が別だったことを思い出しました。

インクレディブル・ハルク (2008)

MCUのトップバッターは『インクレディブル・ハルク』。夏休みではない8月は久方ぶりでだいぶ消耗していました。

当時事情を知りませんでしたが、2003年にやった『ハルク』

ハルク (吹替版)

ハルク (吹替版)

とは別物。確かに俳優は違う。雰囲気も前の情緒的な感じとは異なってハリウッド的。後の『アベンジャーズ』でハルク役がエドワード・ノートンからマーク・ラファロに変わったこともあり、私の中で本作はMCUの連続性を持てていません。

更にスタッフロール後のシーンにアイアンマンが出てた話は『アイアンマン』公開まですっかり忘れていました。多分次週に公開された映画『ダークナイト』(2008)を見たいせいでしょう。『ダークナイト』は当時相当なブームになっていて、完全に印象が薄くなっていました。

アイアンマン (2008)

本来のMCU第1作目。日本ではなぜか公開順が『インクレディブル・ハルク』と前後。シルバーウィークの次週公開で多少元気があった状態で見れました。とにかくアーマー製作工程がよかった。話は割とどうでもよくて(冒頭の動機付けはともかくとして、後半の尻すぼみ感はどうも...)アーマー作っているシーンだけ繰り返し見ました。

アイアンマン2 (2010)

アイアンマン2 [Blu-ray]

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そこから1年飛んで『アイアンマン2』。興味の中心はやはりアーマー。モナコグランプリのトランクケース・スーツ(マーク5)の装着シーン繰り返し見ました。

しかし、話は相変わらず「うーん」というところ。確かに、コミックの「デーモン・イン・ザ・ボトル」のアルコール中毒パラジウム中毒に転化し、ロバート・ダウニーJr自身の薬物中毒時の経験という局所的には面白い点はりました。しかし、宿敵の動機含め最後の方はしょっぱい印象を拭えませんでした。

マイティー・ソー (2011)

マイティ・ソー [DVD]

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「ジェーン・フォスターがナタリー・ポートマン!」ということで行ってみたらダーシー役のカット・デニングスの方に「いいね」しました感。クリス・ヘムズワースのことは「J・J・エイブラムスのリブート版映画『スター・トレック』の冒頭にいた人」程度の認識しかなく、見た後はソーの役柄もあって大型犬みたいなイメージに。

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー (2011)

予算配分(CGの使い所と後半のダイジェスト)にびっくりする映画。キャプテン・アメリカはその出自に重要性を持つキャラクターだったので、英断だとは思うものの、後半の話も時間かけて作られていればなと思いました。

メディアで見直した時にオーディオコメンタリーを聞いていたら「クリス・エヴァンスの走り方が特殊でスタントの人が真似しづらい」とか「バッキーはウィンターソルジャーになるから大丈夫」などとなかなか面白い話が聞けて、以降メイキング系を聞くためにメディアを入手するようになりました。

アベンジャーズ (2012)

Phase1で見直す作品を1本選ぶなら間違いなくこれ。現状でも非メジャータイトルがそうであるように日本公開は全世界から遅れること3ヶ月の8月公開。しかし、3-4月の深夜には映画のCMが流れるなど、一部では盛り上がりを想定している動きはありました。

全世界での盛り上がりを受けてか8月の本公開日を前に1週間程度先行上映という期間がありました。前売り券が売っているが、劇場に映画を観に行けるという奇妙な状態でした。この期間に2, 3回劇場で本編を見て、メディアを見てデジタルダウンロード版をタブレットに入れて...とにかく何回も繰り返し見ました。

Phase2 (2013〜2015)

苦労の甲斐(?)あって、キャリアチェンジしたのが開始の2013年。いきなり苦労して奥歯がすり減る事になろうとは思いもしなかったのだった。苦難の2014年を通り越して2015年は穏やかに過ごしていました。

Phase2は本編と次の可能性を広げる作品群から構成されています。次の可能性パートは今から考えれば大成功でした、相当なチャレンジだったでしょう。『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』はコミックで2008年にシリーズ変わって2010年まで続いていたのを1号の表紙で知っていた程度。スコット・ラングの『アントマン』は『ヤング・アベンジャーズ』(2005-2014)で娘のキャシー・ラングを知った方が先なくらいでした。

他のPhase2の書簡としては監督の(途中)降板が相次いだ印象が多く、質が高くなっていっている印象はあるものの、どうにも思惑のズレを感じるところがあった。よくできてるが、見ると疲れるので1回見れば十分という印象もこの頃できてきたと思います(特に同時期のDC映画との比較で)。

