∀ddict

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復習:『新世紀エヴァンゲリオン』劇場版、ゲーム、そして新劇場版

「∀ddict - 復習:『新世紀エヴァンゲリオン』出会い〜劇場版」
http://d.hatena.ne.jp/takkunKiba483/20070830/p1

の続き。


庵野監督の出身地というみもふたもない理由でブームのおこぼれを預かってどうにか夏休みの間にテレビ版を見終えた。さあ、劇場版だ!と意気込んでいたところだったが、旧劇場版は映画館で見ていない。理由はよく覚えていない。旧劇場版の封切が1997年7月19日なので夏休みが終わった頃には既に上映が終わっていたはずだ。もしくは、地元の映画館では上映していなかったという田舎の事情かもしれない。

どこで見たかというと、父親が映画好きでこの年にWOWWOWに加入してWOWWOWで見た。そんな状態だったので、年末にREVERTH編を見て弐号機の上空で量産期がぐるぐる回っているところでやきもきしながら待たされた。結局、旧劇場版の25,26話を見たのは翌1998年の春、世間ではテレビ版の総集編であるDEATH編と25,26話をセットで上映された頃だ。

劇場版の感想はまず第一に(家で見たからというのがあるが)「親が一緒に見てなくてよかった」、第二に「後味が悪い」、第三に「どうしてこうなったんだろう?」。アニメ誌も見ていなければ、まだインターネットを見て回るような余裕もそうそうなかったし、当時のテレビアニメ事情なんてものは全く知らなかった。それで、26話が意図的に視聴者が望まないような結末に運んでいったのがどうしてそうなったのか全く分からなかった。


と、このように世代的にはエヴァンゲリオン世代でも、リアルタイムで見ていないし、当時白熱したと言われている現象も全く目にしていない。完全に後追い。修学旅行のバスに乗れなくて、昔話をされると今でも肩身が狭い人間だ。当時東京に住んでいた友達に当時の状態を聞くと

「ラストで声が上がり、映画館から出てくるときに映画の内容の話をせずに無言でぞろぞろ出てきて、ほどなくして『エヴァ』の話を以前に比べてほとんどしなくなった」

とのことだった。後にインタビュー文などで知った庵野監督の「アニメファンに水をかぶせる」行為は成功したようだった。それに90年代末からアニメが乱発していて、常に乗り換え先があったのも東京の友人が『エヴァ』の話を以前よりしなくなった一因だろう。


そして進学して実家より多少都会に出れるようになって情報が集められるようになって、本になっている程度の状況を知る事ができた。知ったからどうとなる事もなく、自分は今知って誰かとしゃべりたくともインターネット越しの世界では既に1年以上前の話だった。そんな状況やWOWWOWに加入したので多少は見れるアニメも増えたこともあって、『エヴァ』の事は『少年エース』でたまに読むくらいだった。もっとも、休載が多くなってからは単行本待ちになって普段は片隅にも無かったのだけど。

この頃『エヴァ』のゲームが結構出ていた。『新世紀エヴァンゲリオン』の本編にもセガサターンが出ていたくらいで、最初のゲームはセガサターンだった。自分はPSユーザだったので後に『鋼鉄のガールフレンド』を買ってセガサターンユーザの友人と『2nd impression』を本体ごと交換してプレイした。

自分がGAINAXの名前を知ったのはパソコン雑誌の裏に『プリンセスメーカー』の製作元として記載されていたことだった。それでゲームを期待して『2nd impression』や『鋼鉄のガールフレンド』をプレイしたのだが、ほとんどユーザの選択肢が無い今で言うノベルゲームでガッカリした記憶がある。もっとも、ストーリーはそれなりに気にいって買って損したとは思わなかったけれど。

当時発売されていたゲームの主流は育成ゲームやミニゲームなどが主で、自分が期待していたようなゲームは2003年の『新世紀エヴァンゲリオン2』まで待つしかなかった(1999年にNintendo64で発売したほうは本体持ってなかったのでプレイできなかった)。

と、このように2000年くらいまではゲームで『エヴァンゲリオン』やGAINAXの名前につながれていて、それで『フリクリ』の情報を知って買い、『アベノ橋魔法商店街』から『トップ2』、『天元突破グレンラガン』へとずるずるGAINAXに引きずられてしまうのである。

その後、2003年にPS2『新世紀エヴァンゲリオン2』が発売される。この発売前に角川から『エヴァンゲリオンエース』なる増刊号が発刊された。角川で仕事をしているクリエーターたちがエヴァ語りをやっているのを見て、こんなのだったんだなぁ、と思うと同時に自分はこういうこと言えないんだよなぁ、と寂しくもあった。で、問題の『新世紀エヴァンゲリオン2』だが、結構設定もてんこ盛りでエヴァ熱がぶり返した。ハリウッド版の話もこの前後くらいにラフボードが提示されたのを覚えている。


そして昨年に新劇場版をやるという話が出た。『エヴァ』後のネガティブだった発言が実写映画を撮ったり、安野モヨコと結婚したり、と庵野監督の環境も随分変わっていただけに、どのような作品になるのか楽しみだった。先年に富野監督が劇場版『機動戦士Zガンダム』をやり終えた後だけに期待はかなり大きかった。

今日劇場で新劇場版を見てきた。貞本版になるでもスパロボ版になるでもなく、10数年前に「逃げちゃダメだ!」と必死になっていた少年がそこにいた。オールナイトの映画館がなくなっていたりと彼を取り巻く状況も10年分変わっていた。そんな中で彼がどんな結末を迎えるのか、まだ物語は始まったばかりだ。


最後に私にとっての庵野監督というと、地元に撮影で帰ってきたときにアニメを教えた人だ。その場にいる人間が動かすとちぐはぐになるような動画を書く中。数枚の動画でボールが弾む様子を見事に表現してくれた。その様子がなぜかテレビ版26話のワンシーンを思い出させた。

何も無い真っ白な空間にシンジがほうりこまれて、どちらが上でどちらが下ともおぼつかずに浮いている。そこにゲンドウの声がする「お前に不自由をやろう」その声の後、画面に一本の線が引かれ、シンジがその上に立つというシーンだ。

庵野秀明という人はアニメーターなんだなぁ。と、このことを思い出すたびにつくづく思う。