∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

トランスフォーマー(Transformer)

初日の最初の回で見てきましたがえらい込んでました。もう少し年の方が来られているかと思いましたがカップルが多かったです。売店には映画版の玩具が置いてあって、手にとってビークルにして遊べました。いい年こいた人が買いもせずにトランスフォームを楽しんでいる姿を衆人環視されているのは少し辛かったですが、幼稚園の頃に触っていた玩具(多分ジンライ)を思い出して楽しかったです。

私は『トランスフォーマー』と言うと『超人マスターフォース』から見た人間なので*1昔のファンの方もアメコミ派の方も最近のシリーズのファンの方も生暖かい目で見てやってください。あんまり詳しくありません。それでも名称がほとんどが英語名のままで気になったので自分が知っているものを挙げておきます。字幕も英語名でした。

日本語名 英語名
サイバトロン オートボッツ
デストロン ディセプコン
コンボイ オプティマス・プライム
バンブル バンブルビー

他にもシリーズによって色々ありそうです。デストロン側のヘリの人の名前も違ったような気がしますが。

以下、ネタばれというか多少内容に触れるので「続きを読む」記法で。

全体的な感想

良かったと思います。パロディとみもふたも無い現実感が漂っていてとても楽しめました。

実在するものや、スティーブン・スピルバーグマイケル・ベイが制作にかかわった作品への言及やパロディは自分が覚えている限りではこんなところ。

  • 40歳の童貞男:タイトルの通り、40歳まで童貞の男の日常を描いた映画。主人公が親にダサい中古車になったときに「嫌だ」とはっきり言う代わりに引用
  • 未知との遭遇E.T.:両方ともエイリアンが地球にやってきて地球人がドタバタする話(我ながら酷いまとめ)主人公が「エイリアンと遭遇したなんて!」と誤魔化すときの例えとして登場。エイリアンと人類がどう付き合っていくかという筋では本編と似た部分があったり
  • 激突!:スピルバーグが演出に関わった作品。車が自意識をもって人を襲うという辺りがバンブルビーが一人で動き回る辺りのシーンとの類似性がある。
  • アルマゲドン:地球に落ちてくる隕石を粉砕するために採掘のプロを宇宙に上げる話。サイバトロンがエントリーモードで地球に隕石として降ってきたときにカメラ回してるおじさんが「アルマゲドンよりすげー!」と叫んでいる。
  • 宇宙戦争:幼女の演技がすばらしかった映画。宇宙から侵略者が来るという筋がデストロン。劇場でもらったリーフレットにスピルバーグが『宇宙戦争』で悪いエイリアンしか出てこなかったけど、私はそうじゃないと思っている(いいエイリアンもいるだろう)から『トランスフォーマー』作りたいと思ったとか。ちなみにスピルバーグと『トランスフォーマー』の出会いは80年代に子供が玩具を持ってたかららしい。変形機構に子供より自分が夢中になっていたらしい。
  • グレムリンスピルバーグ制作指揮の映画。CDプレーヤーから携帯電話になったやつの元ネタはおそらくストライプがモチーフ
  • ジョーズ:砂漠で砂に軌跡をつけながら近づいてくるシーンなど、他にも似たシーンがあったような……
  • オプティマス・プライムの口がゴリラっぽい:『ビーストウォーズ』でオプティマス・プライムに相当するサイバトロン星人がゴリラからトランスフォームする人だったから
  • 大統領:ハリウッド映画なのに大統領が前線で戦わずに(戦ってたのは国防長官)エア・フォース・ワンで「それよりオヤツちょーだい」とのたまっていたのは多分9.11のときにボーっとしていたと揶揄され、スーパーボール観戦中にプレッツェルをノドに詰まらせた某大統領のパロディ
  • eBay:インターネットオークションサイト。日本語版は撤退したので日本ではあまり有名ではないけれど、メジャーなオークションサイト。eBayがここまで重要な役割を果たすなんて思っても見ませんでした
  • トムのeBayのハンドルネーム:本人曰くタイプミスらしいけど……
  • サイバトロン星人を見てみんな日本製だと言う:タカラトミーから発売されてるから確かに日本製なんですけど
  • セクター7の人の下着:スーパーマンのパロディ
  • エイリアンとの接触の有無の調べ方が放射線の測定:これ大本の元ネタはどこでしたっけ?

