∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

Ultimate Comics Spider-Man #160

Ultimate Comics Spider-Man (2009-2012) #160

Ultimate Comics Spider-Man (2009-2012) #160

Ultimate Comics Spider-Manは新潮社が出してた頃と、電子書籍で安売りしてた号しか読んでいなかったのですが、最終回ということで記念購入。

Arcのタイトルからして『Death of Spider-Man』なのでスパイダーマンが死ぬのは分かってるのですが、表紙をめくるとUltimate Failoutの予告の絵。うなだれるスパイダーマンにうつむいて涙しているGwen、Mayおばさん、MJ。ASMではPeterより先に1回以上死んでそうな人が全員生き残っています。

本編

Peterに電話をかけるMJ。しかし、Peterは電話に出ない。電話を切って窓の外を見るとPeterの家の方から雷と煙が上がっている。慌てて部屋を飛び出すMJ。しかし、MJは母親に外出を止められる。窓の外の状態は悪化している。

MayおばさんとGwenを抱えてGreen Goblinから必死に逃げるPeter。スパイダーマンのコスチュームもかなり破れ、素顔を晒している。混乱しているMayおばさん。隣の家まできてPeterはGwenにMayおばさんを逃がすように頼んだ。すぐ後ろに迫るGreen Goblin。Peterも出血が酷く言葉を選んでいる余裕もない。

突進してくるGreen Goblinに一撃を食らわせるがPeterの傷も開く。地面にたたきつけられるGreen Goblinに一言二言言い残してPeterは一旦Johnnyを起こしに逃げる。

GwenがMayおばさんをなだめて連れていこうとするが、Mayおばさんはピーターの怪我と出血が心配でその場を離れようとしない。

気の利いたジョークを言う余裕もなく、真剣な顔をしてJohnnyをたたき起こす。Johnnyも負傷していたが、Green Goblinに突撃する。もみ合いの末Green Goblinはジョニーの力を吸収して炎に包まれていた。近くの車を破壊しながらピーターを探すGreen Goblin。

PeterはGreen Goblinをゴミ箱でボコボコにしながらピーターは叫ぶ


Peter「僕を殺してその後はどうするんだ!お前が殺した息子も、(工業でトップの会社だった)Ozcorpも魔法のように戻ってきはしないんだぞ!」


消火栓から溢れ出す水の中に叩きこむ。既に限界のピーターは倒れ込みながらGreen Goblinが立ち上がるのを見る。


Green Goblin「お前は死ぬんだ」


Peterは目を閉じてうつむいて答える。


Peter「そうかもね……」


そのときGreen Goblinの背中から車のライトが挿し込む。MJがトラックでGreen Goblinに突撃する。PeterはMJをトラックから救出して安全な地点まで投げ飛ばす。

トラックの下からGreen Goblinがはい出てくる。神の啓示を受けただの、Peterの家族や知り合いを全員殺してやるだのと喚く。Peterは最後の力を振り絞ってトラックをGreen Goblinに叩きつける。2回目にトラックを降りおろしたとき、トラックは爆発してピーターを吹き飛ばす。爆風で地面にたたきつけられたPeter。Peterに駆け寄るJohnny。

燃え上がるトラックの中で動かないGreen Goblinの手。JohnnyがPeterにそのことを告げると


Peter「よかった。ああ、できることは……できることは全部やった」


そう言ってPeterは意識を失う。Peterに駆け寄るMJ、Mayおばさん、Gwen。Mayおばさんの問い掛けに答えるPeter。最後の言葉は


Peter「僕は、Benおじさんを救えなかったけれど、Mayおばさんを救えた。僕は、やったんだ。僕は……」


目に涙を浮かべながらPeterは息を引き取った。心臓が止まっていることを確認して呆然とするJohnny。半狂乱状態になるMayおばさん。それを抱きとめるGwen。黙って涙しながらPeterを抱きしめるMJ。

悲痛な叫び声があたりに響く。その声を聞いて炎の中のNorman Ozbornの口元はニヤリと笑うのだった。


感想

Death of Spider-Man最終回にしてUltimate Spider-Man最終回。自身という代償を支払いましたが、Peterは自分が守りたい人たちを守りきって死ぬという自己犠牲型ヒーローの王道の結末になりました。普通なら遺された人々による葬儀がとり行われて終わり(で、実は一部の人だけが生きていることを知っているとか)ですが、次代が既に控えています。この辺りタイトルを出版社主導で発行しているので日本とは違いますね。

Death of Spider-ManはPeterにとってはいい終わりだったとは言えません。JJJが大学に行くための資金を出してくれると言ったところだったし、MJとの関係もこれからでした。しかし、スパイダーマンというヒーローの終わりとしてはきれいに終わりました。アメコミにありがちな復活前提の展開を盛り上げるための死(最近だとHuman TorchやCableがそうですね)や、バトンタッチした次代の人気がイマイチで戻ってくるといった無粋な話にならないことを願うばかりです。

これまでの設定を仕切りなおして始めたUltimate Universeですが、Spider-Manだけでなく、X-MENやUltimates(Ultimate UniverseにおけるAvengers)も相当戦死していて(戦死者リスト)有名キャラがどんどんいなくなっているのですが、スパイダーマンのように新キャラ登場の場にしていくのでしょうか。


後、PeterとGreen Goblinの戦いのセリフの中で"magically"が太文字で強調されていましたが、これはThe Amazing Spider-ManのOne More DayでPeterが悪魔と契約していろいろ「なかったことにした」展開に対するメタな発言でしょうか。One More DayでNormanの息子のHarryが復活しましたし、NormanもSegieで逮捕されるまではOzcorpに戻ってましたしね。


『Ultimate Failout』以降のシリーズを買うかどうかはまだ決めていないのですが、Death of Spider-Man編はデジコミで買おうか迷っています。