∀ddict

I'm a Japanese otaku. I like Manga, Anime, Games and Comics.

年末年始のお勧め書籍 IT編

@ITがやってたのでそれに便乗してみる。

「年末年始に読みたいIT関連書籍、この10冊 − @IT」
http://www.atmarkit.co.jp/news/200612/27/books.html

これを踏まえてあまり前提知識が要らないもの中心で考えてみるとこんな感じでしょうか。

Web2.0とかGoogleとか

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

この二冊を併用していればそれなりにいいのではないかと思います。前者はシリコンバレー精神的な性善説に基づいてGoogleを中心としたWeb2.0の現象について解説した本。後者は前者のような言説にやや懐疑的なところがあって、前者が取り上げていないGoogle八分などの暗部も書かれていたりする。

Web2.0に関しては本家の

「O'Reilly -- What Is Web 2.0
http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/news/2005/09/30/what-is-web-20.html

と、その邦訳である

Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編)― CNET JAPAN」
http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000055933,20090039-5,00.htm

でいいかと。解釈についてははてブの「Web2.0」タグを辿るといいんじゃないでしょうか(他力本願)

Web2.0の捕らえ方は「クライアント端末のスペックと通信速度、無料で手に入る開発環境などの技術インフラが可能にした従来とは少し変わったWebの使い方」くらいでいいような気が個人的にはしてますが。クライアント端末の性能が格段に向上したことでスクリプト言語を走らせる負荷であったり、Ajaxが実現できるようになったのでしょうし。自分の頭の中でその辺の経緯はこんな感じの理解。

1.サーバ・クライアント型

クライアントが貧弱だったのでスパコンのリソースをシェア。

2.P2P

クライアントが自らサーバになれるほど端末の性能がアップ。反面セキュリティなどの問題が発生。

3.サーバ・クライアント型

クライアント端末の性能アップにより、従来サーバがしていた処理の一部をクライアントが引き受けることができるようになった。このことで従来のサーバ・クライアント型に比べてはるかにリッチなサービスを提供することができるようになった。また、データをサーバに置いて置くことでセキュリティ管理も一括でできる。日本版SOX法などもこの流れだったような。

こういったゆれ戻しが起こってるのでまた新しいP2Pのようなアーキテクチャーができるんでしょうか。Skypeが固定電話に電話をかけられたり、Skypeフォンが出たりしているのでその流れは確実に起こるとは思いますが。

情報化社会

インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?―情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方

インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?―情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方

ユビキタスでつくる情報社会基盤

ユビキタスでつくる情報社会基盤

前者はジャーナリストが情報化社会に起きている個別事例について取り上げ、それぞれのメリット/デメリットを取り上げている。個人的にはOh! My Newsが韓国で爆発的に人気になったのは韓国独特の構造があるからで、日本でそのままやろうとしてもうまくいかないだろうと書いてあったのでお気に入り。

後者はTRONの坂村教授が技術的な側面から情報化社会でセキュリティーやプライバシーなどの権利を担保する為にはどういった技術が必要なのかといったことを書いた本。ビキタスコンピューティングを実現するためには万物に固有のIDをつけてしまうので、トレースなんかが簡単にできるけれど〜というお話。坂村教授はNHKのネットについての討論の番組でもばっさばっさ切ってくれてすごかったですね。

サイバー法

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

前者は読んでいる人はとっくに読んでいるレッシグの『CODE』。法・社会規範・市場・アーキテクチャーという面から何がどのように規制されていて、それを解決するにはどうすればいいのかという考察が書かれている。分厚い本だけれど、エッセンスは少しのページに収められていて後は個別事例を使った説明がたくさんあるので読むのはそれほど大変ではありませんでした。未読の方は是非。お勧めです。

Webでとかく問題になりがちな著作権については同著者の

コモンズ

コモンズ

があります。これもお勧め。

後者は

「インターネットの法と慣習−Hotwired Japan
http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/index.html

の連載をまとめて書籍化したもの。詳細はこちらに譲るとして、同著者による『CODE』と『コモンズ』の解説ページがあるので併記しておきます。

レッシグ教授の『コモンズ』を読む――日本社会に問いかける問題」
http://hotwired.goo.ne.jp/bitliteracy/guest/030121/

ここの最後に「多方面の知識が必要になるため、日本の学問からも敬遠されがちで日本の学生に教えるのも難しい」といったことが書かれているけれど、その通りだと思う。この辺はどうにかした方がいいとは思うけどなぁ。

ハッカー

ハッカーを追え!

ハッカーを追え!

ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く

ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く

最後はこのWebを含めたソフトウェアなんかを作るハッカーたちのお話。読み物なのでお好みでどうぞ。