などなど。サイバトロン星人同士の対戦は怪獣映画であったり、ロボットアニメっぽい部分が随所に見受けられて、その辺りも具体的な名前は挙げられませんがパロディというか元ネタっぽいものがありそう。空港でCDプレーヤーからトランスフォームして逃げていくシーンも、バレバレなのに周囲にはバレていないというのもその手の話に良くある表現でそれを茶化している感じがして面白かったです。

みもふたも無い現実感は例えば

  • 車を買ってもらう条件
    • 2000ドル貯めて成績でAを3つ以上取ること
    • それでもボロい中古車しか買ってもらえないところ
    • それを見越して祖父の遺品を売ってでも金を稼ごうとしているところ
  • 主人公のオタク描写
    • 人の目を見て話せない(後半は改善した)
    • 作品の引用などを使った表現をする(『40歳の童貞男』の例など)
    • どもる
    • マッチョに弱い
    • 負け惜しみがやたら理屈っぽい(アメフト部の入部テストを受けたことを「フットボールと脳震盪」という本を書くためだったと言い訳)
    • 犬に追いかけられる(日本で言うとのび太くんくらいだ)
    • ベッドの下にあるエロ本を人のものだと言い張る(が、その後正直に撤回)
    • 車を修理しているヒロインのヘソと胸をチラ見
    • 機械と話せることにそんなに違和感を感じていない
    • CDプレーヤーに追いかけられてズボンをひん剥かれてパンツ一丁で逃げた上、ヒロインに助けてもらう
    • カメラアングルが回転して見詰め合う二人がアップになるというマイケル・ベイの映画によくあるラブシーンでキスをスルー
  • お母さん
    • 二言目には外出禁止
    • 国家の危機より我が家の危機
    • 息子(主人公)が部屋からなかなか出てこないのはマ○タベーシ○ンしてたからじゃないかと言う
    • 旦那と息子が嫌そうな顔をするのでじゃあ「ハッピー・タイム」とでも言い換える?とか言う
  • インターネット&eBay関係
    • サイバトロン星人は英語をインターネットで勉強したらしい
    • 話のキーになる祖父の遺品の出品先がeBay
  • 精密機器を見ると日本製だと言う

などなど。サイバトロン星人の口から「言葉はインターネットで覚えた」なんて俗っぽい言葉が出てきたときには笑いました。人物造詣は主人公とその母親が特によくできていたと思います(反面、ヒロインは話の設定としては良くできてますが……)。


不満な点を挙げるとすると、劇中の説明だけではキューブが最終的に何をするものなのか(冒頭で一応説明ありましたが)分かりにくいのと、引いた画で変形の様子が見れなかったこと、お顔の造詣が好みでないことでしょうか。後者は私が玩具ありきの発想をしているので映画自体の問題ではありませんが*2。後、少し前にも書きましたが、一般映画という枠で考えると主人公がオタクだし、ヒロインの造詣が「ちょっと……」と言われそうではあります。


ともあれ、アメリカで興行収益記録を塗り替えているだけあって、ハリウッド映画として面白かったと思います。当然ハリウッド映画が嫌いな人には全くお勧めできません*3。原作ものという観点からするとぬるいトランスフォーマーファンの私は楽しめました。

*1:ガンダムで言うとSDガンダムから見た人。まあ、実際ガンダムもSD ガンダムから見たのですが……。

*2:これは(特に最近の)ガンダムだとメカの巨大感よりプラモデルで再現できるキメポーズを優先する傾向があるからそう思うのですかね。

*3:そもそも、そういう人はスピルバーグマイケル・ベイ制作という時点で見ないと思いますが。