邦訳アメコミアドベントカレンダー 2012年 23日目 - 『ベスト・オブ・スパイダーマン』
- 作者: スタン・リー,スティーブ・ディッコ,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2012/10/31
- メディア: 単行本
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準「ベスト・オブ・ピーター・パーカーが辛い話」の本作(グエンやメイおばさんが死んだ話が入っていないのでまだ辛くなる話はある)。『アメイジング・スパイダーマン』は編集者がいかにピーター・パーカーを苦しめるかという話になっている気がするけれど、そういう理不尽さが「普通」の人生に蔓延していることの例えでもあるのだろう。
本誌には含まれていないが、『アメイジング・スパイダーマン』は1号からピーターが己の無力さに涙する話である。ベンという大黒柱を失ったパーカー家。大学進学を諦めて働くことで家計を支えようとするピーター(これはメイおばさんに反対されるけど)。
スパイダーマンとしてお金を稼ごうとすれば、支払いの小切手が本人証明がないからと換金できず。ファンタスティック・フォーはメンバーは募集していないし給料は出ない(この話から数百号後にスパイダーマンがファンタスティック・フォーに正式に参加したスーツの提供とご飯が出るだけで給料は出なかった。アベンジャーズも給料制を辞めた後に参加)。
ピーター・パーカーとして働こうとしようにも子供は雇わないと言われ、追い出されてしまう。そんなピーターはメイおばさんが大切な宝石を質に入れているのを目撃してしまい、壁を叩くのだった。
そんなうまくいかないヒーロー、スパイダーマンを各時代(といっても流石に最近のものは収録されていないけれど)のベストな部分の選り抜き。スティーブ・ディッコ、ジョン・ロミータSr.、トッド・マクファーレンなど各時代の代表的な絵柄を楽しむこともできる。でもやっぱり個人的には90年代はなにかと過剰だと思った。