∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

KICK ASSネタバレ無し版

上映館拡大にも関わらず3月まで見れないという友人のためにネタバレ無しで奥歯に物を挟んだような言い方の感想。


ヒーロー映画としての売上の事を考えると原作と同じ展開にはしたくなかったのか、という感想です。こう書くと映画のほうがよくなかったような言い方ですが、そこに是非はないと思います。

原作は現実とほぼ同等の世界の中で普通の人間が「スーパーヒーローになる」というキチガイじみた行為を行ったらどうなるのか?という話でした。コミックの中のスーパーヒーローたちがある種のご都合主義で守られていた部分もなく、ひたすら現実を付きつけられ、向き合っていかなければなりませんでした。

対して映画は立ち上がりの段階までは一緒なのですが、ある地点からご都合主義が作用します。その結果、物語は美化され、ヒーローという名のヴィジランテが誕生することになります。ヒーローとしての活躍の代償を得た後にそこから始まる苦悩をほのめかして終わります。


原作完結前に映画が製作されたこともあって、意図的にエンディングが変わっているようですが、そりゃ誰だって死ぬ思いをして戦ってきた主人公が「最低だ、俺って」って言いながら抜くエンディングをスクリーンでは見たくないですよね*1。R15に指定される程度のグロシーンや教育に良くないシーンはありますが血の流れるヒーローの話*2としては良い出来だと思います。

にわか程度ではありますが、アメコミおよびそのアニメ、ドラマ、映画をかじった人間としては随所に溢れる引用やパロディをニヤニヤしながら見ていました。

*1:それをやったから旧劇場版エヴァはある種の反響があったわけで……

*2:スーパーマンなんかは流血とかクリプトナイト以外でしないですよね