また、この時期から『エージェント・オブ・シールド』や『エージェント・カーター』などのスピンオフドラマが展開されました。『エージェント・オブ・シールド』の初期のシーズンは映画と連動した展開を行なっており、「共時的に見れていたら面白さがグッと違っただろうな」というエピソードがいくつもあって、放送の時間差に悶々としたものでした。

アイアンマン3 (2013)

監督は1, 2のジョン・ファヴローから変わってシェーン・ブラック。酷い目に遭ってもヒーローである事を辞めず、自分の心赴くところを見直すという話。真面目に見ると結構しんどい話だったりするが、適度にギャグ入れて雰囲気のコントロールするというMCUの雰囲気がよく出てい流と思います。あ、でも一番の関心事はアイアン・パトリオットカラーのウォーマシーンがどう扱われるかでした。大統領が着用しているという小ネタはありましたが、全く普通にローディー着用で拍子抜けした感じはありました。

近所のホームセンターに行って潜入グッズ作ったりするあたりのマインドがトニー・スタークという人なのだろうけど、物語上アイアンマンでい続けるしかないよねというある種のメタ的犠牲を感じた。このやりたいことと役割と諸々重なった結果のこじれた感じが当時の心に響いてました。

マイティ・ソー/ダーク・ワールド (2014)

監督はケネス・プラナーから変わってアラン・テイラー。前作からその萌芽はあったものの、ソーがギャグ担当になったのはこの話からではないでしょうか。各メンツのギャラの高騰も遭ったと思いますが、前作に引き続いてナタリー・ポートマンが出演していたのは嬉しかったです。

ロキが『アベンジャーズ』で確立したキャラを遺憾無く発揮していてズルい感はありましたが、カーチャンの死にみんなショボーンってしてるのが割と辛かったです。この辺の年から映画見るたびに感情の起伏が激しくなって年を感じるようになってきました。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)

監督はジョー・ジョンストンから変わってルッソ兄弟。この頃には邦訳も出ていたのでみんなして「セバスチャン・スタン、一体何ッキー・バーンズ役なんだ」みたいな事を言っていたのを覚えています。生き返って間もないキャンプテン・アメリカはバッキー・バーンズの記憶もまだ新しいのでしょうが、他の人からするとキャプテン・アメリカ以上の過去の人なので、思いつきにくいですよね。

なんと上層部にはロバート・レッドフォード。ゲストキャストの豪華さがこの辺りから格段に上がり、興行収入の他に肯定的に見られる要因が醸成されてきたのだと思います。

話の方もモチーフがやや古い感じはしましたが、スリラーっぽく仕上がっており、キャプテン・アメリカの超人性も発揮されており、後の『エイジ・オブ・ウルトロン』でウルトロン計画に反対するほどの経験としての伏線としていい話だったと思います。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (2014)

邦題は「ザ」を抜いているせいでかえってややこしい。宇宙系の版権が概ねファンタスティック・フォーに付随しているはずなので、主に地球で戦っているアベンジャーズが宇宙に出ていくための配役なんだろうなと、正直全く期待はしていませんでした。はみ出し者があつまって事を成すというジェームズ・ガンの十八番モチーフでよかったです。音楽もベストヒット集でサントラ買ってしまいました。Phase2で繰り返し見るならこれかなと思います。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン (2015)

ジョス・ウェドンMCUに関わった最終作。すごく頑張ったんだろうけど、色々要素多すぎて繋げるので限界だよなという感もある。それでも冒頭の突撃シーンのコミック見開き2ページの実写化と思えるようなカットや、ラストバトルの螺旋状のカメラワークでの防衛戦など、演出の工夫があった。これ以降バトルシーンで特徴的な演出がなくなったような気がする。

アベンジャーズ』のときのような「終結点」というよりは「経由点」といった印象で今よりは次を優先したのかなと思いました。

アントマン (2015)

アントマン 3D [Blu-ray] (2016)

アントマン 3D [Blu-ray] (2016)

エドガー・ライトが降板して監督はペイトン・リード。なんでアントマンなんだろというのはこの時点では全くわかりませんでした。気軽に見れる感じの映画に仕上がっていて、エンドクレジット後も「続きもよろしくね」くらいだったので、全く真意が分からないままサラッと見ていました。

Phase3 (2016〜2019)

