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邦訳アメコミアドベントカレンダー2012 5日目 『バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』

バットマン:ラーズ・アル・グールの復活

バットマン:ラーズ・アル・グールの復活

  • 作者: グラント・モリソン,ポール・ディニ,ピーター・ミリガン,ファビアン・ニシーザ,キース・シャンパン,トニー・S・ダニエル,ドン・クレイマー,フレディ・E・ウィリアムズII,ジェイソン・ピアソン,ライアン・ベンジャミン,デイビッド・バルデオン,デイビッド・ロペス,高木亮
  • 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
  • 発売日: 2012/03/27
  • メディア: 単行本
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バットマン:ビギンズ』で渡辺謙が演じたラーズ・アル・グール。彼はラザラス・ピッドという泉に浸かることで肉体を交換し、命を長らえていた。そして今、世の肉体の寿命が尽きようとしていた。

ラーズが新しい肉体として目をつけたのはバットマンの息子にして自身の孫ダミアン。ラーズ、ホワイト・ゴースト率いるリーグ・オブ・アサシンズからダミアンを守るために奮闘する両親(バットマン、タリア)と義理の兄たち(ナイトウィング、レッドロビン)。ラーズと対立するラーズの父、センセイ。肉親の争いが発生しています。


バットマンとナイトウィングの間、ナイトウィングとロビンの間には双方向の強い絆があるのが読み取れるのですが、その他はどちらかの一方的な想いに見えます。バットマンとダミアンはダミアンが父親を求めていますが、まだバットマンの二人の養子ほどの信頼を勝ち得ていません(これはリランチ後の『バットマン&ロビン』まで続きます)。バットマンとラーズがセンセイのところに乗り込んだときにタリアと口論になり


「私はナイトウィングとロビンにできることを要求しているだけだ。私の息子ならできて当然だ」


と言ってしまうあたりまだまだ先は長いようです。この不器用な親子の和解は『ファイナル・クライシス』『フラッシュポイント』を通してリランチ後の『バットマン&ロビン』まで続きます。

原書の発刊順だと

  1. バットマン・アンド・サン』
  2. バットマン:ブラックグローブ』
  3. バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』

の順ですが、小プロの邦訳順は

  1. バットマン・アンド・サン』
  2. バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』
  3. バットマン:ブラックグローブ』

になっています。『バットマン・アンド・サン』の項目にも書きましたが、モリソンのバットマンのテーマは家族だと思っているので、バットマンファミリーにあまり馴染みのない日本では家族の話をまず持ってくるチョイスは良いと思いました(『バットマン:ブラックグローブ』も広義の家族の話ではありますが、ダミアンがそれほど関与していないので)。