∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

2015年に劇場で見た映画

2015年は年間11本。月平均1本程度。1-3月全く見てないとは思ってもみなかった。

なお、公開日等は2015年の日本公開映画 - Wikipediaを参照しているのでリストに漏れているものがあるかもしれない。

気に入った度合いを5段階で書くが、完全に個人的な好みの尺度。映画の出来の評価でも、他の人に勧められるかの度合いとも違う。

4月

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/ お気に入り度:★★★☆☆

マイケル・キートン(ティム・バートン版『バットマン』のブルース・ウェイン)、エマ・ストーン(『アメイジングスパイダーマン』のグエン・ステイシー)、エドワード・ノートン(『インクレディブル・ハルク」のブルース・バナー)が主演格と聞いて見に行ったら意外によかった。

彼らの出演作を知っていると、それにまつわるジョークもあってなお楽しめる。マイケル・キートンは劇中映画の『バードマン』(姿形はバットマンだけど、話や能力はスーパーマンに近そう)以降目立ったヒットがない過去の人とストレートな感じ。エドワード・ノートンも脚本に口出しすぎてるのを地でいっていたし。

その後の受賞ラッシュは俳優たちの演技やカメラワークの他に、痛いところを付いてくるジョークに笑って答えられないようなら器量が知れるといった政治的なものもあるような気がしたけど、それはそれ。

5月

チャッピー / お気に入り度:★★☆☆☆

第9地区』のニール・ブロムカンプの新作。『エリジウム』はアメリカだった気がするけど、舞台はまたもや南アフリカ共和国ヨハネスブルグ。かつてオーストラリアから生まれたはずの仮想のディストピア的な世紀末はヨハネスブルグが引き継ぐのか。

この監督の作品は泥臭いSFというか、スタイリッシュなかっこよさがない地続き感の強いところがある。チャッピーの学習能力の異常な高さは作り話にせよ、人間がAIをどう学習させるかという部分や、AIに機械の体に人間をアップロードさせる作業をさせ始めるところなどはそれらしさを感じた。

『WIRED』のAI特集でも『チャッピー』の話が挙がっていたけれど、目的特化型の人工知能(そしてそれは「知能」かというと微妙なのだが、広報的にウケがよいので使われている感はある)として生を受け、人間に学習させられたものが、人間を越え、はたまた人間を作り出す。というのはAIに関する「一旦の」テーゼなのかなと思う次第。

6月

攻殻機動隊 新劇場版 / お気に入り度:★★☆☆☆

原作単行本にもある花見のシーンにて完結。エピソード0的な刑事ドラマやアクションとしては充分だったと思うけれど、神山健治が作っていたシリーズの少し先の未来を描くSF性はシリーズの特性上なくて、その点は残念。

自分とパンフレットに書かれていた劇場評価が別れたのはborder:3からでそれなりに冷めて見ていた。後、事前に気がついてよかったけれど、テレビ放送のみのエピソード60分見てないと劇場版の経緯が多少飛んでしまうのは不親切だなと思いました。

攻殻機動隊ブランドでやる必要はもはやないのかもしれないけれど、未来予見的な要素があるSFアニメ見たいものです。

マッドマックス 怒りのデス・ロード / お気に入り度:★★★☆☆

ジョージ・ミラーによる元祖世紀末の再降臨。高校時代の先生に(お金をかけた)映画の世界観デザインの相当な考察の話を聞いたのを思い出すくらい端々から背後のものを考えさせられる設定や画と、視覚を引き付けるカーチェイス。ある種のファンが出るのは分かる出来だった(例:TV番組出演中に口周りに銀スプレー吹いてV8を讃えた山形浩生とか)。

7月

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン / お気に入り度:★★★★☆

ジョス・ウィードンと愉快な仲間たち2作目。魅せるところがちゃんとかっこいいという点での完成度はスーパーヒーロー映画の一つの到達点だと思う。事前情報で不安だった「人数増えすぎじゃないか?」「バートン家でキャンプとか意味あるのか?」あたりもうまく処理されていてそこは安心。色々あるけれど、私がマーベルゾンビでこの映画がマーベルファン向けのファンムービーだということで他より甘く見てしまう。

「よかれと思って作った人工知能が人類に失望してしまい反旗を翻すが、最終的には人類が勝利をおさめる」「力が更なる力を生み出して自分で制御不能になる」といったプロットは既に手垢がつきすぎていて21世紀にそれを正面からやるのもどうなんだという話もあるし、事実そうだと思う。

8月

BORUTO -NARUTO THE MOVIE- / お気に入り度:★★☆☆☆

最後だし見に行くかと思って見に行ったら結局月刊連載されることになって今となってはズッコけた感じ。続きやるならアニメオリジナル展開短くして早く最終決戦に望んで欲しいところではあるが、リソースを考えるとそうもいかないのだろう。

