∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

復習:新世紀エヴァンゲリオン 第九話「瞬間、心、かさねて」

対・イスラフェル戦。分裂するイスラフェルのコアを二点同時撃破するために同棲生活をしつつシンクロ特訓をする話。キャストは絵コンテ・樋口真嗣、演出・水島精二、作画監督・長谷川眞也。敗北からの努力・友情・勝利!という少年漫画展開きわまれりという話。

漫画版ではアスカがミサトの家に引っ越す前にシンジとアスカはネルフ本部施設で特訓している。単行本4巻丸まる1冊がこの話。最後の1日で猛特訓して合わせるという展開が違う。漫画版が採用されれば新劇場版:破の前半のメインになりそうな話。

初号機と弐号機が倒立して沈没しているのは『犬神家の一族』か。黒地に白の字、角で折れ曲がるサブタイトルの提示の仕方も市川昆からの引用ですね。わざわざこのように入れてくるというところは自分がパロディをしているということに自覚的だということでしょうけど。

「分かっているよ、分かっていて自覚的に入れているよ」というのがGAINAXのパロディに対するスタンスで、その辺りパロディ元がテレビやVHSなどの媒体で何度も再生可能なものが出現した世代的であるなぁ、と思います。それ以前であれば不鮮明な部分があって、それを作家なりに消化してもう一度アウトプットしているという感じですが。


さて、本編は努力・友情・勝利という少年漫画的な展開ながらもエヴァらしい部分はそこかしこに隠れている。例えば

アスカ「他に人、いないんでしょ?」

と、子供たちが言っても『エヴァ』では常に回避策がある。シンジが逃げると言ってもレイがいるし、アスカが出ないと言えばレイにやらせればいい。そのレイ自身も何人もいる代わりが効くうちの一人(この段階で二人目)。

だからこそパイロットは自分がエヴァに載らなければならないのだと繰り返すことになる。自分の代わりはいるのだから、自分を認めてもらうためにはエヴァに載って成功し続けなければならない*1。それが今までの話のようにそれがうまく作用していればいいのだが、そうでないときに袋小路に陥ってしまう、ということはこのときのテンションからはまだまだ想像できなかったところ。

二体に分裂したイスラフェルへのシンクロ攻撃はOPでも音楽と映像のシンクロのレベルの高さを見せつけているだけあって実に良く合っていた。最後着地に失敗して口げんかになるところはアスカ登場編からのコメディタッチの話ならではか(アスカが朝シンジに声をかけるときの様子もそうだけど)。

後、割とどうでもいいことですが珍しくトウジが制服を着ている回。遠景だとトウジが黒ジャージ着ている感じだけど。どちらかが指定ミスなんでしょうかね。

*1:と、アスカなんかは脅迫的に感じていて、自分より優秀な存在を認めたくない傾向にある