年末年始のお勧め書籍 IT編
@ITがやってたのでそれに便乗してみる。
「年末年始に読みたいIT関連書籍、この10冊 − @IT」
(http://www.atmarkit.co.jp/news/200612/27/books.html)
これを踏まえてあまり前提知識が要らないもの中心で考えてみるとこんな感じでしょうか。
Web2.0とかGoogleとか
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
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この二冊を併用していればそれなりにいいのではないかと思います。前者はシリコンバレー精神的な性善説に基づいてGoogleを中心としたWeb2.0の現象について解説した本。後者は前者のような言説にやや懐疑的なところがあって、前者が取り上げていないGoogle八分などの暗部も書かれていたりする。
Web2.0に関しては本家の
「O'Reilly -- What Is Web 2.0」
(http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/news/2005/09/30/what-is-web-20.html)
と、その邦訳である
「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編)― CNET JAPAN」
(http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000055933,20090039-5,00.htm)
でいいかと。解釈についてははてブの「Web2.0」タグを辿るといいんじゃないでしょうか(他力本願)
Web2.0の捕らえ方は「クライアント端末のスペックと通信速度、無料で手に入る開発環境などの技術インフラが可能にした従来とは少し変わったWebの使い方」くらいでいいような気が個人的にはしてますが。クライアント端末の性能が格段に向上したことでスクリプト言語を走らせる負荷であったり、Ajaxが実現できるようになったのでしょうし。自分の頭の中でその辺の経緯はこんな感じの理解。
1.サーバ・クライアント型
クライアントが貧弱だったのでスパコンのリソースをシェア。
2.P2P型
クライアントが自らサーバになれるほど端末の性能がアップ。反面セキュリティなどの問題が発生。
情報化社会
インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?―情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方
- 作者: 森健
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
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- 作者: 坂村健
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2006/09/21
- メディア: 単行本
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前者はジャーナリストが情報化社会に起きている個別事例について取り上げ、それぞれのメリット/デメリットを取り上げている。個人的にはOh! My Newsが韓国で爆発的に人気になったのは韓国独特の構造があるからで、日本でそのままやろうとしてもうまくいかないだろうと書いてあったのでお気に入り。
後者はTRONの坂村教授が技術的な側面から情報化社会でセキュリティーやプライバシーなどの権利を担保する為にはどういった技術が必要なのかといったことを書いた本。ビキタスコンピューティングを実現するためには万物に固有のIDをつけてしまうので、トレースなんかが簡単にできるけれど〜というお話。坂村教授はNHKのネットについての討論の番組でもばっさばっさ切ってくれてすごかったですね。
サイバー法
- 作者: ローレンスレッシグ,山形浩生,柏木亮二
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2001/03/27
- メディア: 単行本
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インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門 [ソフトバンク新書]
- 作者: 白田秀彰
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2006/07/15
- メディア: 新書
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前者は読んでいる人はとっくに読んでいるレッシグの『CODE』。法・社会規範・市場・アーキテクチャーという面から何がどのように規制されていて、それを解決するにはどうすればいいのかという考察が書かれている。分厚い本だけれど、エッセンスは少しのページに収められていて後は個別事例を使った説明がたくさんあるので読むのはそれほど大変ではありませんでした。未読の方は是非。お勧めです。
Webでとかく問題になりがちな著作権については同著者の
- 作者: ローレンス・レッシグ,山形浩生
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/11/30
- メディア: 単行本
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があります。これもお勧め。
後者は
「インターネットの法と慣習−Hotwired Japan」
(http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/index.html)
の連載をまとめて書籍化したもの。詳細はこちらに譲るとして、同著者による『CODE』と『コモンズ』の解説ページがあるので併記しておきます。
「レッシグ教授の『コモンズ』を読む――日本社会に問いかける問題」
(http://hotwired.goo.ne.jp/bitliteracy/guest/030121/)
ここの最後に「多方面の知識が必要になるため、日本の学問からも敬遠されがちで日本の学生に教えるのも難しい」といったことが書かれているけれど、その通りだと思う。この辺はどうにかした方がいいとは思うけどなぁ。
ハッカー
- 作者: ブルーススターリング,Bruce Sterling,今岡清
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
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- 作者: ケビン・ミトニック,ウィリアム・サイモン,峯村利哉
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2006/09/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最後はこのWebを含めたソフトウェアなんかを作るハッカーたちのお話。読み物なのでお好みでどうぞ。