邦訳アメコミアドベントカレンダー 5日目 『キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリーム』
デス・オブ・キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリーム (MARVEL)
- 作者: エド・ブルベイカー,スティーブ・エプティング,マイク・パーキンス,ブッチ・ガイス,ロバート・デ・ラ・トーレ,石川裕人,近藤恭佳
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 単行本
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続編/関連作品
『キャプテン・アメリカ:デス・オブ・ドリーム』の続きです。
あらすじ/感想
キャプテン・アメリカを継ぐことになったバッキー。それまで遠距離からのスナイプや逃亡時の戦闘が主だったバッキーは敵の砲火にさらされながら一対多の戦闘や、ビブラニウムの盾の慣れない扱いに困りながらのデビュー戦。
人々を沈めようと矢面に立てば偽物扱いでまともに話を聞いてもらえない。スティーブの死後、アイアンマンの依頼で一時期キャプテン・アメリカを継いでいたホークアイことクリント・バートンからはお礼参りを受ける。
誰もがバッキーをキャプテン・アメリカと認めない中、唯一の味方はかつての恋人で現S.H.I.E.L.D.のエージェントのブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)。キャプテン・アメリカになり、制約を受けながらの行動、急激な環境の変化に戸惑いながら、スティーブとは違うキャプテン・アメリカとしての歩みを始める。
そんな彼の前に現れた最後の敵は自らを完全にスティーブ・ロジャースに変えようとした4代目キャプテン・アメリカだった。超人血清の加護もない普通の人間が夢の重荷(バーデン・オブ・ドリーム)を背負って新生キャプテン・アメリカが歩み出す。
初代バッキーが新キャプテン・アメリカになる話。この後DCでも初代ロビンだったディック・グレイソンがバットマンの死を受けて新バットマンになりました。ディックはバッキーとは違って登場から半世紀以上の間ロビン/ナイトウィングとして活躍していましたが。
Marvel/DCのキャラの代替りに当時は感慨深かったものです。もっとも今では二人共先代の復活で元のポジションに戻ってしまいましたが。
『バーデン・オブ・ドリーム』のまとめは巻末にはABCの「グッドモーニング・アメリカ」で放送されたインタビューという想定でのインタビューに尽きると思います。
インタビュアー「あなたの前任者のスティーブ・ロジャースは長年、銃を持たずに戦って来ました。どうして銃を持とうと決意されたのですが?あなたが銃を持つことで、故人の名誉を汚すとお考えになったことはありませんか?」
バッキー「スティーブ・ロジャースは大戦中、銃を携行していました。銃、火炎放射器、手榴弾を使うことに彼が抵抗を感じていなかったといえば嘘になりますが、毛嫌いしていたわけではありません。銃を持つのは渡しがスティーブではないからです。彼になるつもりもありません。その事が、彼の名誉を汚すとは思いませんが…」
インタビュアー「銃を持つことは、スーパーヒーローの名にもとる行為とは思いませんか?」
バッキー「銃を手にしたからといって、男になれるわけでも、男が下がるわけでもありません。ヒーローも同様です。銃は道具に過ぎません。私はスティーブのように強化された肉体の持ち主ではありませんから、複数の敵を相手にするには、それなりの武器が必要です」
インタビュアー「なるほど…最後に、銃はヴィランに効果がありますか?」
バッキー「この銃に込められているのは、弾丸だけだとお思いですか?」
公私ともに誰よりもスティーブを知っているバッキーだからこそ言えるこのセリフ。物語を読み終えるときにはきっと誇らしく思えることでしょう。