スパイダーマン:ワン・モア・デイ
スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)
- 作者: J・マイケル・ストラジンスキー,ジョー・カザーダ,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2012/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『シビル・ウォー』
- 作者: マーク・ミラー,スティーブ・マクニーブン,石川裕人,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/09/28
- メディア: 単行本
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で超人登録法賛成派としてテレビカメラの前で自分がピーター・パーカーだと正体を明かしたスパイダーマン。『シビル・ウォー』本編だけを読んでいると
- 反対:正体を明かすと「家に帰ったら奥さんがタコ(Dr.オクトパスのこと)に刺されてるなんてことがありそうで嫌だ」
- 賛成:アイアンマン主催の記者会見でマスクを外す
- 反対:ソーのクローン、ラグナロクによるゴライアス殺害、反対派のネガティブゾーン投獄以降不審感を抱く。その後決別。元ヴィランのサンダーボルツに負われ瀕死の重傷に。パニッシャーに助けられ反対派に参加
という流れでになります。描かれていない間にピーターとメイおばさん、MJの間で話し合いがあったことは想像に難くありません。実際その話は『アメイジング・スパイダーマン』誌のほうでありました。アメコミの雑誌またがる横展開を知らないとなんのこっちゃですね。
スパイダーマンの正体を知ったヴィランが黙っているはずもなく、投獄中のマフィアのボス、キングピンがピーターのもとにスナイパーを差し向ける。そして、『ワン・モア・デイ』の中でも描かれるようにメイおばさんが撃たれてしまいます。その後『アメイジング・スパイダーマン:ブラック・イン・ブラック』というストーリーラインでメイおばさんを狙撃した黒幕を探す話を経て本作『ワン・モア・デイ』へ。
世界中に正体がバレた上に政府直轄組織としてヒーローを束ねる登録法賛成派から追われる身。メイおばさんを病院に連れ込むにも偽名。保険も使えず、前金がなければ病室を追い出されてしまう。社会的に追いつめられた状態。
ヒーローが社会的に追いつめられてそこから立ち直っていく話としては『デアデビル:ボーン・アゲイン』
- 作者: フランク・ミラー,デビッド・マツケリー,秋友克也
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/02/28
- メディア: 単行本
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がありました。こちらは正体を知ったキングピンがしばらく動けない状態になって幕でしたが、スパイダーマンの場合は一般市民も正体を知っており、どうしようもない状況。金も科学もピーターとメイおばさんを救うことはできません。そこでスパイダーマンは地上最高の魔術師、Dr.ストレンジを頼ります。金でも科学でも叶わないのであれば魔法。しかし、魔法はあらゆる可能性を尽くしてもピーターがメイおばさんを救えないことを明らかにするだけだった。
打ちひしがれるピーター。そこに手を差し伸べたのはメフィストフェレスだった。悪魔はある代償で世界を改変することを提案する。メイおばさんの命が刻一刻と尽きようとしているときにピーターとMJが下した決断は……。
日本でもリアルタイムでメインライターのトランジンスキーの降板と「スパイダーマンが悪魔と取引した」あたりはネットで多少話題になった記憶があります。悪魔と取引したという方法の賛否はあるにせよ
- スパイダーマンの正体が公開されてない状態に戻す
- ピーターとMJの結婚をなかったことにする
- ハリー・オズボーンを復活させる
- 新しい展開のためのキャラクターを登場させる
という目的のために行われたことでしょう。現在進行中の『アベンジャーズvs.X-MEN』も各所で既に報道されているマーベル・ナウ
を行うためのストリーラインだったことが後になって分かりましたが、この『ワン・モア・デイ』もこの後の『ブラン・ニュー・デイ』(『ワン・モア・デイ』の最後のセリフも「ブラン・ニュー・デイ」ですが)以降のストーリーラインのため仕込みのための話でした。『ブラン・ニュー・デイ』以降の話も邦訳されるようなので『シヴィル・ウォー』からのつながりを考慮して邦訳が出たのでしょうね。
『ワン・モア・デイ』で変わってしまった世界の話は『アメイジング・スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム(#638〜641)』(One Moment In Time→OMIT→省略された話)で描かれています。こちらもセットで邦訳出ないものでしょうか。