『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の宇宙戦争』
警察が子供の言うことをまともに聞いてくれないところを始めとして、ベタなお兄さん/弟の演技で切り抜けようとする臭さと嘘っぽさ、隊長も入港のときのバーニィーの反応を見てかアルの子守に回したところ、バーニィーがアルに兄貴風を吹かせようとしたのがばれて笑われたりなど、地道な積み重ねがうまい。初めて宇宙空間に出て驚いたアルが「怖くなんかないやい」という辺りも子供らしくて良かった。
この平和な日常があるコロニーからは同時期にホワイトベース隊が最前線で戦っていたことがまったく伝わってこない。1話で連邦がモビルスーツを持っているのが嘘かどうかでもめたくらいだ。この話でもあったけれど、男の子がやたら戦争ごっこをしたがるくらいの場所。アイキャッチに表されるように戦争は男の子たちのポケットの中にしかない(全体の戦場からするとちっぽけな局面だということかもしれないけれど)
スピンオフ作品だからといえばそれまでかもしれないけれど、この辺りは割と戦中・戦後直後育ちがメインスタッフだった『機動戦士ガンダム』と戦後育ちがメインスタッフの『機動戦士ガンダム0080』のカラー分けの大きな要因になっている気がする。言い過ぎかもしれないけれど、戦争が体感的なものだったかどうかで1話の「学校さぼるのかよー」という台詞が出てくるかどうかが左右されている気がする。