内容はというと、劇中世界の世界観や倫理観に頭を悩ませる結果になった。戦時であれば許容できなくもない事象も平時だと無理だというのがよく分かる。後、バトル少年漫画的に面白くしづらいので描かれなかった平時の治世の風景が現代日本的かつ、プロットが90年代末くらいまでよく使われていたネタだったので難しいものだなと思った。

連載続くようだが『ドラゴンボールZ』でいつまでも悟空とベジータが主力の体制からの移行もできないのと同じ現象に陥りそう。代替わりの問題に関しては物語当代の主人公が上り詰めるところまで上り詰めて終わるので、次代の話の幅が狭くなる。その点に関してはこの作品に限らずどうもなぁ、というところ。

9月

アントマン / お気に入り度:★★★☆☆

出だしからメキシカンな感じで陽気なムードが漂う。根本に悲壮感があるマーベルシネマティックユニバース フェーズ1(フザケてるトニー・スタークだって、根本的には戦争兵器被害者で心臓に問題があったし、PTSDになっていたりする)出身者とは異なり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と同じく、フェーズ2出身者は後の時代というか、大きすぎるものを抱えていない印象がある(原作でもフェーズ1の主人公たちが古くは40年代、新しくても60年代前半の登場で、第2次世界大戦ベトナム戦争といった戦争の時期に登場している)。

実は初代アントマンはフェーズ1の主人公と同世代だが、映画には二代目が採用されている。初代はなんだかんだでよくないイメージも多くあるので(DV亭主だったとか。平行世界のアベンジャーズの話である『アルティメッツ』ではその点が強調されている)比較的マシな二代目の選定というところだろう。とはいえ、二代目も他のヒーローと比べると素行がよい方ではないのだが。

惜しむべきはアントマンが初代(ハンク・ピム)と二代目(スコット・ラング)に分かれていたので、諸々が1作目の映画だけで収束するには難しいのかなと思えたこと。この映画公開前に『ザ・フラッシュ』の日本語版がWeb配信されていて、それと構成を見比べると大変さが伺える。監督が交代してこの程度だったことをむしろ褒めるべきなのだろうか。

10月

ファンタスティック・フォー / お気に入り度:★☆☆☆☆

「あ、ここから先多分監督変わったか、変わった後に編集しなおしたんじゃないかな」と思うくらい途中からトーンが変わった映画。しかも悪い方に。特殊能力を手に入れるまでのパートは丁寧な感じだが、反面尺を取り過ぎており、後半の戦闘シーンが巻き&雑な印象を受けた。ディレクターズ・カット版で総時間が1.5倍になれば別かもしれないがかなり問題がある感じだった。

20世紀フォックスも映画を作らないと権利を手放さないといけない都合があるとはいえ、ちょっとなぁ、というところ。しかも、マーベルに版権が戻ったデアデビル(こっちはディレクターズ・カット版はよかった)は、NetflixでTVドラマが作成されて評価も高い。また、20世紀フォックスが映画化権利持っているせいか、コミックの方でもファンタスティック・フォー不遇な展開になっていますし、不幸が重なったという印象。

11月 ※ここから作品のメディアが販売されていないので、関連作品

ガールズ&パンツァー 劇場版 / お気に入り度:★★★☆☆

堅い出来で概ね満足。だが、アンコール的な立ち位置なのでTVシリーズの仕切り直し延長戦の話の流れをはじめとして相当強引な箇所が多かった。その点はファンムービーだし仕方ない感じではある。

12月

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE / お気に入り度:★★★☆☆

スヌーピーのメリークリスマス 特別版 [DVD]

スヌーピーのメリークリスマス 特別版 [DVD]

不思議な質感の3Dアニメだった。原作は谷川俊太郎訳で何冊か読んだ程度だけど、それでもよくあるシーンは大体劇中に出てきていた。次点で本編から漏れたものもエンディングに出てきたりしている。赤毛の女の子が直接描写されている表現の仕方だけちょっと気にかかったか。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 / お気に入り度:★★★☆☆

アート・オブ・スター・ウォーズ/フォースの覚醒

アート・オブ・スター・ウォーズ/フォースの覚醒

旧3部作の正統な続編といったところで、大きな逸脱もなかった感じ。旧3部作にあるような批判は本作にもそれなりに当てはまってしまう感はある。

ただ、神話というよりは民話というか卑近なものになった印象はある。それはフィンのおかげな気がする。後は新3部作での異常な人間離れをしたジェダイとシスが衰退して人間的な性能しかなくなったのが影響かなぁ。正直ラストシーンに登場したマーク・ハミルもくたびれた感じだったし。