∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

Netflix 『ブラック・ミラー』S2


評価

  • 5/5点 (何度か見直してる)

概要

『ブラック・ミラー』(原題:Black Mirror)は 動画配信サイト Netflix のオリジナル作品。社会風刺SF(イギリス制作だけあってジョークが黒め)。シーズン2は全4話。

  • 1話『ずっと側にいて』:事故で恋人を失った女性が友人に死人と通信できるソフトを勧められて、死人が生きているかのようにの疑似体験がどんどん拡大していく話
  • 2話『シロクマ』:記憶を失って気がついてみると追われる身になり、その周囲には不気味なギャラリーたちが
  • 3話『時のクマ、ヴォルドー』:アニメキャラを選挙に出馬させる話
  • 4話『ホワイト・クリスマス』:周囲に人気のない山小屋でクリスマスを祝う2人の男。身の上話を話していくうちにさらなる事実が

前のシーズンのエントリにも書きましたがいずれも後味よくないエピソードなので、そういうのが受け入れられる気性・体調でない場合は視聴はお勧めしません。

各話感想

1話

アイディア自体はそれこそ古典からありそうだけど、インターネット上(主に個人SNSなど)から収集した故人の情報や携帯電話などに含まれている情報を元にAIを作り出し、初めはテキスト、次は音声、そして肉体という細かいステップが現代風。昔だといきなりアンドロイドとか注文してたと思う。

後、天馬飛男になれなかった鉄腕アトムが捨てられたのと同じ問題で、開示されていない情報は分からない(性生活とか)、成長しない(外見は変わらず、思考も基本的には過去から出ない)などがあり、最終的に家に閉じ込めてるというみもふたもない状態になっていました。

2話

インターネットでの犯罪者に対する私的制裁行為(炎上)を現実に持って行ったらこうなるのだろうなという寓話。役者や見物人を引き入れたアトラクションと化していて、繰り返し上演するために主演の人物が記憶を毎回消されるという悲惨な状態。

襲いかかってくる追っ手は携帯のカメラを構えた見物人がさもいないように振る舞い、何かあるとぐるっと取り囲まれて写真を撮られるというヤバめの光景が見れます。

3話

モーションアクター兼声優がいる3Dアニメーション動物キャラのヴォルドーがネタで選挙に出たら大好評。中の人はプライベートでは政治家と付き合っていたが別れることになってしまったり、CIAがやってきてアニメキャラで各国世論のコントロールをしようと試みていたり。ネタでやっていたが事の重大さに気がついて辞めてみれば他の人がヴォルドーを引き継いで(音声は潤沢にサンプリングがあるのでおそらく合成だろう)素官品になる話。

ヴァーチャルネットなんとかとか、本人以外の何かしらのアバターを背負って政治発言する人、トランプのような振る舞いなど、色々比喩になっていて面白い。キャラクターとかアイコンに対して vote しちゃうのもありそうな話ですし。

4話

オチにたどり着くまで自分のコピーをパーソナルアシスタントとして働かせられるように調教する人とか色々話が出てくる。話のつなぎ方はなかなかで、一度直接見て欲しい。

面白かったのは頭にチップ埋め込まれている系の世界観なので、物理「ブロック」という概念があって、法執行機関によって「ブロック」されると、他人からはブロックされた人だというシルエットだけの表示になって見えるようになり、ブロックされた人は許可のある人間以外シルエットでしか見えないというのがとても怖かった。

これ学校で生徒同士でやられるといじめにつながるだろうなと思いました。「俺あの人にブロックされてるのか……」ってのが本人同士にしか分からない状態になるので。この設定で書かれる物語読んでみたい。

印象に残ったエピソード

3話『時のクマ・ヴォルドー』でしょうか。SNSでの話をリアルに持っていくとあんな感じかと。ヴァーチャルネットなんとか系が政治活動に進出してくるとより近い感じになるでしょうね。中の人問題当然出てくると思いますし。そしてアメリカでは漫画のキャラクターを彷彿させる人物が大統領になったりしてますし。

総評

S2は総合的な出来がよくてとてもおすすめです。全話見ると4時間近くかかりますが、その価値はあると思います。