富野アニメ私観
富野アニメは「制約の中でも既成の枠を飛び越えて新しいことをしてやる!」というアグレッシブな姿勢が見て取れて好きなのですが、それが奇抜であればあるほど一見さんお断りの姿勢を作っていている悪い面もあるように思います。加えて、誰の弁かは失念しましたが、富野監督のストーリーラインの根底は端的に言うと
「根源的に破壊衝動を持っている男たちは、種を残していくための防衛反応を持つ女たちによって許されている」
という構造の繰り返しになっていた(る?)面も否めません。「種を残していくための防衛反応を持つ女」というのは母と呼び変えた方がいいかもしれませんね。女と母――『だから、僕は……』で言えばチャコと阿々子、新訳『Z』で言えばレコアとエマがその好例でしょう。もっともこれは一旦清算されて今の白富野のステージに進んでいくのですが……それはまた今度ということで。