Marvel X(マーヴルクロス) 10号 - 「今(97年)、アメリカンコミックスが面白い」
(書影がAmazonにないので省略)
収録は
- Amazing Spider-Man #300(一部#298, #299) ('88/05)
- Amazing Fantasy #15 ('62/08)
- Uncanny X-MEN #129, #130 ('79/01)
の4作。巻頭はASM #300に至るまでのスパイダーマンのキャラクターとあらすじ解説。これいいですね。90年台はスパイダーマン誌が乱立していたのでその辺含めて#700くらいまで解説作られないものか。雑誌乱立時代はデジタルになってないものも多いので追いづらいんですよね。
Amazing Spider-Man #300はスパイダーマン25周年と記念ナンバリングの号。ペンシラーはトッド・マクファーレン。表紙にもなっているスパイダーマンの絵はダイナミックで素敵なんですが、彼の書く人間の顔あんまり好きになれないんですよね。話のほうは映画『スパイダーマン3』にも通じるような内容でヴィランはエディ・ブロック&ヴェノム。MJがヴェノム恐怖症になっているので『Secret Wars』で宇宙から拾ってきたシンビオートコスチュームを模したブラックコスチュームを燃やして締め。
『ベスト・オブ・スパイダーマン』にもマクファーレンのヴェノム戦が載ってますし、彼が果たした役割は大きいのでしょうが、如何せんデジタルになってないのが難点ですね……。
Amazing Fantasy #15はスパイダーマンのオリジン。映画『スパイダーマン』を見てればあれとほとんど同じ話です。これも『ベスト・オブ・スパイダーマン』に収録されてますね。ジョー・マデュレイラのアートが掲載されていて体のバランスがちゃんとしてるラモスの絵っぽいなと思いました。このバランス好きですね。
インターミッション的に東京スカパラダイスオーケストラの大森はじめのスパイダーマン話。スパイダーマンと芸能の人で日本人というと中村獅童が浮かぶようになってますが、「そうだったんだ」という感じでした。
そして Uncanny X-MEN #129, 130 は「ダーク・フェニックス・サーガ」。この辺Marvel Unlimitedを契約していた頃に読みました。転換期のストーリーアークらしく、最初は以前のメンバーからの別れから。ハボック、ポラリス、バンシー、マルチプルマンがX-MENを去ります。残ったメンバーはサイクロプス、フェニックス、そしてサンファイアを除いたGIANT SIZE X-MENから参加したメンバー。
ウルヴァリンがトレーニングを放棄したり、サイクロプスとプロフェッサーXの意見衝突が表面化したり、セレブロの通信がヴィランのヘルファイアクラブに筒抜けだったりと色々危うい状態。2つのミュータント反応を追ってX-MENはふた手に別れて若手の回収にあたります。
129側で回収されるのはシャドウキャット。今では生徒たちからプロフェッサーKと呼ばれ、銀河を股にかける彼女ですが、この時が初登場。能力が発現したばかりで、当時まだヴィランだったエマとプロフェッサーXの訪問を受けます。ウルヴァリンがエロ本を立ち読みしていると店主に怒られるなどというシーンも。その後、襲撃を受けてヘルファイアクラブに捕囚。
130側で回収されるのはダズラー。今はSHIELDのエージェント・アリソンだと思ったらミスティークの偽装に使われていて、薬漬けにされていたところまでは知ってます。こちらはヘルファイアクラブの襲撃を辛くもかわしますが、ジーンがマスターマインドに次第に精神支配されはじめ、ヘルファイアクラブのブラッククイーンになる姿を見せられます。
アートはジョーン・バーン。女性は鼻筋がはっきり書かれていない絵で顔の中央辺りが間延びしてるコマがちらほらあります。顔が縦長だと日本の漫画のように鼻の頭あたりだけを描いても辛いのがよく分かります。
巻末解説の方で珍しかったのはケビン・ラウの話。キツい漫画調の絵でこの後どうなったのかと思って調べてみたらX-Force以外にIron Fist、DCでRobin、その後、Vampiを2002年まで担当していたことまでは分かりました。その後どうなったかまでは追ってませんが、漫画調の作品は他にもありますしねぇ。