邦訳アメコミアドベントカレンダー19日目『グリーンランタン/グリーンアロー』
グリーンランタン/グリーンアロー (ShoPro Books)
- 作者: デニス・オニール,二―ル・アダムス,関川哲夫
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こんな人にオススメ
- 昔のストーリーや絵に抵抗のない人
- 時代背景知った上で古典としての資料に当たりたい人
続編・関連作品
70年代のグリーンランタン本誌の話なので、『グリーンランタン:リバース』のかなり前の作品ではあります。ただ、30年くらい間が開いているので直接的な関連はありません。
あらすじ・感想
色々あってガーディアンズのうちの一人(この人後にガンセットという名前と固有人格を得ます)を引き連れて70年代のアメリカ大陸をトラックで縦断するロードムービー風の進行。行く先々でアメリカの社会問題に出くわして、それに対してとりあえずの責任者をグリーンランタン、グリーンアローがぶっ飛ばしたり、どうにもならないと思ってグリーンアローが俗世を離れたりなどなど。
帯には「今、あらためてヒーローのあり方を問う!!人種差別、麻薬、環境汚染……リアルな社会問題に正面から向き合った歴史的名作コミック、待望の初邦訳!」と煽ってますが、冒頭7ページの解説を読んで「あくまで70年代のコミックとして」名作であったので、構えて読むと物足りない感じがあると思います。
例えば邦訳された中では『キャプテン・アメリカ:ニューディール』がよりストレートに9.11を取り扱っていますし、ヒーローと現実の問題という枠で言うと時代が進んだ分今のほうがより複雑かつ丁寧になっている気がします。
また、最初のころの話は根本的解決にはなっていませんが、とりあえず悪党を吹っ飛ばすフォーマットになっているのですが、次第にヒーローでは問題が解決できない方向に向かって行きます。解説冊子にも『フラッシュ』誌の巻末掲載になっていた時期があったと書いてますが、おそらく後ろの方がそうでしょうね。毎回毎回ピーキーな話を続ける方もキツイですが、読み続けるのも当時は子供がメインでしょうし、人気も薄くなりそうです。
解説を読んだ上で用法用量を守ってお楽しみくださいといったところだと思います。