ワットイフ・アベンジャーズ vs. X-MEN (原題:What if? Avengers vs. X-MEN)
『アベンジャーズ vs. X-MEN』
AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND1 (MARVEL)
- 作者: ブライアン・マイケル・ベンディス,ジェイソン・アーロン,エド・ブルベイカー,ジョナサン・ヒックマン,マット・フラクション,ジェフ・ローブ,エド・マクギネス,フランク・チョウ,ジョン・ロミータJr,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2015/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND2 (MARVEL)
- 作者: ブライアン・マイケル・ベンディスジェイソン・アーロンエド・ブルベイカージョナサン・ヒックマンマット・フラクション,オリビア・コワペルアダム・キューバート,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2015/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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の邦訳が完結しました。
厳密にはこの後完結編というか、次の話に向けた『Avengers vs. X-MEN Consequence』
Avengers vs. X-Men: Consequences
- 作者: Kieron Gillen,Tom Raney,Mark Brooks,Steve Kurth,Dale Eaglesham
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2013/02/12
- メディア: ペーパーバック
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があります。この話でミュータントに恨みを持つ人達が、サイクロプスを囚人のリンチで始末しようとルビー・クォーツの牢獄に投獄された一般棟に移します。が、対人格闘の達人サイクロプスはそれを撃破。マグニートやマジックの手引で脱走と相成ります。
フェニックスに憑依されたメンバーではコロッサスが罪を償うために出頭し、X-MENのメインラインから外れることになります。
そして、一時的にですが、フェニックス・フォースを身につけたメンバーを中心にウェポンXの研究所跡に新生エグゼビア学院を設立します。これがMarvel NOWのUncanny X-MEN(vol.3)
Uncanny X-Men Volume 1: Revolution (Marvel Now)
- 作者: Brian Michael Bendis,Chris Bachalo,Frazier Irving
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2014/03/25
- メディア: ペーパーバック
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の始まりになります。
アベンジャーズ側の戦後処理はどうなったかというと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』組と宇宙に旅立ったアイアンマンが外れ、拘置された兄・スコットと面会したハボックがキャプテン・アメリカに勧誘されて新チームのリーダーに。人類とミュータントの調和を目指す『Uncanny Avengers』
Uncanny Avengers - Volume 1: The Red Shadow (Marvel Now)
- 作者: Rick Remender,John Cassaday
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2013/05/07
- メディア: ハードカバー
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が発足。元々ニューアベンジャーズにいたウルヴァリンの他、ローグやサンファイア、キャノンボールなどが参加。初回にプロフェッサーXの遺体がレッドスカルに盗まれ、クロスオーバーイベント『AXIS』
- 作者: Marvel Comics
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2015/06/02
- メディア: ペーパーバック
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へと続きます。
前置きが長くなりましたが、本エントリはマーベルコミックスの「もし○○だったら〜(What if?)」シリーズの『アベンジャーズ vs. X-MEN』版である『What if? Avengers vs. X-MEN』
Was waere wenn... Avengers vs. X-Men
- 作者: Jimmy Palmiotti,Rob Williams,Jorge Molina,Ed Brubaker
- 出版社/メーカー: Panini Verlags Gmbh
- 発売日: 2014/01/20
- メディア: Perfect
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の話です。発売当時(2013年7月)に感想を書いていたのですが、メモ書き程度だったので、これを機会に読み直しました。『What if?』は全4号(以降、What if?)。『アベンジャーズ vs. X-MEN』は全12号(以降、本編)です。
issue #1
表紙がアベンジャーズとX-MENのにらみ合いになっている点は変わりませんが、両軍を挟んでマグニートとホープが中央に仁王立ちしています。この後もWhat if?ではマグニートとホープが最重要人物として扱われます。