仕事でごちゃごちゃあって頑張ってた時期。NHK大河ドラマ真田丸』(2016)が身に沁みてました。


また、この前年ですが、Netflixが日本に上陸し、オリジナルドラマとして『デアデビル

が公開。その後もニューヨークのストリート系のヒーローがドラマになったのですが、2018年に全シリーズが打ち切り決定。残念です。

2018年にディズニーが20世紀FOXを買収してファンタスティック・フォーX-MENも正式にマーベルスタジオで作成できるように。ドラマ『エージェント・オブ・シールド』を含めインヒューマンズに舵を切ってきたMCUがどう対応していくのか楽しみではあります。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)

みんなから「実質『アベンジャーズ』2.5』」と言われた作品。この段階でどれだけPhase3の終わり方が確定していたのか分かりませんが、見ていた当時は「きつめの方向修正だな」と思いました。新スパイダーマンブラックパンサーなど「現体制のその次」がより意識的に展開されていたような印象です。

ドクター・ストレンジ (2017)

この人が出てきて、この後で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のエンドクレジット後にアダム・ウォーロックが出てきたのでサノスとの決着はやはり『インフィニティ・ガントレット』で確定か。という感じでした。ただ当初はそれも分からず、『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』での役割も知らずで、Phase3から他に登場していないキャラクターのオリジンをやるというのはすごい度胸だと思いました。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス (2017)

音楽は相変わらずベストヒット集でズルい。後、こぞってみんな息子は父親を殺しにくるのに、父親は娘に嫌われたくない話がすごい多いなとこのタイミングになって思いました。エンドクレジット後のアダム・ウォーロック、どうなったんでしょう。

スパイダーマン:ホームカミング (2017)

映画『アメイジングスパイダーマン』の興行が期待していたほどではなかったため、MCUと組んだ方が得との判断が降って『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から登場した新ピーター・パーカー。とにかくトム・ホランドが若い。前2シリーズはやっぱりおじさん手前の人という感じが拭えなかったので頑張っても大学生だったと思いますが、トム・ホランドなら高校生も大丈夫でしょう。敵のマイケル・キートン演ずるヴァルチャーもMCUらしくよかったです。

スパイダーマンのコスチュームのイメージもグッとコミックに近いイメージ(実際には結構違うけど)でよかったと思います。

マイティ・ソー バトルロイヤル (2017)

原題も邦題も内容とイマイチ合ってないが、コミックの諸々ネタとジャック・カービー感を盛り込んだ快作。とはいえ、あのエンディング直後に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』見せられると泣いちゃう。

ブラックパンサー (2018)

盛り上がって、ヒーローコミックで初めてアカデミー賞主要部門にノミネートされたのは歴史的な事だと思うのですが、ラストの暗いところで色違いの発行コスチュームバトルしてたのはなんとかならなかったんでしょうか。あれは割と不満でした。

「ワカンダ・フォーエバー」のポーズが『デッドプール2』で「パクリだろ」と言われる程度にはみんなやってましたね。僕もやりました。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (2018)

受け取り方としてあまりよくなかったなと思うのは

  • 最初からのキャストがPhase3で契約終了という情報が入っていた事
  • 映画が前後編に分かれているというという事

ということで一部の展開が容易に想像できてしまい、イマイチのめり込めなかったところ。通しで見ないとどうしてもフラストレーション溜まったまま終わっちゃうのがなぁ、というところ。

アントマン&ワスプ (2018)

アントマン』と同じく時系列が連動していることだけが分かったものの、この時にはまだ何も分かっておらずでした。

サンフランシスコにいた大叔母が亡くなった直後に見るサンフランシスコの風景は「あそこも行ったな」「ここも行ったな」という感じで涙が出ました。

おわりに

なんやかんや『インクレディブル・ハルク』から11年間見続けてきました。スマートフォン電子書籍の普及によってコミックを買う習慣も戻ってきましたし、インターネット動画配信サービスの拡充で、ドラマシリーズも見れるようになってきました。10年前と比べるとスパイダーマン以外のキャラクターの知名度は段違いでしょう。少なくとも親しい友人たちが名前知っている程度にはなりました。

また、コミックの実写に対して冷笑的ではなくなったように思います。DCがイマイチ成功していないことを鑑みると、ハードルになっている可能性は否めませんが。

インターネットのおかげもあってTVドラマをのぞいて一番展開が遅いのが映画という状態でした。全世界の盛り上がりに臍を噬むのは洋画の宿命ではありますが、それでも日本の世界における興行収入は少ない状態で、プレミアは韓国ですもんね。日本の衰退がここにも現れている気がしました。

もう年号が変わる平成の1/3はMCUと過ごしたことになりますが、非常に嬉しい体験だったと思います。