ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ネタばれありのまとめは
「∀ddict - 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』」
(http://d.hatena.ne.jp/takkunKiba483/20070901/p1)
こちらに書いたのですが、落ち着いてきてからの感想をここに書こうかと。今週は『ヱヴァ』関連エントリばかりで「ヱヴァ、ヱヴァって、お前はエヴァ村の住民か!」という声も聞こえてきそうですが(現にトラックバックがすごいですね。150件超えました)。
今回の劇場版の最大の見所が新画を大量に投入したヤシマ作戦であることには変わりないのですが、その中でも個人的に注目したいポイントが二つあります。
一つ目はミサトによってリリスの所へ連れて来られたシンジが、ヱヴァに載る決意してミサトの手を握り返すシーン。二つ目はレリエル戦のエントリープラグの中でシンジが自問自答するシーン。
まず一つ目について。テレビ版でのシンジは24話「最後のシ者」でカヲルに
「君は一次的接触を極端に嫌うね」
と言われるように他人との接触が苦手な男の子である*1。以前にはアスカにけしかけられたとはいえ、キスをしていたりするのだけど、これは苦手意識が思春期の好奇心*2が勝ったのだろう。
そのようなシンジが相手の手を握り返したというカットは私には大変印象的。相変わらずの自嘲的な憎まれ口を叩きながら、新作画で凛々しくなったシンジがヱヴァに載ることを決断する。この決断はテレビ版では19話「男の戦い」で加持に事情を聞かされてからとかなり後半の出来事になる。この重大な決断が新劇場版では序の段階でくだされるというのはこれからの展開を期待させる。
二つ目はトレーラーにも含まれている新作画のシーン。真っ暗な空間にシンジの見開いた目。それから徐々にカメラが引いて全身が映り、その後、背景のエントリープラグが現れる。この場面には非常にドキっとした。次々に襲う不安に自問自答している間には完全に意識は上の空で、認識している所から次第に現実に引き戻されていく。
中心に頭部があり、それから胴がほとんど無い状態ですぐに手足へと伸びているエントリープラグの正面の模様のように認識がなされていく。自分が不安に襲われたときなんかのイメージが再現されている印象。ゾッとするというか、背筋に来るというか、このシーンを見るたびにそういった感覚がよぎる。そういった個人的感覚とフィットしていて非常に気にかかるシーン。
細かいところですが、こういった描写のうまさというのも『ヱヴァ』の特色のひとつだなぁ、と。