まず、開幕。本編ではフェニックスが星を滅ぼしていくのを見たノヴァが地球に連絡するために帰還したところから始まりますが、What if?ではフェニックスに宇宙船を破壊されたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーからのSOSで始まります。そこからホープの確保と宇宙でのフェニックス停止の二面作戦に乗り出すのは同じ。ただ、宇宙に出るメンバーが異なります。What if?で序盤と終盤の見せ場がなくなるノヴァとブラックパンサーが宇宙組。
ユートピアでホープを鍛えているのはサイクロプスではなくマグニート。本編では「それではまるで私だ」とサイクロプスの行動を一歩引いて見ている立場でしたが、全編通して2人の役割が入れ替わります。サイクロプスは戦闘スーツも着ずにコーヒーを啜ってます。アベンジャーズ到来で出迎えるのもマグニート。しかもヘリキャリアに自ら乗り込む好戦ぶり。口論の末、ネイモアを刺そうとしたウルヴァリンがストームを殺してしまい、マグニートがヘリキャリアを爆破。
ストームはホープに「あなたが正しいと思うことをしなさい」と言い残して息を引き取ります。一方、ユートピアからヘリキャリアの爆発を見たコロッサス、エマ、サイクロプスは驚きの顔。アベンジャーズvs.X-MENの開戦になります。
尺が1/3になる以外の処置で大きいのはサイクロプスとマグニートの立場の入れ替えですね。本編でのサイクロプスの行動はマグニートのそれだったのでこういった配役転換もあるのでしょう。
issue #2
墜落するヘリキャリア。海に落ちるアベンジャーズ。アベンジャーズの救出に全力を尽くすX-Menだが、コリソン、ファルコン(他多数)が死亡。ストームを殺して悲しみに浸るウルヴァリンをネイモアが海の底に沈める。責任の所在をめぐってサイクロプスとアイアンマンが口論に。それを相棒のファルコンが死んだばかりのキャプテン・アメリカが仲裁。ケンカに気を取られているうちにエマ、マグニート、ホープがユートピアから姿を消していた。
フェニックスを止めるために宇宙に出ていたメンバーはソーがやられ、他は一時的に洗脳されて地球圏へ素通りさせてしまうことに。フェニックスは月に向かう。月面でマグニート、ホープ、エマが待機。そして到来したフェニックスとホープが融合して終わり。
本編ではホープが月でフェニックスと会合するのが4号ラスト(実質5号始め)なので尺がない分展開が早い状態。アベンジャーズは宇宙組以外月付近にいないので戦闘もなくあっさりホープとフェニックスが融合してしまいました。
issue #3
月面でフェニックスと融合したホープ。マグニートはフェニックスを人類を滅ぼすための尖兵として利用しようと入れ知恵をする。先だってフェニックスと衝突したノヴァ、Ms.マーベル、ヴィジョンが一緒に来るように促すが、ホープはそれを拒否。3人を地球に追い返し、地球から人類を消滅させる計画のメッセンジャーとする。
この様子をホープ、マグニートと同行してたエマがテレパシーでミュータントに伝える。プロフェッサーXがX-Menとアベンジャーズの間に立ち、フェニックスに人類を滅ぼさせないように動こうとする。前号でネイモアにのされて海に沈んでいた(骨格が全身アダマンチウムだから重い?)ウルヴァリンをアイアンマンが回収。ウルヴァリンを通じてアヴェンジャーズにもフェニックスが人類を滅亡させようとしていることが伝わる。
アイアンマンは月近くにいるブラックパンサーに月面のフェニックスへの攻撃指示を出す。ミサイルを放つが、逆に押し返されてしまう。宇宙船を無力化され、空気を奪われて死ぬブラック・パンサー。地球への進行を止めようとしたエマもダイヤモンドフォームのまま砕かれて死亡。衛生の破片や人工衛星落としを始める。そしてフェニックスがマグニートと共に地球へ降臨する。
一方、プロフェッサーXとウルヴァリンは密かにどこかへ移動。「どんなときにでも道はある」と言う二人でしたっけ。なんか次号表紙に1号で死んだはずのストームの姿があり、結構適当ですね。
issue #4
前号でマグニートが人工衛星やデブリを潰して作った塊が火の玉となって世界中に降り注ぐ。そして降臨するフェニックスとマグニート。迎え撃つはキャプテン・アメリカ率いるアベンジャーズとサイクロプス率いるX-MEN。同じセリフの下に左半分がキャプテン・アメリカ、右半分がサイクロプスの顔のコマがあり、共闘をすることになります。
最初の戦死者はノヴァ。マグニートにヘルメットを潰されて即死。次の戦死者はレッドハルクとサイロック。フェニックスの炎で焼きつくされます。サイロックのサイキックナイフで刺されて我を取り戻すホープ。しかし、フェニックスフォースをコントロールできずに頼ったのはマグニート。マグニートがフェニックスの力を吸収してしまいます。攻撃に出たキャプテン・アメリカとアイアンマンは深手を負います。
本編のフェニックス・フェイブに似たコスチュームに変化するマグニート。このまま地球を破壊しようとしますが、プロフェッサーXの精神攻撃で歩みを止めます。ここで出てきたのがハルク。レッドハルクは最初からいましたが、グリーンハルクが出てきました。本編では失敗したダークフェニックス(サイクロプス)へ向けてのファストボールスペシャルでウルヴァリンが突撃。フェニックスと化したマグニートの頭を貫きます。マグニートは崩れ落ち、フェニックスはマグニートの体から離れます。
光りに包まれたウルヴァリンが見たのは……ジーン・グレイの姿。色々語られますが、最後は人がいない緑の世界(多分滅びて再生した後の地球)で2人でやり直しましょう的な話に落ち着き、空にはアベンジャーズとX-MENの姿が。そして「THE BEGINNING...」の文字で終わり。
何なんだこのオチ!
4号までサイクロプスとマグニートの立場が入れ替わって短縮展開なのはいいのですが、最後のオチは特にそれまでの展開どちらでもいい気がしました。これ、リアルタイムで読んでいたのでまだよかったのですが、後でTPBで読む話ではないですね……。