素顔のアメコミヒーロー
先週金曜日(4/20)にヒストリーチャンネルでやっていたのを録画して見ました。
見逃した方は4/25(水)にもまだ再放送があるようなのでそちらでどうぞ。
内容は1930〜2000年代のスーパーヒーローコミックのメインストリームを社会情勢と照らし合わせながら、当事者の編集者や作家たちのコメントが入るドキュメンタリー。第二次世界大戦に入るまではほぼDCコミックスがメインで、戦後にマーベルコミックスの話が入ってきてほぼその2社の話。インタビュイーにダークホースコミックスのお偉いさんがいましたが、ダークホースの漫画はヘルボーイが数カット映っただけだった気がします。関係者出演はなかったのですが、90年代の話の時に『スポーン』とイメージコミックの話は出ました。
この辺り、去年
でアメコミヒーローの歴史というドキュメンタリーを見ましたが、こちらはアンダーグラウンド・コミックスや、オルタナティブ・コミックスの話もそれなりにありました。
『素顔のアメコミヒーロー』で自分にとって新事実だった部分は
- 世界恐慌で職にあぶれた労働者階級がコミックブックの業界に入ったので頑丈でよく働いた
- 出版社や作者にユダヤ系が多かった
- 『スーパーマン』のような移民の話が生まれた
- 第二次世界大戦でアメリカが参戦する前にユダヤ人弾圧をしていたヒトラーとヒーローが戦っていた
- 戦時中の資源回収で多くのコミックブックが資源に回されてしまったため、戦前・戦中のコミックブックにプレミアがついてる(これは日本でも同じでしょうか)
- 兵士の支給品にコミックブックがあった
- DCの社長にゴルフでJLAの自慢話されてたMarvelの社長がスタン・リーに命じて作ったのが『ファンタスティック・フォー』
- ヒーローは高潔な存在(スーパーマン)から悩める存在(スパイダーマン)へ、反抗する存在(ウルヴァリン)へ、そして狂った存在(ロールシャッハ)へ
- どのあたりの年代の人かわからないけれど、DCコミックス→マーベルコミックスの流れだったらしい。今だとその上の年齢はイメージコミックスを読むのでしょうか
- 90年代にプレミアムが付いたコミックブックが注目され、投機が始まってヴァリアントカバーを大量に刷った(紹介されてた表紙はジム・リーのX-MENだった。1号辺りの売上のギネス記録のはず)。バブルが弾けてマーベルは一度倒産
- コミックブックの売り場はコミックスタンドから専門店へそして電子書籍へ
あたり。
他メディアで人気になっても必ずしも原作コミックの売上と結びつかなかった例(映画の『スーパーマン』はヒットしたけれど、コミックの売上はそれほど変わらなかったり)など、世知辛い話もあり、多少古いドキュメンタリーらしく、あまり最近の話に触れられていませんでしたが(マーベルのサイトが古かったり、電子書籍の話でタブレットディバイスが出て来なかったり)総じて満足でした。