『Spider-Gwen(スパイダーグエン)』(2015 - ) issue #4 / Most Wanted? Part 4
- 作者: Jason Latour
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2015/05/06
- メディア: Kindle版
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前回までのあらすじ
『Spider-Gwen』(2015 - ) issue #3 からの続きです。前号については以下を参照。
登場人物については
を参照。
あらすじ
白いパーカー(背中にはYSGの文字)を着たスパイダーウーマンのフォロワーの男女。建設中のマンションに「タギング」しにきていた。スプレーを始めようとする黒人男子にスパイダーウーマンがひょっこり現れて声をかける。不意をつかれた男の子は手に持っていたスプレーをスパイダーウーマンに吹きかける。慌てた2人は逃げようとするも足場を崩してしまう。スプレー攻撃にスパイダーセンスが効かなかったことなどに不満を覚えながらもスパイダーセンスは崩れる足場から2人を助けだして近くのビルの屋上にスイングする。
助けられた男(ホビー)はスパイダーウーマンに自分たちを捕まえに来たのかと聞いた。指名手配をされているのになぜかと聞き返すと、キングピンの手下が狙っていた警官を2回も助けたニュースを見たからだと言われる。寝たのかと言われてスパイダーウーマンは声を荒げて「ステイシー警部と寝てないわ!」と怒りを露わにする。女の子(イジー)に止められながら落ち着き、警察と強力はしていないが、危ない真似は止めろと忠告してその場を去る。
グエンに戻り、パーカー家の前、玄関をノックしようとして引き返そうとする。そこにベンがグエンに声をかけた。コソコソしていたグエンに「お父さんを起こしたくなかったのかな?」と言う。ベンはグエンの肩に手をおいて家に入るように促す。少し困った表情を浮かべながらグエンは家に入った。ソファーで寝る父ステイシー。
奥の食卓に座り、ベンはコーヒーを出してくれた。机にはスパイダーウーマンの記事のスクラップ。コップは「WINNIE THE POO(くまのプーさんのH欠け)」に書き足されて「GWENNIE THE POO」になっているグエンのカップ。ベンはメイを呼んでくると言って階段を登っていった。
スクラップブックに手を伸ばすグエン。そこにはスパイダーウーマンとピーターの話が詰まっていた。パニックになりそうになるグエン。
メイがグエンに声をかける。元気の無いグエン。メイはグエンがスクラップブックを見たことに気づく。帰ろうとするグエン。食卓の側にはピーターの写真が。グエンの手をとって引き止めつつ落ち着けようとするメイ。
ピーターがスパイダーウーマンーー個人ではなく、その概念。力、自由、そして幻想。そしてピーターは力を求めて行動を起こしてしまった。メイは胸の内をグエンに明かす。ピーターが死んだときには誰かのせいにしたかったし、スパイダーウーマンもいた。スパイダーウーマンは追われるようになったが、時々間違いなのではないかと思う、とメイが言う。グエンがどういうことかと尋ねる。
ピーターとメイはスパイダーウーマンが現れた日からスクラップを始めた。ピーターが死んでからもなぜかわからないけれどスクラップを続けてきた。もしかしたら、何かが違うと思っていたのかもしれない。スクラップした記事で活躍しているスパイダーウーマンを見るたびにジェイムソンが言っていることが信じられなくなっていく。何が正しいかはわからないけれど、追い続けたいと言うメイ。
思わぬメイの告白を受けたからか、メリージェーンズの前に姿を現すグエン。グローリーにまとまらない心境をぶつけるが、グローリーはグエンにドラムスティックを渡す。
「あんたはここにいる。スゴいドラマーだし、そして何よりはっきりしてるのは『私たち』には今夜あんたが必要なの……『あんた』が私達を必要としている以上にね」
グエンはメリージェンズに再合流し、「Face it Tiger」を熱演するのだった。
NY市警。バルチャー襲撃の夜の報告を聞いておおよそ現実のこととは思えない内容にデヴォルフは報告者に手をあげる。首にギプスを付けて左手をつったキャッスルがデヴォルフを止める。納得出来ないデヴォルフだが、念を押すキャッスルに不満ながら引き下がる。
感想
Most Wanted?編終了。グエンがどのような思いでスパイダーウーマンを続けているにせよ、周りの人にはその想いが分かるはずもないし、バンドメンバー、フォロワー、JJJ、父親、キャッスル、警察、キングピン一党、メイおばさんが今どのように思っているのかという話でした。
外部からの口利きがあったとはいえ、メリージェーンズには復帰できましたし、メイおばさんがスパイダーウーマンが悪人ではないのではないかと思っているところがグエンにとっては救いでしょうね。反面、キングピン一党には完全にマークされてしまいましたし、キャッスル警部にガスの中とはいえ顔を見られてしまいましたし、一概に安堵できる状態ではありませんが。
人々の中から「スパイダーウーマンが悪党なのか?」という意見が垣間見えて、アークのタイトルの「Most Wanted?」の意味がよく分かりました。
今回のメインはピーター亡き後のパーカー家、特にメイおばさんが思いの丈をグエンに伝えるところでしょう。父親のステイシー警部は年頃の娘が危険なことをしていることへの不安をぶつけてくる状態でしたが、正体を知らない家族のような(ピーターがいびられてるの庇ってるコマもありましたし、他人の家に自分のカップがあるのはかなり親しい間柄でしょう)パーカー家は温かく迎えてくれ、実は理解が一番ある。ピーターの死とこれからの自分の行き方についてグエンの心の持ち方が大分変わったのではないでしょうか。メイおばさんは流石スパイダーマンにおけるヒロインなだけあります。
今回は1ページ1コマのアート勝負のページが3ページもありました。1ページ目は建設中のマンションからフォロワーを抱えてスイングするシーン。2ページ目はパーカー家でメイおばさんのスクラップブックを開いて内容がグエンの目に飛び込んでくるシーン。3ページ目はライブハウスで「Face it Tiger」を演奏しているシーン。一番好きなのは2ページ目のスクラップブックのシーン。アートと表現的にマッチしているのがよいですね。色使いとか表情などアート面では情緒的な部分が好みです。
最初のアーク終わって読み続けたいなと思いました。
Next Issue (次回)
新アーク黒猫の復讐開始。
次回『Spider-Gwen』(2015) issue #5 / La vengence du cat noir!
- 作者: Jason Latour
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2015/06/10
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少女に安息は訪れるのか……。