DCユニバー スレガシーズ(上)
- 作者: レン・ウェイン,ジョー・キューバートほか,石川裕人
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 単行本
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発売日に買って読んでいましたが、こちらに書くのを忘れていしました。
話のほうは当事者のインタビューを通じたドキュメンタリー形式で、メトロポリスに住むある男の生涯を通して見たDCユニバースの歴史、といった感じです。アメコミは基本的に「スーパーヒーローのいる現実世界」なので歴史ドキュメンタリーとも相性がいいですね。スーパーマンが1938年開始で、そのころ8歳だとしたら今82歳。まだまだご存命ですね。
歴史ものではありますが、実際のDCコミックの出版物に沿った歴史ではありません。『DCユニバース レガシーズ』の発売当時(2010〜2011年)からみて一番整合性がありそうな歴史として語られています。
そのため、最初期のスーパーヒーローはスーパーマンではなく、クリムゾン・アベンジャーらになっています。また、ゴールデン・エイジの終わりとともにヒーローコミックが打ち切りになっていた現象は、ゴールデン・エイジのヒーローが議会に呼ばれて正体を明かすように強要されて姿を消したということになっています。
よく知らない人に説明するときに面倒なアース1、アース2の話も、スーパーマンやバットマンがシルバー・エイジ登場ということになっており、JLAがJSAの本拠地に行く話があるので、さり気なく消されてスッキリしている気がしました。他にも、編集者が変わって狂人じみた殺人鬼になったジョーカーのことも「心変わり」と言わせていますし、物語外での都合や事情もさり気なく理由をつけていて(解説で知りましたが)面白かったです。
そして上巻の最後は邦訳が長らく「発売予定」のステータスのままだった『クライシス・オン・インフィニット・アーシズ』の始まり。人々を助けるために一堂に会するヒーローたち。果たしてその敵の正体は?で終わり。
DCユニバースの75年間の歴史が10号で語られるので、相当なダイジェストですが、大事典系を読むつもりで概要を知りたいという人向けだと思います。この後、DCユニバースは『フラッシュポイント』を経て新しいDCユニバースへと生まれ変わります。
「フラッシュなんとか」は邦訳されるそうですし(ここまできて『フラッシュ:リバース』ってことはないと思いますが)、新しくアメコミを読み始める人の前回までのダイジェストとして上下巻読んでみるとよいと思います。
下巻は4月10日発売です。
DCユニバース:レガシーズ Vol.2 (DC COMICS)
- 作者: レン・ウェイン,ジェリー・オルドウェイほか,石川裕人,近藤恭佳
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2012/04/10
- メディア: 単行本
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