∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

Uncanny X-MEN #64 (サンファイア初登場回)

Uncanny X-Men (1963-2011) #64

Uncanny X-Men (1963-2011) #64


先週の『ディスクウォーズ・アベンジャーズ』でサンファイアが出てきたもので(しかもCVは杉田智和)、初登場回をMarvel Unlimitedで読んでみました。


サンファイアの初登場は『Uncanny X-MEN』#64(1970)。ライターはロイ・トーマス。ペンシラーはドン・ヘック。登場から既に45年近く経過したキャラなんですね。『ディスクウォーズ・アベンジャーズ』では『エイジ・オブ・アポカリプス』のスタイルでしたが、日章旗と炎をモチーフにしたコスチューム。もっとも、『Uncanny Avengers』(2013)でアポカリプス・ツインズとの戦いでハボックとともにセレスティアルズのパワーを吸収して現在はアニメと同じ姿になったようですが。


あらすじの方はというと、米国民からも評価が高い外交官ヨシダ・サブロウをサンファイアが狙い、X-MENがそれを阻止する話。このときのX-MENのメンバーはファーストファイブのみ。コスチュームは2〜3代目くらいのはず。今回はX-MENはおまけでサンファイアのワンショットといったところ。なお、戦後日本人の海外への渡航制限が一般に解除されたのが1965年あたりのはずで、本誌が発売された1970年にはアメリカでもチラホラ日本人の姿が見られるようになった頃かもしれません。

ビースト、エンジェル、アイスマンの活躍により撤退するサンファイア。ただし、ビーストはダウン。サンファイアの攻撃を受けた顔がピンク色に腫れていた。アジトに戻ったサンファイアはコスチュームを脱ぎ、叔父のトモにシロウと呼ばれる。サンファイアはヨシダ・サブロウの息子、ヨシダ・シロウだったのだ。シロウは戦時中に新型爆弾が投下されたヒロシマで地獄を見、偶然手に入れたスーパーパワーでアメリカに復讐を誓った。回想シーンで背景がほぼないのですが、トモとシロウが日本にいた頃の服装のコマがいくつか出ています。トモもシロウもモンゴルあたりの格好をしていてドコの国なのかというところだが、セリフにはしっかりと"Atomic Blast"と"Hiroshima"の文字が。

ホワイトハウス破壊を企て、ワシントンD.C.に赴くシロウとトモ。そこにいたのはサブロウだった。サンファイアになって破壊行為をしようとするシロウ。ホワイトハウスを守るX-MENとサンファイアとの戦い。ビーストを除いた4人対1人ですが、エンジェルは羽を焼かれ、アイスマンがそれを消火しているとアイスシールドでかばいきれない程の熱量で攻撃され、エンジェルとアイスマンはダウン。ジーンのテレキネシスサイクロプスを持ち上げ、空を飛ぶサンファイアにオプティック・ブラストを当てようとするも、サンファイアのブラストのほうが強力。ジーンが精神介入するくらいしかマトモにサンファイアにダメージを与えられない。

そうこうしているうちに、トモが捉えていたはずのサブロウが逃げ出してバルコニーにあらわれ、シロウに訴えかける。サブロウはシロウにトモが狂信的な思想(戦後も戦時体制下の思想のままだった……と書けばよいでしょうか)の持ち主で、トモやシロウが言う「祖国のため」が戦後に築き上げてきた平和を乱すことだと言う。サブロウの説得に戸惑うシロウ。事を運ばないシロウに業を煮やしたトモはサブロウを撃ち、シロウはトモをサンファイアのパワーで攻撃するのだった。

撃たれたサブロウはシロウに「過去に囚われず、未来を向いて生きるのだ」と言い残して息を引き取った。木陰からサブロウとシロウの姿を見てその場を去るX-MEN。その場には自分の行いを悔いる青年の姿があった。


今回X-MENはいいところなしです。背景に第二次大戦中の日本の話があるので語弊がないように書くのは難しいところですが、よくネタに引っ張ってきたものだと思いました。『ウルヴァリン:SAMURAI

でもウルヴァリンとヤシダ・シンゲンの出会いがナガサキだということになっていましたが、その辺りは多少感覚の違いを感じます。

この後サンファイアは有名な2期メンバー(ウルヴァリン、ストーム、コロッサス、ナイトクローラーなど)が登場する『Giant Size X-MEN』(1975)でエグゼビア教授に勧誘され、X-MEN入りする形で再登場します。この辺りからX-MENが万国人間びっくりショー的な毛色を帯びてきている気がします。

その後、ヴィラン側だった時期もそれなりにありますが、冒頭に少し触れた『Uncanny Avengers』(2013)でウルヴァリンの勧誘でアベンジャーズ入りし活躍中となります。『ディスクウォーズ・アベンジャーズ』では一人称が「拙者」でレッド・スカルとクロスボーンズにやられていましたが、そこは話の展開の都合ですかね。