∀ddict

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劇場版機動戦士ΖガンダムⅡ 恋人たち

公開初日に見に行ったのですがずいぶんと間が空きました。
ネタばれ含みます。


端的に感想を言ってしまうと良くも悪くも『Ζ』らしくなってきた感じでした。「『Ζ』らしさ」の中でも『Ζガンダムエース』誌上で福井晴敏が語っていた

 Ζガンダムは基本的に状況とドラマが一致していない
 (『Ζガンダムエース』No.002より)

という部分が第一部「星を継ぐ者」に比べて顕著になってきた感じです。
特にカミーユが宇宙に出てからは良く言えばTV版Ζの状況、雰囲気に忠実、まさに新作ではなく「新訳『Ζ』」という感じを受けました。「星を継ぐ者」が

  • ジャブロー降下作戦失敗(クールダウン)
  • 新作フィルムによるMS戦とアムロの復活(テンション最高潮のまま終わり)

という映画としては非常にオーソドックスな作り、かつ『Ζ』らしさが薄れていた感があっただけに余計にそう思えたのかもしれません。そのため個人的には一見さんには『星を継ぐ者』に比べておすすめできません。サブタイトルの通り恋人たちのストーリーが主軸になっているとはいえ、後半部分辛いと思います。分かりやすさという点ではアクシズ参戦前で終わっているので、エウーゴティターンズという関係軸だけで済む分、分かりやすいとは思いますが。
個人的に気にかかった変更点は以下

  • ロザミア死亡(?)
  • キリマンジャロ前にフォウの死亡が確定
  • サラがメイン格並に登場している
  • 後半のTV版の片目だけ睨んでいるような表情がTV版の次第に追い詰められていくカミーユに映って新作の顔の雰囲気と馴染まない
  • アポリー中尉のフルネームが発覚(アポリー・ベイ)
  • ハマーン専用ガザC登場

声はフォウより旧画のサラが違和感ありました。新画ならあれでもいいとは思うのですが、旧画だともっときついイメージなので。
私はTV版『Ζ』を見ているので、見所はカットのつなぎと新作画パート。エマのほおずりしながら「♪にゅぅたいぷ〜」のカットだけでも結構見る価値あると思います。無論、その他にも前作より多い新作画が入っています(ソース:『語ろう!Ζガンダム』)。ただ、新作画は合間合間に挟まっているのでそれほど多く感じないかもしれませんが。

総評としては「星を継ぐ者」に比べると後半部の山谷が『Ζ』になっているので、単品映画としてみるとやや厳しいかもしれません。元々ガンダムファン以外はあまり見に来ないと思いますが、後半一見さんお断り度がアップしている気がします。
とはいえ、次の「星の鼓動は愛」(なんだかⅠとⅡのサブタイトルを合わせた感じですね)で「新訳『Ζ』」は完結。『ブレンパワード』以降その気がすっかり薄れているとはいえ、「皆殺しの富野」の異名を持つ監督がどう『Ζ』を新約して完結させてくれるかが非常に楽しみです。『語ろう!Ζガンダム』で劇場版『ガンダム』を含めてガンダム6部作になると言っていましたが、『Ζ』で完結するようになるのでしょうか。ならなかったにせよ、富野監督にはガンダムに限らずどんどん作品を作ってほしいと思う次第ですが。