シビル・ウォー
- 作者: マーク・ミラー,スティーブ・マクニーブン,石川裕人,御代しおり
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2011/09/28
- メディア: 単行本
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始まりはヒーローのリアリティー番組。全国放送の最中とらえそこねたヴィランが自爆。小学校を含む周囲数キロが焦土と化した。
現場の復旧作業に駆り出されるスーパーヒーロー。現場にはX-MENの活動にしか同行しないはずのセンチネルが。ハルクの暴走、ウルヴァリンの大統領暗殺未遂事件。人々がスーパーヒーローを疑うには充分な理由があった。
犠牲者の合同葬儀に出るトニー・スターク(アイアンマン)。スーパーヒーローに対する怨嗟の声で満ちていた。教会を後にするトニー。事件で息子を失った母親からつばを吐きかけられる。
時は満ちた。政府は超人登録法の制定に乗り出す。
スーパーヒーローはバクスタービルに集まり、超人登録法の受け入れについて議論を交わしていた。
"Whose side are they on?"
ヒーローとしての自由とシークレットアイデンティティを保つか、それとも正体を明かし国の狗になるか。ヒーローたちに迫られた二者択一の問いをめぐって彼らは内戦(シビルウォー)を繰り広げる。
インタビューでも触れられているが、本国の発売当時にも本作、シビルウォーは政治的寓話(はっきり言ってしまえばイラク戦争参加への賛否)なのかという問いがあったようだ。ライターのマーク・ミラーは否定しているが、星条旗の精神を持った男の敗北で幕を閉じる物語に意図を感じる人は多いだろう。
Twitterのタイムラインのようにアイコンと短文が1ページに30人は並ぶほどの人物紹介欄。大量の『シビルウォー』のための臨時号やタイイン誌。圧倒的なまでの情報不足の中での本誌のみの邦訳の発刊。初心者向けではない*1。
話の詳しい展開への言及は避けるが、各ヒーローの性格が極端になっている時期の話なのでこれだけ見て各ヒーロー像ができると困る作品でもある。とはいえ、これ以降のマーベルユニバースに影を落とした重大イベントなのである程度分かってからトライして欲しい一冊だと思う。